なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

こどもとアート ヨーロッパはアートに触れる土壌が違う!

いつの間に秋が過ぎたのか。

芸術の秋について語るチャンスを逃しました。

のんびりって言うか、うっかりっていうか、どんくさいなる子です。こんにちは。

 

さて、アートって高尚なもので、わかりにくく、とっつきにくい。

美術館に行くにも、ハードルが高い!と感じている方はかなりいるように思います。

 

そもそも、子供連れで美術館って無理!と感じている保護者の方も多いのではないでしょうか。

そりゃそうです。日本の美術館って目玉展覧会は満員電車並みの混雑。

子供がワイワイ騒ごうものなら、周りから冷たい視線。

 

入場料もバカにならず、気軽にお出かけに行くスポットではないからです。

 

悲しい!!

 

はっきり言って、ヨーロッパと比べ、日本のアート事情は土壌が違うと言わざるを得ません。

自分自身もアートの見方というものが分からず長いこと苦しみました。

子どもの頃にアートを体験したことが少なすぎるのです。

 

とりあえず、「好き」か「嫌い」でいいんじゃない?とか思ってしまうのです。

 

まあ、それがダメではないし、それでもいいのですが。

むしろ、せめて「好き嫌い」くらいの感じ方ができるならいいのですが、

「時間かかってそうだな〜。細かいな〜。リアルだな〜。」

作品の趣旨とあんまり関係ないことを言ったり、

「いや〜、芸術って難しいな〜。ピカソって意味わかんない!」

と諦めたり。

 

私自身、アートは好きなのに、鑑賞の仕方がいまいちわからず、苦しんでいたのです。

惹かれるのにイマイチ理解できていない感覚がある。

 

このモヤモヤは一体なんだろう。

 

アートの勉強をしながら苦しんでいたのです。

 

ヨーロッパのここが違う!!

イギリスのロンドンに、テート・ブリテンという美術館があります。

かの有名なウェストミンスター寺院、エリザベスタワーからも、歩こうと思えば歩けるくらいの距離にあります。

元々はナショナル・ギャラリーの分館として建てられたものですが、今はターナーなどのイギリス美術を中心としたコレクションを展示し、近現代美術館として人気です。

 

ターナー賞」はイギリスでも屈指の現代美術のコンペティションで毎年大注目されています。

 

そんな美術館に行った時のことです。

 

衝撃を受ける光景がそこにはありました。

 

小学校1年生ぐらいの子どもたちが、グループで美術館に来ていたのです。

手には鉛筆とスケッチできるクリップボードを持っていました。

 

そして、床に座り込んだり、寝そべったりしながら美術作品を見たりスケッチしたりしていたのです。

ピカソの彫刻の前ではしゃぎながらスケッチする子どもたち。

日本だったら貴重な美術作品の前でそんなことをしたら怒られそうです。

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美術館の日常風景

ああ、ダメだ。

これは敵わない。

 

そもそもアートに触れる土壌が違いすぎる!!

と白旗をあげる出来事でした。

 

英国の美術館のすごいところ

 

・規模が大きい

・常設展は無料

・写真OK(展示による)

・おしゃべりしてても怒られない

・座り込んでスケッチしても怒られない

・子ども向けのプログラムを用意しているところが多い

 

 

フランスなら、ルーブル美術館はもともと宮殿だったり、とヨーロッパの美術館は建物の規模が日本に比べて桁違いです。

イギリスのすごいところは、大英博物館にしてもナショナル・ギャラリーにしても、入場料が無料だというところです。

 

特別展はちょっといい値段だったりしますが、美術館自体の規模が馬鹿でかいので、特別展が開催されているのは美術館全体のほんの一部。ほとんどが常設展示で、素晴らしいコレクションが無料で見れるのですから、本当にびっくりです。

 

テート・ブリテンターナーの部屋なんか、いつ行っても混雑はしていないし、最高です。教科書に載っていたミレーの「オフィーリア」も、じっくり間近で見ることができるし、なんだったら写真もOK。

 

イギリス人は皮肉好きのおしゃべり大好きな人が多いせいか、ジョーク混じりの会話がたくさん聞こえてきます。

静かにしなければいけない、という感覚は多分全くありません。

誰に遠慮するでもなく、自分の感じたことを言葉にするのです。

 

「オフィーリアを見て思い出したんだけどね、小さい頃池で溺れてねぇ…」なんていう会話でもいいのです。

「あの時、初めて死というものを考えたよ。眠りと死の違いをどう思う?」なんていう広がり方もありえるかもしれません。

 

アートの役割は色々ありますが、個人の体験や記憶を呼び覚ましたり、哲学へ導いたりする役割があると私は思っています。

 

また、西洋美術は宗教や神話などと繋がっていることもあります。

「オフィーリア」はシェークスピアの「ハムレット」の一場面です。

 

イギリスの子どもたちはこんなものに小さな頃から触れて育っているのか…!

日本人がアンパンマンミュージアムに行っている間に…!

 

 

日本の残念なところ

・入場料が高い

・狭くて混んでいる

・海外の作家の作品は、展示するだけでお金がかかるので、取り戻そうと必死

・結果、混む

・子どもを歓迎しない雰囲気がある

・写真禁止

・メモでさえペンを使うのは禁止

・学校単位で美術館に行くことなんてほとんどない。

 

日本の美術教育は本当に遅れていますよ。

特に「鑑賞力」ね。

美術は体験です。いいものにたくさん出会うことがスタートであり、土台になるのです。圧倒的に鑑賞力が弱いのです。技術や感性では日本の子どもたちは素晴らしいのです。鑑賞力がつけば、子供達の作る作品にもグッと深みが増すし、何より、子どもたちが自分の作品を理解することができるのです。そうすると、他の人へ、作品について自分の考えを言葉でも伝えることができるし、読み取ったり、聞き取ったりする力も上がります。

 

さあ、美術館に行ってみよう、と思ったあなた。特に学校の先生がた。

オススメの美術館があります。

千葉県佐倉市にある、川村記念美術館です。

学校の先生方へ | DIC川村記念美術館

 

主に近現代のアートが展示してあります。

ここはコレクションも良いものが多いし、子どもたちが楽しんで作品鑑賞できるプログラムが用意されています。

 

少しアクセスしにくい場所ではありますが、おすすめ美術館なのです。

 

合わせてオススメなのが、こちらの本です。 


なぜ、これがアートなの?

これを読めば、子どもに「これなあに?」と聞かれても答えられるし、

「なにこれ、私でも描けそう。」みたいな感想はなくなります。

 

今日はここまで!