なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

山田五郎さん、ありがとうございました。

山田五郎さんがお亡くなりになりました。

2026年7月14日帰天

帰天…キリスト教の信者の方に使う表現とのこと。初めて知りました。

 

これまで、幾度となく山田五郎さんのお名前を拝借し、Youtubeチャンネルを引用してきました。五郎さんの知識は広く、深く、またお話はユーモアがあって、山田五郎さんの解説で西洋美術が好きになった人はとても多いと思います。

私も、山田五郎さんのチャンネルのおかげで知り得たことが本当にたくさんあり、また、美術がより一層楽しめるものになりました。常々、日本では美術鑑賞の教育が弱いんじゃないかと文句を言ってきましたが、もう山田五郎さんのYoutubeを全部見ればOKなので、今からでもいいのでたくさんの方に見てほしいです。

 

このブログで五郎さんの名前を出した主な投稿はこちら。

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最後の講義、『メメント・モリ』

五郎さんが最後の力を振り絞って作ってくれた講義がこちらです。

『メメント・モリ』(死を想え)


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五郎さんの最後の講義が「メメント・モリ」であることは、お亡くなりになったことの公式発表で同時にお知らせがありました。それを聞いた瞬間、涙がぎゅうっと出てしまいました。

骸骨モチーフが大好きだった五郎さん、そういえばメメント・モリだけを解説する講義はなかったっけ。

 

メメント・モリについては、私も過去の投稿で紹介しています。

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しかし、当然の如く、五郎さんの解説の方が図版も多く、内容もわかりやすいので是非見てほしい。

ドクロには不気味さを感じることが多いと思いますが、「メメント・モリ」には、「人間は誰でもいつか死ぬのだから、その日を精一杯生きなさい」という教訓が込められています。

 

これを体現した山田五郎さんの生き様を本当に心から尊敬しています。

また、コロナ禍の中始まったYoutubeチャンネルにどれだけハマって心救われたことでしょう。こんな魅力的な文化系おじさんが、今後現れることはあるのでしょうか。

 

こんな素晴らしい人にも死は訪れてしまう。

 

ああ、しかし何より感謝を伝えたい。

生きているのが嫌になったり、美術じゃ食っていけないよ!と嘆いたり、私はいつも文句ばっかりで、精一杯生きることを忘れてしまう。

五郎さんは、病気に抗いながら、確実に歩み寄る死を感じ取りながら、最後の最後で、美術を通して命の儚さ、生きる喜び、一日一日を生きることを教えてくださった。

 

できるかなぁ!私にはちょっと難しいかもしれないけれど、そうなりたい気持ちはあります。

「まあなんとかなる子」というブログのハンドルネームも、ポジティブな人間だからそう名乗っているのではなく、その反対だからあえてつけているところがあります。

 

「メメント・モリ(死を想え)」「カルぺ・ディエム(その日の花を摘め)」を心に刻みます。

 

本当にありがとうございました。

 

安らかに。

2026上半期ベスト美術館展(超個人的)

今週のお題「上半期ベスト◯◯」

はてなブログの今週のお題が「上半期ベスト」とのことですので、訪れた美術展のベストを振り返りたいと思います。

 

今回対象とするのは有料で美術館で開催された展示のみに限りました。

コマーシャルギャラリーや、無料で鑑賞できるアートスペースは含みません。

その条件で、実際に私が見に行った展示は以下の通り。

訪れた順です。

 

一言レビューを添えて紹介します。

 

『セカイノコトワリー私たちの時代の美術』 京都国立近代美術館

今の時代を表現する作家をセレクトした展示。個人的に好きな作家も多数参加していたけれど、売れっ子の寄せ集め感が否めなかった。京都は芸大・美大がたくさんある街。若者がたくさん見にきていました。

(※東京では「げいだい」と言うと東京藝大のことを指すらしいですけど、私は芸術大学の総称として「芸大」を使いますね!東京藝術大学のことを略す時は「藝大」です。)

 

 

『プラカードのために』 国立国際美術館

安保闘争の時代に社会の構造やジェンダー不平等に抗う表現をした田部光子のテキスト「プラカードのために」を起点とし、「生きること、尊厳」をテーマにする作家を集めてグループ展。女性の尊厳、家族の在り方、宗教、国籍、民族、被災地、、、どのような生き方にも苦しみとプライドがあるように思った。当事者としての作家たちの生きるエネルギー、届かない叫びを現代アートが介在して届けようとするような、力強さがあって、グッときました。この展示の方が、日本の現在地点をとらえているように思った。国立国際で開催しているということもあり、海外からの鑑賞者もちらほら。この展示が全てではないけれど、日本の市井の人々の現実をこの場で見せることは興味深いし、その姿勢は嫌いじゃないです。これからも国立国際的にはちょっと尖った展示を期待します。

 

この企画展では、津波で被災した地域に新たに建てられた巨大な堤防の上を集団で歩く映像作品(志賀理恵子さん)が特に印象に残っています。

 

『六本木クロッシング2025 森美術館』

こちらも現代の作家を紹介する展示。3年に一度のアートシーン定点観測、ということらしい。日本に関わりのある作家なら、国籍は問わないらしい。

シャボン玉の作品がついつい見入ってしまう。やはり、テクノロジー+アートがかなり当たり前に存在する時代になったな、と思う。

 

 

 

『ソル・ルウィット オープンストラクチャー』 東京都現代美術館

2007年に逝去した、コンセプチュアルアートの世界に影響を与えた巨匠。

コンセプトこそが作品。壁に描かれたドローイングも、ルウィットの指示書に沿って他人が描いたもの。東京都現代美術館の空間、壁面の大きさを十分活かした展示でとても良かった。

 

 

 

 

『YBA&BEYOND展 テート美術館・世界を変えた90s英国アート』 国立新美術館

YBAとはYoung British Artistsの略です。90年台のイギリスでセンセーショナルな作品が多く爆誕しました。代表的なもので言うと、動物の剥製のホルマリン漬けを作品として展示したダミアン・ハースト、関係をもった男性の名前をキルトにして展示したトレイシー・エミン。とにかく英国アートが元気だった。なんとなくそのエネルギーに惹かれたのも私がイギリスに留学した理由の一つ。それぞれの作家の超代表作が来日していたわけではないけれど、佳作が揃っていて、私にとっては胸アツの展示でした。

 

 

 

『アンドリュー・ワイエス展』 東京都美術館

初めてワイエスの作品を実際に見ました。

今回の出品作品は、日本国内にある作品のレンタルがほとんどだったので、アートファンからの評判はイマイチでしたけど、ワイエス自体あまり見れる機会がないので、ありがたかったです。

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『大ゴッホ展』 上野の森美術館

夜のカフェテラスをメインにかなりボリュームのあるコレクションが来日していました。

目玉飛び出るレベルの入場料にもかかわらず、連日予約でいっぱい。

晩年の作風に至るまでの大量の素描や習作。ゴッホの生き様、人柄が伝わってくる良い展示でした。

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以上、計7展示。

だいたい月1件ペースですね。

多くはないです。ごめんなさい。

もっと行ってるかと思った。

 

さて、この中で、2026年上半期、私的ベスト1の発表です。

 

それは…

大ゴッホ展です!

 

おめでとうございます!パチパチ!

 

ゴッホかよ!ってツッコミが出ちゃうけど、結局ゴッホでした。

意味不明なゴッホの魅力。

ラッセンより普通にゴッホが好き派。

 

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「My Art Broker」というFacebook のショートで流れてくる動画があるのですが、

主にロンドンのストリートで「Excuse me. Could I ask you a question about art? If you could own any work of art in the world, what would it be, and why?」

「アートについて質問してもいいですか?世界中のアートの中で、どれでも手に入れることができるなら、それは何?そしてその理由は?」と聞いて回ると、結構な確率で、ゴッホの「星月夜」を挙げる人がいるのです。

 

なぜか目が離せなくなるゴッホ、2026上半期超個人的ベストに選びましたが、来年も大ゴッホ展、第2弾があるそうなので期待です。

 

ハンペルマン人形の作り方

ハンペルマン人形とは?

 

Hampelmann/ハンペルマン、ドイツ語で「手足をぶらぶらする(hampeln)」という言葉を語源とした、紐を引っ張ると手足がパタパタと動く人形のことです。

 

ドイツのハンペルマン人形は木製のことが多いようです。

さすが、ドイツ。

木のおもちゃ作りは鉱山産業が衰退した時期に、労働者が副業として始めたそうです。元々森林資源が豊かで、家具などの木工技術も高かったドイツ。さらに19世紀には子どもの教育についての考え方に大きな変革があった時代です。

 

過去記事「子どもは不完全な大人③」で、19世紀に、子どもむけ玩具が増えたことを書きました。

 

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また、時の大英帝国では、王室がクリスマスツリーを飾ったことをイラストにしたことで、プレゼントを贈り家族で楽しむクリスマスが大流行しました。

クリスマスツリーはドイツ、古代ゲルマン民族の文化が由来です。ドイツ系移民が飾っていたのを、イギリスやアメリカが取り入れたのですね!

 

詳しいことは『図説クリスマス全史』で。プレゼントに関することも書かれていたと思うのですが、、、なんて書いてあったっけな。


 

ドイツ風クリスマスの流行は、ドイツのおもちゃ生産の後押しにもきっとなったと思うのです。

ドイツの木のおもちゃといえば、蝋燭の熱でくるくる回るやつとか、可愛い動くおもちゃがたくさんありますが、今回はハンペルマン!

 

木はちょっと加工が難しいので、子どもでも作れる紙のハンペルマン人形を作りたいと思います。

ハンペルマン人形の作り方

用意するもの

厚紙or段ボール

割りピン

筆記具(油性ペンやポスカ、色鉛筆など)

はさみ

たこ糸

 

作り方

ハンペルマン人形の基本は

胴体1

腕2本、脚2本

 

垂れ下がった紐を引っ張ると手足が上がります。

 

今回は

胴体、首・尻尾、前脚・後脚の組み合わせで、ちょっとリアルな動物のハンペルマンに挑戦です。

 

①下書き

難しい。胴体に重なる部分を意識しながら下書きします。

ペンでしっかり描きます。

白黒もかっこいいかも。

 

②切り分けて仮置き

置いてみました。ちょっと短足?なんとなくもっと躍動感欲しいな。

 

脚を作り直し。うーーーーん!

 

これはどう?今回はこれにしようかな。

 

③割りピン用の穴を開ける

可動するところに割りピンを入れます。

大きさが十分であれば、穴あけパンチが便利です。

目打ちや千枚通しで穴開ける時はグリグリと穴を広げて、スムーズに動くように調整します。

 

④裏返し糸を通す

糸を通すところに穴を開けます。こちらは糸を通すので、パンチ穴ほど大きくなくて大丈夫。

千枚通しなどで穴あけします。

そのままだと開けにくいので、一度割りピンを外してもOK。

上二つの穴に通してクロス。(撮影用に黄色の水糸使っていますが、タコ糸の方が使いやすかったです。)

 

足の方は、上から通して、下からくるっと引っ掛ける。

 

きゅっと絞る

 

反対側も

 

垂れ下がった糸を結んでまとめる。

 

⑤たこ糸の通し方、図解

裏側の仕組みを図解しました。



⑥完成

胴体の上を片手でつまんで、もう片方の手で、紐を引っ張ったり、ゆるめたりします。

躍動感のあるハンペルマン鹿の完成です!

 

後日、色塗りしてみました。ヨーロッパ風に可愛くできたかしら?



仕組みを覚えれば、独自のアイデアで、新しいハンペルマンが作れるかもしれませんね。

 

アイデアお待ちしております!

 

補足

割りピンは6号使いましたが、4号で十分と思います。

 


 

 

 

YAYOI KUSAMA風、インフィニティネットと水玉アート

草間彌生さん、97歳。現役の画家です。

もちろん、事務所スタジオがあって、アシスタントがたくさんいらっしゃるはずなので、全てを一人で制作しているわけではないでしょうが、「まだ描いてる」という噂がちゃんと流れてくるので、描いてるんでしょう。すごいです。

 

今、現役日本人アーティストで世界で一番有名に違いない、草間彌生さん。

 

今回は小学生でも描ける!彌生ちゃん風のアートにチャレンジしたいと思います。

草間彌生さんの生い立ちとアート

制作の前に草間さんのことをもう少し詳しく調べておきます。

草間彌生さんは長野県の生まれ、実家はかなりお金持ちだったと言います。

子どもの頃から、世界が水玉に見える幻覚に悩んでいたそうです。

その解決方法、いや、改善方法として、好きな絵を描くことで乗り越えようとします。

自分の見えている世界そのまま、水玉を描くことを始めます。

 

京都の美術学校に行ったのち、渡米してニューヨークへ。

アンディ・ウォーホルなどが華やかに活躍する時代、アジア人女性という逆境と立ち向かいながら、新しいアートは注目を集めました。

 

初期から注目された作品のシリーズが、「インフィニティネット」

水玉とも見えるような絵ですが、小さな円を網のように繋げて大きなキャンバスを埋め尽くしている作品です。


 

 

草間さんの作品背景には、「水玉の世界が果てしなく続いている。つまり、世界は水玉でできている」ということがあるそうです。

鏡を使ったインフィニティルームも、草間さんの世界が果てしなく続いている、その中に没入できる体験ができる作品です。

 

先日の「お宝なんでも鑑定団」で80万円くらいで買った草間さんの版画作品が700万円くらいになった鑑定がありました。インフィニティネットを背景に水玉の蝶々が舞っている絵でした。

草間さんはたくさんの版画作品も作っていて、代表的なのは、黄色いかぼちゃの作品です。

この作品は、三角っぽい網目のインフィニティネットが背景にあり、水玉のかぼちゃが、どーんと鎮座しています。

 

カボチャは、ユニークな形で頼りがいのあるイメージを草間さんは持っているようで、苦しい水玉の幻覚もかわいいかぼちゃと一緒になって楽しいアートになる。草間さんは、結局苦しみから脱却することはできたのかなぁ。

 

YOYOI風アート

代表的な黒と黄色のかぼちゃを作ろうと思います。

色画用紙とポスカ。

 


 

参考に和るのは、背景が、三角っぽいインフィニティネットになっている作品です。

 


 

先にインフィニティネットを描いて行きます。

難しい!

蜘蛛の巣とも違うし、明らかな配列があるのとも違う。即興的なのにバランスが取れたネットを描く草間さん、すごい。

 

あと、めっちゃ飽きる。全部描くのしんどい。

しょうがない、今日はズボラして、かぼちゃが来るあたりは空白にしちゃおう。

 

かぼちゃの形になるように黄色画用紙を切ります。

ふさごとに切ると簡単かなあ〜

 

絵の具で水玉描くの難しい!

 

なんとか描けました。

 

貼り付けて完成です。

 

インフィニティネット再挑戦。

 

小さな円を繋げて描く方にもチャレンジしました。

多分、オリジナルは油絵で描いてるはず。

私はオイルパステルで、描いていきます。

 

めげそうになったけど、描き切りました。狂気性があっていい感じ。

 

かぼちゃと同じように、好きなモチーフを貼り付ければOK。

弥生ちゃん風の花とか…

 

蝶々とか…!

可愛くできました。

 

背景の紙の色、線の色、そして貼り付けるモチーフの色、この組み合わせで印象も変わると思います。かぼちゃの作品を見ると、黄色と黒しか使っていないことがわかります。また、黄色と黒は、補色(反対色)の関係性にあるとも言えるので、より一層コントラストが際立ちます。

2枚目に作った、黄色と赤のインフィニティネットでは、モチーフの差し色に緑を入れました。赤と緑が補色の関係なので、こちらも色同士が喧嘩してるぐらい主張してくる組み合わせ。力強い印象を与えてくれます。

草間さんの絵にはこうした強い色の組み合わせが多いように思います。

 

アーティストの作品を分解して見てみると、さまざまな発見があるので、楽しいですね。

 

鏡張りのインフィニティルームも応用すれば子どもたちでも作れるアートができるかも!?

こちらはまた今度、チャレンジできるといいな。



 

 

夜のカフェテラス:大ゴッホ展 

上野の森美術館で開催中の『大ゴッホ展』に行っていました。

目玉はなんと言っても「夜のカフェテラス」

 

オランダのクレラー=ミュラー美術館の所蔵品をどっさり借りて実現した今回の巡回展。

困難を乗り越えてほしいと願った展示は、福島、神戸、東京の三会場で、今年来年の2回に分けて開催されます。噂によると福島展は大盛況。東北出身の友人が、「両親が見に行って、こんなに人が集まっているところを見たことがない、と興奮してた」そうです。

 

ゴッホより普通に、人混みにびっくり〜!

 

そう、普段美術館に行かなくても、ゴッホは誰でも知っているし、一度は見ておきたい。

円安で海外旅行も難しいし、有名絵画を海外から借りようとすると、とんでもない保険と輸送費になるはずです。これは行く価値あり。

 

お値段、なんと、

 

平日2800円、土日祝3000円…!!

 

どうした!いつの間に美術館ってそんな料金になったの?

しかし、昨今のなかなか名画が来てくれない状況を鑑みると安いのか!?

 

愛し愛され、ちょいめんどいゴッホ

 

死んでから有名になったゴッホ。

 

ご存知の通り、生前は作品が売れず苦労したと言われています。

しかし、それでも描き続けた、その背景には、家族のサポート、特に弟のテオの助けがあったと言われています。今回の展示で知ったのですが、叔父さんから絵の仕事を斡旋してもらったりもしているようでした。多分、絵の才能以外では厳しそうなゴッホに、家族親類は可能な限りの支援をしていたのだろうということが推測できます。

 

アーティストがアーティストとして活動し続けるための条件というかアドバンテージとしてよく言われるのが、「実家が太い」です。

制作場所、絵の具やキャンバスなどの画材代、その他もろもろ、とにかく金がかかる。

死ぬまで絵を描き続けることができたゴッホは、ある意味幸せだったと言えるかも知れません。

 

今回の展示ではゴッホの代表作だけでなく、素描や習作なども多数展示されていました。

テオらとの手紙のやり取りも展示されていました。

 

 

本になっちゃうくらいの手紙の量。

時代が違えば、LINE魔になったりSNSやブログなどで書き込みまくりのタイプだったのかな?

 

また、農夫や労働者を描いた作品がたくさんありました。モデルを雇うお金がなかったから、身近な人にモデルを頼んで描いていたと言います。

 

いやいや、いくら身近な人って言ったって、家族でもない人たちがこんなにたくさんモデルを引き受けてくれるなんて、なかなかないことだと思います。

基本、ゴッホは超ピュアで可愛げのある愛されキャラだったのだと思います。

何よりゴッホは人が大好き。愛に溢れている人です。きっと。

 

だから、たくさんの人がモデルを引き受けてくれたのでしょう。もしかしたら、時々テオが来て、「兄をよろしく」と挨拶まわりしていたかもしれません(妄想)

 

ただ、なんとなく、ゴッホの愛、重そうだな〜とも思ってしまいます。

好きになった娼婦の女性に逃げられてるし、ゴーギャンも逃げているし。

愛が深すぎて、一線を越えると鬱陶しい、みたいな。

 

 

画力ブレブレのゴッホ

ゴッホの素描を見ていると、上手だな〜と思うものと、どうした!?肩外れたんか!?と思うようなデッサンが崩れたものとあり、とにかく画力が、ぶれぶれ。

手紙の展示を見ると、「農夫の人はじっとしてくれないから描きにくい」みたいなことを言っちゃっています。挙句の果てに、「そのまま描いても、本当に作業しているようには見えない。あえてこう描いてる」とか書いちゃっています。

解説ボードまで、「ゴッホは絵画では難しい”動き”を表現しようとした。」みたいなことを書いちゃってますが、、、実際のところ、

 

動いているもの描けない説

が濃厚だと思います。

 

そういえば、某美術系大学の入学試験、1977年、デッサン、「ひよこ(1匹)」という伝説になっているものがあるのですが、、、泣き出す受験者もいて恐ろしい光景だったとか…。

いや、噂なんで…昭和だし…本当かどうかは…

とにかく、動いているものをデッサンやスケッチするのって難しいのです。

 

とにかく真似してみる

印象派時代に関わらず、多くの画家が、他の画家の影響を受けて絵を描いています。

ゴッホもいろんな画家の影響受けまくりで、これはセザンヌ風かな〜、というものもありました。(どっちが先かは不明だけど)

中でも顕著な、スーラ風の点描を描いた絵。

ぜひ注目して見てほしいのですが、どうやらゴッホ、途中で点点描くの飽きて誤魔化してます。

そうよね、あんなの普通は描ききれないよね!

スーラが普通じゃないんだから!

 

とにかく人間味あふれるゴッホが可愛く思えるのでした。

 

ゴッホはひまわりだけじゃなくて、バラも描いてます。

 

 

ミュージアムショップも並ぶ

上野の森美術館のゴッホ展のショップは、当日チケットを持っている人だけ入れるようになっていました。

 

入場待ちは30分以上。

 

それを見て、やめました。

 

グッズはこちらでチェック。

オンラインショップ↓

https://grand-van-gogh.com/Cafe-Terrace-at-Night/merch/#merch_list

 

 

アムステルダムのゴッホ美術館にはプレイモービルのゴッホがいて、ちょっと心惹かれました。

 

大ゴッホ展、ゴッホの知らなかった一面を見れてとても良かったです。

来年は別の絵画をクレラー=ミュラー美術館が貸してくれるそうなので、また見に行きたくなりました!

でも、、、3000円か…!!

く、苦しいけど。。。

みんな、日本人の文化活動を守るために課金しよ〜

絵画を守る黄色い袋

絵画を買うと、ついてくる箱

 

絵画、買ったことありますか?

 

私はあります。

新進気鋭の若手作家の小作品で、正直「え?こんな値段で売って大丈夫?」と思うくらい、そのアーティストの実力からしたら安いと思える値段でした。

おかげで、自分が「好き!」と思えるもので、部屋を彩る喜びを知ることができ、なんとも言えない幸福感があります。

 

その作家さんは作品がピッタリ収まる箱に、タイトルなどの作品詳細のラベルを貼って、納品してくださいました。

 

大学ではデザインを学んでいたと言っていたので、こだわって作ってくださったのだと思います。中には見たこと無い素材のクッション?みたいなので作品が保護されていました。

特別な素材なのかなー??

 

絵画や額装品などの「箱」は、保管することを前提にとてもこだわられる作家さんや画廊は少なくありません。

いつからか知りませんが、伝統的に「差し箱に黄袋」が、ちゃんとしてると思われがちです。

 

一般的に箱で思い浮かぶやつが「かぶせ箱」です。

一方「差し箱(タトウ箱と呼ばれることも)」とは、箱の一面だけが開けられるようになっているもので、文化鋲?とかいうのがつけられています。凧糸でくるくるして留めるアレです。クラシック!

 

差し箱の良いところは、例えば保管棚にたくさん作品が並んで立て掛けてあっても、そのまま作品だけスライドして取り出すことが可能なところです。

かぶせ箱は、棚から全体を取り出して、蓋をぱかっとしっかり開けないと作品が取り出せないので、場所を取ります。

 

どちらのタイプも通常、額屋か箱屋が作ってくれます。差し箱の方が値段が高いです。

注文すると高いので、手作りするアーティストもいます。

 

そして、作品を「黄袋」なるものに入れるとちゃんとしていると思われがちです。

なんとなく作品も高そうに見えます。

黄色の染料で染められた綿の袋です。傷から守る役割と、防虫防カビ効果を期待して一般的にはウコンで染められているらしいです。ウコン染めは古くから防虫、防カビ効果があると重宝されてきたそうです。色だけ黄色の化学染料のものもあるらしいです。

当然、黄袋の方がビニール袋より値段が高いです。通気性は良さそうです。

 

ふーん。そうなんだ〜。と当たり前のように思っていたのですが、ここに疑問が湧く事件が発生しました。

 

ウコンに防虫・抗菌効果はないだと!?

奈良に滞在中、「キハダ染めワークショップ」を見学する機会がありました。

奈良は生薬の歴史が深く、特に奈良の代表的な生薬として「キハダ」がある、という話でした。

(先日のクレイジー・ジャーニーでは奈良時代が生薬の黄金期と言ってた。薬草を税として納めていたとか)

 

一見普通の木ですが、文字通り木肌をめくると、中は真っ黄色!!!!

 

生薬としては1300年の歴史を持つ、奈良の胃腸漢方薬、『陀羅尼助』の主成分です。

https://daranisuke.co.jp/

 

ワークショップの講師の方曰く、防虫効果があるので、大事な巻物とかを包むのにキハダ染の紙や布が使われたと…

 

昔の公式文書に黄色に染められた紙がよくあるとか…

 

正倉院用語解説:

https://shosointen-glossary.narahaku.go.jp/kihada/

 

その話を聞きながら、「あれ?ウコンじゃなくて?」と心の中で呟く私。

 

あまりにも気になり、ワークショップ後、講師に質問。

「よく絵画とか黄色い袋に入っているんですよ〜。ウコンで染めてるって聞くんですけど、ウコンにも防虫効果が?」と。

 

まだ若手の講師、「え〜!?ウコンですか?防虫効果、聞いたことないな〜。ちょっと待ってくださいね。」と分厚い生薬辞典なるものをパラパラ。「う〜ん、やっぱり防虫とか抗菌効果とかウコンにはなさそうですね〜。いや、実はあるのかもですけど、ここには〜。」

 

ちょっと待って。私の認識では、「絵画保護の黄袋は元々防虫効果のあるウコンで染めていたけれど、最近は形だけ残って廉価な化学染料で黄色に染められていることがある。」

 

だったのに…!

 

実は、

 

「元々は防虫効果のあるキハダで染めてたけど、形だけ残って手に入りやすいウコンで染めてた」ってこと!?

 

1300年の歴史恐るべし…。

 

「形式が残る」の面白さというか。サトウのパック鏡餅みたいな。

 

後に、ウコンの黄袋は、紫外線で退色しやすいので、黄袋の状態を見れば、大体の保管状態も推測できるという話も別のところで聞きました。

 

はは〜ん?なるほど?

 

キハダは色移りしやすいという側面もあるようなので、ものによっては直接包むのに向いていないかもしれません。

 

黄色い袋は、美術品を大事に扱おうとするリスペクトの気持ちがこもっているし、お守りのようなもの、かも知れません。着物の保管にも使われますよね!

 

キハダを食す

お土産物屋さんにキハダ入りの葛湯が売っていたので、試しに飲んでみました。

少しピリッとした感じ。山椒のような刺激があります。使われているのは実の部分かな?

とろとろの葛湯にあっている。あったまる〜〜〜

胃腸に効くというので、お腹の調子が悪い時に良さそうです。

オンラインで売ってるかな?と思ったら、私が買ったものは売ってませんでした。

期間限定の少量生産なのかもしれません。

 

漢方の陀羅尼助も気になりますね。良薬口に苦し、というところで、非常に勇気はいりますが。

 

 

大神神社(おおみわじんじゃ)の「くすり道」

奈良・三輪にある大神神社は、日本最古の神社の一つとして、今も多くの信仰を集めています。そこに「くすり道」という小道があります。


大神神社が最古の神社なので、さぞかし歴史のある道かと思ったら、平成の時代に作られたそう。塩野義製薬など関西の製薬会社が出資して、生薬の道を作ったのだそうです。

奈良は結構製薬会社が多いらしいです。

 

この道にもキハダはあったのかなぁ。。。

 

また機会があればじっくり見てみたいものです。

(しかし、奈良は見どころ多すぎて、ちょっとしたものは見落としちゃうのよね)

 

 

コンセプチャル?『美術道』読んだよ!

アートは、知れば知るほど面白い。

 

 

以前も言ったような気がするけれど、ルールを知らなければ野球観戦もサッカー観戦も全然面白くない。同じようにアートもある程度の知識がないと全然意味がわからないし、知っていると長い系譜の先に今の現代アートがあることがわかるし、そこに自分自身の鑑賞の視点を持つことができる。

 

アート、面白いよ!

 

と思うものの、ダウ90000の蓮見くんが「お笑いは流行ってない」と言う度に、「あぁっ!アートなんかもっと流行ってない!」グサーーーっと心に何かがブッ刺さってダメージをくらっています。

 

そんな中、SNSで人気のアート漫画を密かに楽しみに生きています。

パピヨン本田さんの漫画です。

主にXで読んでます。

 

流行ってます。

 

『美術のビジュえもん』日本の現代アートを風刺したような内容に爆笑しました。

ほぼ内輪受け…ではあるのですが。アート界あるあるを某国民的漫画風のキャラクターが切れ味良くコミカルにしていて、パピヨンさんは相当なアートマニアだなあ、と感心して読んでいました。

 

最近は『コンセプチャル・ガール』という高校生が主人公の現代美術部を描いた作品が最高です!高校生の日常みたいなのを描いた漫画はたくさんありますが、こんなにドキドキしたのは久しぶりです。

 

現代アートの考え方や面白さが学べる内容になっているだけでなく、制作に向き合う姿勢とか、悩みとか、そこから紡ぎ出される言葉とかが、美術系大学で葛藤しながらもアートに向き合った過去がある自分にギュンギュン刺さってくるのです。

私が学生の頃映画化もされた某美大生漫画は、全然美大生の葛藤が表現されてなくて、結局普通の少女漫画で、納得いかなかったし、芸大受験系のも面白いけど、歪んだ受験美術が見えて、これが流行るのは良くないのでは…と思っていたところ。

やっと、私が好きと思えるアートと青春の漫画が出てきて嬉しいです。

コンセプチャル・アートと出会った二十歳の頃のドキドキを思い出します。

高校生で現代アートに没頭できるなんて、かっこいい!主人公は天才だな!

 

『コンセプチャル・ガール』も大注目ですが、今回、紹介したいのは『美術道』という本です。

 

 

 

 

タイトルは藤子不二雄先生の『まんが道』のオマージュですかね?グッときますね。

パピヨン本田さん、95年生まれ?お若いですよね。藤子不二雄ファンって幅広いですね。

 

 

さて、『美術道』は、コンセプチャルアートを皮切りに現代アートの解説を、実在した(する)アーティストを紹介する形でまとめた本です。

現代美術家でもある、作者、漫画もたくさんあって、解像度も高く、とてもわかりやすいです。

学生の時に読みたかった内容!

 

ただ、現代アートの解説本のあるあるですが、作家がまだ生きてたり、亡くなってからそんなに経っていないので、著作権の関係で現物の写真はありません。丁寧にイラストで表現してくれていますが、ある程度「美術館か写真で見たことある」方が理解が深まるように思います。

 

もしくは逆に、この本を読んでから作品を見ると、感動具合が全く変わるかも知れません。

どんな考え(アイデア)で、形になったものかを知っていると、モノの見方も体感の仕方も変わります。現代アートの展覧会に行くのがもっと楽しくなるはず。

 

もちろんファーストインプレッションを大切にしたいという鑑賞者もいるとは思いますが、サッカー見ても、ゴールかゴールじゃないかしか、わからない私に、サッカーファンは「もっと知ると、もっと面白いよ。一人の選手に注目してみるのもいいし、チームやリーグの歴史に注目してみるのも面白いよ!」と言ってくれるでしょう。

 

もし、ちょっとでも興味があれば、『美術道』手に取ってみてください。

 

 

一方、現代アートのお金にまつわる色々を下世話に知ることができる映画が『アートのお値段』これはこれで面白いのでおすすめ。

 

 

しかし、美術作品よりも結局売れるのは漫画だな。

漫画が描けるアーティストが、日本の現代アートの勝ち組かも知れない。

 

(漫画ってずっと流行ってるね…!)