先日、なる子も全話見ているYoutubeチャンネル、「山田五郎 オトナの教養講座」で紹介されていました。知っているようで知らない「そもそもバベルの塔って何?」について解説してくれる超おすすめ回です。
また、ブリューゲルのバベルの塔は細部まで描き込まれた細密さと、全体の重厚な迫力は見るものを圧倒します。どこを見ればいいのかわからないぐらいだけど、鑑賞ポイントも掴めるこちらの解説動画は必見。
さて、その「バベルの塔って何?」ってところですが、「なんか聖書にある、高くしすぎて神様が怒って崩しちゃう、ってやつよねえ」と思っていた人は私だけではないはず。
しかし、五郎さんによると、聖書には塔が破壊されるくだりはない。
「世界中は、同じ言葉を使って同じように話していた。東の方から移住してきた人々はシンアルの地に平野を見つけ住み着いた。彼らは、「レンガを作りそれをよく焼こう。」と話し合った。石の代わりのレンガを、しっくいの代わりのアスファルトを用いた。彼らは「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう。」と言った。主は降って来て、人の子らが建てた、塔のあるこの町を見て、言われた。「彼らは一つの民で皆一つの言葉を話しているから、このようなことを始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても妨げることはできない。我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」主はそこから彼らを全地に散らされたので、彼らはこの町の建設をやめた。こういうわけでこの町の名前はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を混乱(バラル)させ、また、主がそこから彼らを全地に散らされたからである。(旧約聖書 創世記 第十一章)
(動画から書き起こしました)
旧約聖書での最大のポイントは「神様によって言語をバラバラにされた」ということ。
神様に塔が壊されたエピソードは西暦94~95年ごろに「ユダヤ古代誌」に書かれていることが元になっているのでは?ということでした。そのあたりもとても興味深いので、ぜひ動画で確認してみてください。
言語をバラバラにしたことがポイントと聞いて、「うわー、そうかー、目から鱗!!」と、もう一度開いたのがこの「BABEL」というボードゲームです。軽くルールに目を通しただけで、全然理解していなかった!知識が遊びをより楽しくするってのはあるよね!
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今回紹介する「BABEL」は、小さな聖書ぐらいのコンパクトなゲームです。(同名とか似たようなタイトルで他にもボードゲームがあるので注意。)
協力しながら塔を建築していく、、、しかし裏切り者がいるかもしれない。崩れたら終わり!というゲームです。プレイヤーは人格カードを選びます。
なるほど、狂信者が塔破壊のために暗躍するわけです。雷に打たれて崩壊する塔の絵が描かれているところを見ると、全体的なデザインはユダヤ古代誌に基づいているようです。
聖書に書いてあることを重視すると、塔の崩壊については言及していなくて、「言語ばバラバラになり、人々が別々の地で生きることになった」ということ。
私が「なるほど!」と思ったルールは言語カードの存在です。
このBABELでは言語カードと呼ばれるものがあり、プレイヤーには口パクや、猫語などが与えられます。それぞれが別々の言語で話さなければいけないのです。
協力系ゲームで「しゃべってはいけない」というのはぼちぼちありますが、猫語は頑張って伝えようと思えば伝わりそうで面白い。わかったような気がして、実はわかってなかったってこともありそう。
「にゃーにゃー」と聞いた感じ可愛いからゲーム性があるけれど、多言語の世界で言葉が通じず、起きがちなことを考えると、聖書もゲームも深いなぁと思いました。
持ち札と、プレイヤー同士のやり取りで決めた、微妙に高さの違う壁を組み合わせながら作っていきます。4とか5と書かれているのが高さの数字です。他の文字は、、、私にはさっぱり読めません。
この壁を重ねていく感じ…記憶にあるな…。
キャプテンリノの難度高い版!っぽくないですか?
とにかく楽しいキャプテン・リノは小学校低学年くらいのお子さんにぴったりと思います。これもおすすめ。コンパクトな箱に入っている割にダイナミックに遊べて良いです。
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さて、ゲームはこのように持ち札を駆け引きしながら出し、塔を建設していきます。
塔を完成させたい建設者と、破壊したい狂信者。
出た!稲妻攻撃!
どんがらがっしゃーん
ルールの説明が下手でごめんなさいね。。。
やってみた感じ、塔を完成させるのはなかなか難しいのではないかと思いました。
この「バベル」ゲーム製作者はすごく熟考して、その解釈を上手くゲームに乗せている感じがします。旧約聖書に書いてあるバベルの話とユダヤ古代誌から一般的なイメージになった崩れるバベルをひとつにまとめていますね。
解説漫画もついていて、小さなゲームですが、こだわりがいっぱい詰まっているのがわかります。1回2回プレイしただけではわからない、奥深いゲームです。
しかも、この壁に描かれた文字が暗号?みたいなことになっているらしいです。
本当に意味不明。
私には永久に解けそうにないですが、好奇心をくすぐる仕掛けですね〜。
ブリューゲルの「バベルの塔」を見て感動した人、ボドゲが好きな人、聖書やユダヤ古代誌が気になる人、暗号好きな人、いろんな人におすすめのゲームです!