ポーラと言えば、一般的には化粧品のイメージが強いと思うのですが、長年若手の海外進出を奨学金で支援していたり、日本におけるアート業界では存在感を放っているブランドです。
銀座エリアにANNEXと名のついた小さなアートスペースがあって気軽に立ち寄れるギャラリーとしてよく行くことがあったのですが、ポーラ美術館は…!
箱根の山の中にある(遠い)
まあ、行きたい気持ちはあれど、運転しない民にとっては気軽に行ける場所ではないわけです。しかも、箱根です。箱根っていうのはやはり、裕福な人たちが家族や親しい人同士で温泉宿やホテルに一泊なりして、優雅な時間を過ごすためにあるような場所じゃないですか。(イメージ)
そんなわけで、距離云々だけでなく、つまりは縁遠い美術館だったわけです。
ところが、突然知り合いから「良かったら使って〜」と企画展の招待券をいただいてしまったのです。「シン・ジャパニーズ・ペインティング展」のチケットを。(この展示は終了しました。)
1枚だけ!
くっ!友達誘えね〜!!
行くのか?箱根に?一人で?
でも、会期終わっちゃう前に!
思い切って!
紅葉で癒されることも期待して、早起きして行きました。
小田原駅から、8時50分発の直通バスが出ていて、そこから約1時間の道のりです。
バスは満席。箱根湯本駅を経由して、硫黄の匂いが立ち込める温泉街をいくつか通り9時45分ごろ到着。
バス代、片道1220円!(ひ〜、路線バスでも1時間も乗ってるとすごいな!)
おしゃれな看板。
かっこいい建築。
紅葉はほとんど終わり。
ほとんどの木は葉っぱが落ちて枝だけになっていました。
山の上はもう冬。寒い。
枝振りを見るのが好きなので、冬の樹木は好きです。
太陽の光がたくさん入ってくる建物は、とても心地よく、吹き抜けに展示された作品もかっこいい。
展示会場はこちら。
なんでも「シン」ってつけりゃいいって思うなよ!と何人ツッコみを入れていることやら。
New、新、2.0、シン…
あたらしさとは一体何か…
展覧会名はともかく、西洋絵画が最先端の絵画として入ってきた時代から、日本の画家が試みてきたことを一気になぞっていくという構成に見えました。やりたいことは理解できるけど、そうするには作品数が足りないということもある。
物足りなさ感は少々あるものの、明治時代の油画、逆に線だけではなく塗りやぼかしの技法で西洋を取り入れた墨の技術。また、雲肌麻紙や新岩絵具の開発による日本画と日本画材の進化など、見るポイントの解説はとてもわかりやすく楽しめました。
あくなき探求を続けた画家として名前が上がるものの、作品が見当たらないんですけど?みたいなミステリーもありましたが。私が見落としているだけですか?
結構大きめサイズの作品が多くて、画家のエネルギーはすごいな〜、と思いました。
その作品を展示できる場所があるのですから、なかなか良い美術館です。
野外彫刻もたくさんあって、散策が気持ちいいのが山の中の美術館の良いところ。
道は枕木のような板で舗装されていて、歩きやすい。
何年か前にポーラ美術館での展示が話題になったロニ・ホーンの作品。
ちょっと…流石に落ち葉入りすぎてあまり綺麗じゃないな…
タイトルは「鳥葬」
え?どういう解釈?
むず。
ベンチもあったりするので、お昼はお弁当にしました。(寒かったけどね!)
優雅な皆さんはぜひ、素敵レストランでポカポカの中、景色を楽しみながら豪華ランチしてください。
こんな優雅リゾートに平日一人で行くやついるのか!?と思っていたけど、自意識過剰でした。ひとりで美術鑑賞楽しんでいる人は男女ともにたくさんいらっしゃいました。
帰りのバスは箱根湯本駅止まりだったので、登山電車に乗り換え。箱根登山鉄道だなんて名前が素敵で乗るのすごく楽しみだったけど、湯本〜小田原間はただの電車、窓から見えるのはずっと住宅の景色で面白くなかった。残念。
それもそのはず、山岳鉄道の醍醐味があるのは、湯本〜強羅間。下調べが足りなかったな!
箱根湯本駅で日帰り温泉という手もあるのだろうけれど、さっと乗り換えて小田原駅に戻り、人気の屋上足湯に行ってきました。この写真には写ってないけれど、小田原城もすぐ近くに見えるんです。小田原城と並ぶようなビルなので、小田原城天守閣から見える景色とほぼ同じ。
しかも無料です!
https://www.minaka-odawara.jp/about
ここの足湯は箱根湯本のお湯を使っているんですよ!お得な気分。
ポカポカに足元から温まり、帰りは爆睡しました。
横浜駅で画材屋の世界堂、ハンズ、ロフトを梯子して買い出しを済ませて帰宅です。
横浜駅はコンパクトに移動できて良いですね〜。
早起きしてお出かけすると満足感上がりますね。
普段夜型なので、なかなか覚悟がいるけど、またどこかにお出かけしたいな、と思いました。
ポーラ美術館も素敵なので、箱根にお出かけの際はぜひ!