ロンドンふたつのテート
ロンドンを代表する美術館、ふたつのテート、それがテート・ブリテンとテート・モダン。今回は、忙しい観光客が、ロンドン観光を楽しみながらふたつの美術館をハシゴできる方法をお伝えします。
今回は荷物をビクトリア駅に預けたばかりのなる子が選んだコースで行きます。まずはバスでビクトリア駅からヴォクソール橋まで行きました。地下鉄の場合の最寄駅はPimlico(ピムリコ)駅です。
- ロンドンふたつのテート
- Tate Britainへ
- テートブリテンは現代アートの美術館という一面
- ゴッホ展へGO!
- テート・ブリテンと子どもとアート
- テート・ブリテンからテート・モダンへ、ボートで移動する
- 現代アート見るならテート・モダン
- 最後に
Tate Britainへ
ヴィクトリア駅からバスで、テムズ川まで来ました。川沿いの散策はいいですねえ!
川の向こうに見えるのは、M I 6!ジェームス・ボンドの勤務先です。
近くまで行くと、異様な数の防犯カメラにビビりますよ。
木の向こう側にある建物はチェルシー美術大学の校舎。元病院の建物です。
その横にあるのがテート・ブリテン(Tate・Britain)
ゴッホ展開催中です。常設展示は無料。
建物は元ミルバンク刑務所。
学生時代、旅行に来ていた「見える」という子が、「美術館の横に人(幽霊)がいる。」と言ってびっくりした記憶があります。ありえる〜。
ちなみにイギリスは幽霊が出る訳あり物件の方が人気が出る傾向があるそうです。謎。
元刑務所とは感じさせない明るい印象の美術館です。
特別展に行くには建物横のスロープを降りて地下から行くのが便利ですが、今回は正面玄関から入ります。
階段を上がって入るとこのドーム。
このフロアはターナーの絵画を集めたターナールームなど、イギリス美術を中心としたコレクションが見応えたっぷり。ミレーの「オフィーリア」などは教科書で見て、実物を見たいと思った人も多いはず
しかし、テート・ブリテンは近代までのイギリス美術だけではないのです。
テートブリテンは現代アートの美術館という一面
毎年「ターナー賞(Turner Prize)」というコンテンポラリーアートの美術展を開催しています。専門家に選ばれたイギリスを拠点にするアーティストに贈られる賞で、誰が選ばれたか、話題になります。
そんな一面のあるテート・ブリテンでは、現代アーティストの展示が併行して開催されていることがあります。特別企画展で有料の場合もありますが、常設展と同じように無料で見られる展示もあるのです。
今回無料展示していたのはMike Nelsonというアーティストの作品でした。2回ターナー賞にノミネートされていますが、Martin Creed(2001)、Mark Wallinger(2007)がそれぞれ大賞を取っていきました。
重そう!かっこいい!異世界に紛れ込んだみたい。
戦後活躍した重厚な機械たちが、彫刻作品になってそこにある。
日本ではこの規模この重量のアート作品はなかなか見られないだろうな。
見応えありました。
インスタレーションスペースを抜けるとMEETING POINTと、下の階への階段が。
地階のゴッホ展にいきます。
人気の美術館は時間で区切って人数制限を設けることが多いです。
そういう展示の時は事前にネット予約しておくといいのですが、今回は待ち時間なしで入れる様子。
チケットは「寄付つき」と「寄付なし」の2パターン料金があって、今後も良い展示をして欲しいので、寄付つきにしてみました。
学生の頃はTATE MEMBERS' CARDを持っていて、高いのだけれど(現在86ポンド〜)必ず特別展は行くので買っていました。ショップも10パーセントOFFとか特典もあるのだけれど、貧乏すぎて活用できず。Exhibitionに何度も行く、という方法で元を取っていました。
ゴッホ展へGO!
仕事でロンドンに住んでいたことのあるゴッホとイギリスの風景、イギリスの画家を絡めてアプローチしようという企画展です。
↓入り口壁面に大きな写真が貼られていました。
青くて丸いプレートにゴッホの名前が書かれていますね。
イギリスでは、著名人がかつて住んでいた家にブルー・プレートを掲げることがあります。ゴッホはロンドンに約1年間住んでいたのですね。(短い!)
いやしかし、セーヌ川を描いても、「テムズ川の風景を見ていたはずだ」と解説に無理やりイギリスを入れ込んでくる。
ゴッホらしい作品もたくさんあります。
有名なやつだ!
テート・ブリテンと子どもとアート
以前、こどもとアートについて、ヨーロッパで見かけた光景のことをブログに書きました。
この時、どんな様子か説明するのにイラストを描いたのですが、今回のゴッホ展でも遭遇したので写真に撮りました。
名画の前でしゃがみ込む一団。
ワークシートに色を塗っています。ゴッホの顔ですね!
こどもたちが集中できるように少し静かなところへ移動して話をするグループも。
先生ひとりに対し5人の子ども。贅沢です!
大人の人も許可があれば名画の模写ができたり、懐が深い。
他のお客さんも当たり前のこととして受け入れているところがいいですね。
テート・ブリテンからテート・モダンへ、ボートで移動する
テート・ブリテンの目の前Millbankにボート乗り場があります。西のBattersea方面へ向かうボートと、東のロンドンブリッジ方面に行くボート。20〜30分ごとに到着するそうですが、タイムテーブル通りに稼働しているようには見えませんでした。
タイミングが良ければすぐに乗れると思います。
オイスターカードにチャージが入っていれば乗れます。ない場合は、カードでチケットを買うこともできます。前払いで、無人なので余裕を持って準備しましょう。
https://www.tate.org.uk/visit/tate-boat
行ってきま〜す。
このボートの良いところはテムズ川からロンドンの名所を観光できるところです。
早速Westminsterが見えてきましたよ。ウェストミンスター大聖堂や、国会議事堂、ビッグ・ベン(エリザベス・タワー)が集まる有名観光地です。
青空にはためくユニオン・ジャック!
ん?
んん??
No〜〜〜〜!!
ビッグ・ベン見えない!
改装中でした。残念。
WestminsterにもPier(乗り場)があるのですが、見てください。この混雑具合。
何時間待てば乗れるのでしょうか。テート・ブリテンから乗ればそんなに混雑しておらず、乗りきれないということも避けられそうです。
船員さんは残り何席残っているかを確認し、人を入れています。
ビッグ・ベン、時計だけかろうじて見える…バイバイ。
セント・ポールも見えてきました。ドーム屋根がかっこいい。
これはチャーリング・クロスへ向かう列車の橋の横でしょうか。
古い橋げたが残っています。
迫力!
このモダンな橋はミレニアムブリッジ。
歩行者専用の橋です。セントポールとテート・モダンを結んでいます。
橋を抜けると近代的なビル群が見えてきました。
どれも10年前になる子がいた時にはなかったものばかり。すごいな〜。
さて、あっという間にテート・モダンのあるBanksideに着きました。
テート・モダンは茶色の煙突がある建物です。元火力発電所らしいです。煉瓦造りがかっこいいですね。
テムズ川の船のルートマップはこちら。
船を使いこなせば、旅も楽しくなること間違いなし!
現代アート見るならテート・モダン
ここが有名なタービンホール。この巨大な空間を生かした展示がいつも話題です。
ルイーズ・ブルジョアの巨大な鉄の蜘蛛や、オラファー・エリアソンの太陽のインスタレーションなど、アーティストの代表作を展示した場所として知られています。
今回は残念。何もなかった。
階段を上がったところも十分広い。このフロアはテムズ川の方の入り口と繋がっています。
有料の企画展は2つありましたが、Dorothea Tanning展にいきました。
アーティスト、マックス・エルンストの妻で、シュルレアリスムの画家でもあります。
夫が有名すぎる。↓美化した自画像なんだとか。
ソフトスカルプチュアという新しいジャンルで活躍したアーティストです。
草間彌生さんもソフトスカルプチュアをいち早く展開したアーティストですよね。
よく見ると、犬の顔が入っています。どこにいるでしょう??
バルコニーに出られます。
ちょっと曇ってきちゃったけれど、良い景色。
ファミリー向けのアクティビティがあるようです。
テート・モダンのキッズ・アクティビティについては以前紹介したことがあります。
この記事で紹介したロスコの部屋は健在です。
さて、ホールの床の赤丸で囲った部分に注目です。
ちなみに、この稲妻のような跡は、コロンビアのアーティスト、ドリス・サルセド(Doris Salsedo)がホール地面を引き裂くようなヒビのインスタレーションを作った跡だと思われます。人種差別をテーマにした作品でした。意図的に一部だけ残してる感じがしますね。
テート・モダンといえば、無料で観れる常設展示のハイレベルさが定評です。
写真があまり撮ってない…。
10年も経てば、常設展もほぼ入れ替えてあって、初めて見る作品も多かったです。
パフォーマンス・アート系の建物が増設されているのですが、今回はタイムリミットがあったので、外から眺めただけ。
テート・モダンの周りは芝生エリアもあるので、お弁当持って行って座って食べるのも悪くないと思います。
最後に
どちらの美術館もじっくり見れば一日かかっちゃうぐらい見応えのある美術館ですから、はしごするのは大変なのですが、見たいところだけ、ハイライト的に駆け足で巡ってみました。
ロンドン観光プランの参考になれば嬉しいです。