スイスを代表する芸術家と言えば、誰でしょう。え?思いつかない?
私もです。
だんだんわかってきましたが、スイス人アーティストの代表格はジャコメッティですね。細長い人間の彫刻で有名。スイスの美術館の常設展ではどこかにジャコメッティがいるし、日本でも多くの美術館で見かけますが、チューリッヒ美術館には細長くなるに至るまでの多くの多くのコレクションがあるので見応えがありますよ!写真撮ってなかったなぁ。(あんまり撮るとバッテリーがなくなるので遠慮がち)
あれ?でもジャコメッティってパリで活動してなかった?
そしてベルン近郊生まれのパウル・クレー。
ベルンにパウル・クレー・センターってのがあるので、次回ベルンに行ったら必ず立ち寄ろうと思います。
おや?クレーってミュンヘンとかにいなかったっけ?(ナチスの弾圧下に、スイスに帰省)
数々の素晴らしい美術館があり、アート・バーゼルという大規模アートフェアもあるスイスですが、どちらかというとコレクターとしての才が高いと言えるかもしれません。
あまり多くの有名芸術家の名を聞かないですよね。
さて、もう一人、スイスを代表するアーティストがいルのです。
ジャン・ティンゲリーです。
キネティック・アート。つまり動く彫刻の代表的なアーティストでもあります。
少し時代が近いので、ジャコメッティやクレーほどは日本では知られていないかと思いますが、バーゼルの美術学校出身ということもあって、バーゼルが生んだ芸術家としてスイスでは親しまれているようです。バーゼルにはティンゲリー美術館という巨大な美術館がライン川沿いにあります。
もちろんチューリッヒ美術館にもティンゲリー作品は収蔵されていますが、ティンゲリー美術館は子どもと行っても楽しい美術館。
そりゃそうです。
何と言っても作品が動くのですから!!
動く作品には、足元にフットスイッチがありまして、踏むと一定時間動いてくれます。
ガッシャンガッシャンと金属的な機械音を響かせて、アート作品が動きます。
屈強でパワーと重さを感じる作品。でもどこかユーモアも潜んでいるような。それがティンゲリー作品の魅力なのでしょう。
一回動くと一定の時間お休みになります。
作品を大事にしつつ、観客を楽しませる仕組みですね!
広くて不思議な造りの建築はマリオ・ボッタ作。ワタリウム美術館の建築もこの人です。
なるほどー。何となく共通点感じるかも!
さて、これだけ多くのコレクション、どこから来ているかと言うと、一部はティンゲリーのフランス人妻、ニキ・ド・サンファルからの寄付です。
サンファルはかなりフェミニズムな思考から作品を制作するタイプなのだと思うのですが、男性的な作品イメージの強いティンゲリーと夫婦になるのは面白いですね。
共同作品もいくつかあるようですよ。
↓こちらはティンゲリー美術館の庭にあるサンファル作品。
日本ではその生き様が人気のようで、もちろん作品もどこかで見たことあるよね。
さて、この美術館のコレクションには、本命の大きな出所がありまして。
それがRocheです。Schaulagerの回でもチラッと名前を出しました。
世界的大手製薬会社Rocheです。
そう、このティンゲリー美術館の黒幕は、バーゼルのドー(dough)の一つ、Rocheなのです。
ご覧ください。ティンゲリー美術館のすぐ近くにそびえ立つ、スイスで一番高いビル、ロッシュタワー!!!!!!
まじでバーゼルのどこからでも見えるんじゃないかって言うツインタワー。
見る角度によって表情を変えるやばいビルディングです。
タワー1が178m、タワー2は205m 53階建。ロッシュの研究員らが働くのでしょうか。
こちらの建築、Schaulagerを手掛けた建築事務所ヘルツォーク・ド・ムーロン設計。
タワー2は出来立てホヤホヤです。プラン画像見たところ、タワー3も建てるらしいです。
この辺一帯がRoche帝国になるわけですね。なんかわからないけど想像を超える巨大な組織って怖いですね。
さて、ティンゲリー美術館はティンゲリー作品だけでなく、企画展もいろいろ開催しています。現代アートを楽しめると言う点でもティンゲリー美術館は訪れる価値がありますね。
セルフのコーヒーマシーンが置いてある休憩室はデスクにコンセントも設置してあって、自習室にもなりそう。過去の企画展のリストが壁に書いてあったりして、知ってるアーティストの名前を探したりしました。
家族連れが多い美術館と言うこともあってか、ミュージアムショップはおしゃれで楽しいおもちゃや、絵本などが充実していました!
是非、バーゼルに滞在の時は訪れてみてください!