なる子とマーナル☆

なる子とマーナル☆によるアート・旅行・子育て(独身子なし)ブログ

子どもの暴力とどう向き合うか

 

キツイ、危険、厳しい(金銭的に)3Kの現場!?

放課後児童クラブなど、小学生が過ごす現場で、度々問題になるのが子どもによる暴力です。

2017年には兵庫県内の児童館で小学2年生の男の子に職員がバットで殴られ、右耳がほとんど聞こえなくなる、という後遺症を負った事件がありました。

 

子どもと楽しく遊べる仕事、というイメージが強い児童館や学童職員の仕事ですが、子どもから受ける暴力に苦しんでいたり、悩んだりしている大人は少なくありません。

 

なる子自身、殴られたり蹴られたりしたことがあります。メガネが飛んで曲がったこともあります。目の前で他の職員が椅子を投げつけられるのを見たこともあります。

でも、どんなに暴力を受けても暴力を仕返してはいけません。

暴力に屈することもしてはいけません。

 

暴力は絶対に許さない、という姿勢を崩さず、暴力によって訴えたかったことは一体なんなのかを探っていき、心に寄り添っていくのです。

 

とてもとても難しいことです。

心を透視できる訳でもないし、小学生相手に悔しい思いや、また殴られたら怖い、という思いと戦いながら対応するのは本当に苦しいことなのです。

 

今の世の中、ネットが普及し、このような子どもによる暴力について、調べればいくつも出てくるようになりました。ニュースになるレベルのものは意図的に削除されたりしているような気がしますが、ネット上の語り場であったり、質問サイトでは、子どもたちによる暴力が、日常的に起こっている様子、苦しんでいる大人がいる様子が見て取れます。

 

そんなこともあってか、放課後児童クラブなどの仕事は人手不足が深刻です。

責任の重さ、怪我するリスク、そういったことに比べて、金銭的対価の低さ。

(キツイ、危険、厳しいの3K!?)

はっきり言って、現場によっては今日にでも辞めたい、と思うような荒れた場所もあります。

保護者の方の中にも、子供を預けていて大丈夫だろうか、と不安に思う方もいらっしゃいます。

 

しかし、問題行動を起こす子どもは、その子自身が問題なのではなく、子ども自身が何かの問題にぶつかり困っているのです。

 

自分の感覚や、こだわりなどが理解されなかったり、怒りやイライラをどう表現すれば良いかわからなかったり、様々なことで苦しんでいるのは子どもたちです。

 

そこを理解していかなければ、子どもたちと関わる大人の行動によっては、二次障がいとも呼ばれる、精神的な疾患に繋がりかねません。

 

乱暴と呼ばれる子どもたちだって、暴力が好きなわけではないのです。

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実践例①連絡帳で自己肯定感アップ!

自分の見通しと違うことが突発的に起こると、イライラが爆発して暴力をふるってしまう男の子がいました。

 

雨が降り始め、遊びの時間が短くなってイライラ。

 

ドッジボールで自分のチームが負けてイライラ。

 

といった具合です。

 

放課後クラブに到着して、すぐに遊びたいので、連絡帳を出すのを面倒くさがります。

「ない、忘れた。」

「本当は持ってきているよね?出してください。」

こんなやりとりで、出す出さないで職員と揉めて、最後には連絡ノートを職員に投げつけます。

 

毎日、こんなスタートでは、放課後クラブが楽しい訳ないし、一日一暴力決定しているようなものです。このことを改善するために、保護者にお願いをしました。

 

お母さん、なんでもいいので必ず一言書いてくだい。『元気です』だけでもいいです。できれば、『お手伝いしてくれました』や、『お出かけ楽しみました。』など、ポジティブなこと褒めてあげたいことを書いてください。」

 

補足ですが、放課後クラブの連絡帳は大したことは書いてありません。保育園に比べると、クラブの職員が書く内容は、簡素で「子どもの様子がわからない」と思う保護者もいると思います。

 

一方、保護者には、必ず毎日記入しなくてはいけないという義務感がなくなります。

 

もちろん毎日確認するべきものですが、記入する義務がなくなったことで、見るだけだったり、たまにしか見なくなったり、帰宅時間の変更を伝える時だけしか開かなかったり。

 

 

この男の子の保護者も、特に何かを書くわけでもなく、毎日簡単に遊びの様子を職員が書いても、読んでいるのかいないのかもわからない様子でした。

 

でも、子どもたちは毎日開いて読んでいます。

職員が何を書いているか、お母さんが何を書いているか、いつも気にしているのです。

 

本題に戻りますが、毎日叱られてばかりの子は、親から愛されていても、鬱屈した気持ちになったり、自分に自信がなかったり、遊びでも負けることが怖かったり、とても不安定な気持ちで過ごしています。

 

愛されていることが形で見えると、自信を持ち、イライラや不安が和らいで、変化が起こるかもしれない。そんな仮説を立てて、毎日連絡帳にひとこと書くことをお願いしたのです。

 

結果は劇的なものでした。

 

「5時。」

帰り時間を告げて、自分からノートを出すようになったのです。

次の日も、その次の日も。

 

「お夕飯を家族で食べに行きました。」

「弟と遊んでくれました。」

 

お母さんは、毎日、短くても、休まず書いてくれました。

男の子も、落ち着いて過ごせる時間がぐっと増えました。

 

実践例②予定はなるべく早く伝えておく

見通しと違うことが起こると適応するのが難しい、という子がいます。

例えば、予告のない避難訓練

遊びが突然止められ、訓練だから、と校庭に集められたりするのは、自分の立てた一日の計画と違います。そんなものには参加したくない!と暴れたり、逃げ回ったりすることがあります。

 

ひどい時は職員を振り払って施設外へ脱走。

 

走って追いかけて、疲れて止まったところを確保、なんて話も珍しくはありません。

 

想定外の出来事に気持ちが柔軟な子と、気持ちの切り替えに時間がかかる子と、色々な子がいますが、柔軟な子はなんとかなるので、子どもたち全体がなるべく見通しを立てられるような工夫をすることが有効です。

 

そこで、一枚のスケジュールボードを作り、

「今日の予定」大

「今週の予定」中

「今月の予定」小

と、文字の大きさや配置も考えて子どもたちが見やすい場所に設置しました。

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「24日木、高学年授業の為、体育館なし。」

などの情報が、事前にわかるので、「ああ、今度の木曜日はドッジボールできないんだな。」と子どもたちが見通しを立てることができます。

 

「聞いてない!」とか「おたよりに書いてあるなんて知らない!」などの、子どもたちなりの不満も解消されます。

 

このボードは、シフトで勤務するアルバイトさんにも好評でした。

 

大人だって、なんでも臨機応変に対応できるスーパーマンではないのです。

今日、だけでなく、ひと月のスケジュールが一眼でわかるだけで、全体の把握が安易になり、働きやすくなるのです。

 

さて、避難訓練はどうするか、です。

「何日に避難訓練します。」と予告してから実施することもありますが、予告なしだからこそ訓練になる、ということもあります。

 

でも、子どもは暴れたり逃げ回ったり…。

「本当の火事だったらどうするの!?」と不安になりますが、当日になって、「〇〇くんが、また暴れてる。また叱られてる。」と周りに色々言われてしまうのも、自己肯定感が下がる要因なので、避けたいのです。

 

妥協案としては、「今月のどこかで、避難訓練があります。」と宣言しておくことです。

「いつ、何時にサイレンが鳴るかもわかりません。知っているのは室長だけです。突然警報が鳴ったら、皆さんは、どのように行動すればいいでしょうか?」と子どもたちに投げかけます。

 

そこで、いつも気持ちの切り替えが苦手な子が手を挙げればしめたものです。

ふざけて反対のことを言ったりするかもしれませんが、そこは上手く軌道修正して、

避難訓練が突然ある予定であること。

・突然の避難訓練でも、落ち着いてどのように行動すれば良いか、事前に知っておくこと。

この2点を伝えます。

 

「とにかく、今月は突然避難訓練あるからねー!みんなの為だけでなく、みんなの命を守る大人も一緒に訓練するからねー!」

と事前に伝えておけば、急な避難訓練になっても、「ああ、これか。」と、ある程度納得して参加してくれます。

 

実践③ふざけてでも叩かない

子どもたちにも同じことを言いますが、特に職員に対してです。

子どもたちと親しくなりすぎて、友達のような感覚で対応する職員が稀にいます。

 

「何言ってんだよ、ば〜か(笑)」と冗談ぽく、軽く頭を小突く。

 

絶対にダメです。

 

子どもたちの中には、冗談のボディタッチと、暴力との境目を自分で判断するのが難しい子がいます。

 

「ば〜か」という言葉自体も、それが冗談なのか、本気なのか、わかりません。

 

「ば〜か」

 

↑この文字だけを見て、愛のある「ば〜か」なのか、憎しみを伴った「ば〜か」なのか、他人を蔑む「ば〜か」なのか、判断つきますか?

 

人は、あらゆる経験で学び、状況、相手の表情の読み取りなどから瞬時にどんなニュアンスの「ば〜か」なのかを判断することができます。

 

しかし、言葉をそのままの意味でしか解釈するのが難しい、という人がいるのです。

まっすぐお家に帰ってね。」のまっすぐの応用ができません。

そういう子の答えはこんな感じ。

「お家にはまっすぐ帰れません。2つ目のかどで、右に曲がるからです。」

説明できる子はいいですが、わからないままパニックになる子もいるのです。

 

そんな様子ですので、そういう子には、冗談のキック本気のキックの違いがわかりません。

 

普段から、職員が「なんでやねん(笑)」頭パシっ!みたいなことをやっていると、その子には「人を叩いてはいけません。」はパニックの原因です。

 

「どうして?先生は僕のこと叩いているよ。」

 

これは、屁理屈ではなく、本当の気持ちです。

 

だから、職員は、どんなことがあっても、冗談でも、相手がわかっていると思っていても、絶対に手や足を出してはいけません。

個人的には『こちょこちょ』(くすぐること)もダメだと思っています。

 

そんな、赤ちゃんみたいなじゃれ合いじゃない、関わり方、信頼の構築方法はいくらでもあるはずなのです。

暴力がダメと言うからには、大人として、しっかり筋を通しましょう!

 

まとめ

問題行動を起こす子どもたちは、本当は本人が一番困っている。

だから、その困っていることを解決できるよう試みるのが、側で見守る大人の役割だと思っています。

 

今回取り上げた実践例は、上手くいった例ですが、同じことをすれば解決すると言うものでもありません。

 

現役で、現場で頑張っていらっしゃる方には、「うちに来ているお子さんはそんな一筋縄ではいかないわ!」とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。

 

できれば、子どもも、大人も一緒に楽しい時間を過ごせる場所であってほしい。そう思っています。

 

暴れる児童を止めようとして、引っ掻かれたり、噛み付かれたり、叩かれたりして、何回も病院に行っている職員さんを知っています。女性です。いつ会っても笑顔です。

菩薩か!と尊敬します。

どんなことがあっても、子どもたちのために諦めない大人がいる場所。

子育て支援の場所はそうであってほしいと願っています。