なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

アメリカの子どもたちが夏休みに通う『サマーキャンプ』って何?

コロナ休校の影響で、短くなった夏休み。東京都内だと、だいたい2週間ぐらいのところが多いようです。

もうすぐ夏休み、といった頃、アメリカ出身の友達と話していて、「アメリカの家庭は、今年サマーキャンプがコロナでどうなるかというのが大問題になってる。サマーキャンプがなくなったら、子どもが家にいなきゃいけないって。」という話になりました。

 

え?サマーキャンプ?

Summer Camp...

キャンプってあのキャンプ?

キャンプなくなったぐらいでそんなに困る?

 

私もキャンプ行ったことあります。YMCAの子どもキャンプ。確か、3〜4日くらい鳥取の山奥で過ごしました。飯ごうで食事を作ったり、キャンプファイヤーしたり、ポニーに乗ったりして楽しみました。満点の星空と天の川。唯一電気があるトイレに張り付いていた巨大な蛾。テントに入り込んでくるアシナガグモ。町では経験できないことがたくさんありました。

 

 

でも、別にサマーキャンプなくても日本なら大丈夫だよ?アメリカのサマーキャンプは何か違うのかな?

 

 

そこで、サマーキャンプについてもっと詳しく聞いてみることにしました。

 

サマーキャンプとは

学校が夏休みの間、民間や、YMCA、そしてPark and Recreation(公園レクリエーション施設管理課)などが開く夏の子ども向けプログラムです。私学なら、学校で行うこともあるかもしれません。高校生ぐらいまでサマーキャンプに行くことが可能ですが、一般的には大人の保護監督責任がある年齢ぐらいまで(たしか13歳くらい)利用するようです。

 

プログラムは6weeksぐらいのものも珍しくなく、中流家庭なら数週間はサマーキャンプに行くのが結構普通のことなのだそうです。そうでなければ友達にも会えないし、子どもたちも退屈しきってしまうからなのだそうです。車社会のアメリカ。近所の公園に行けば誰かいるなんてことはあり得ないですものね。

 

6週間と言っても、1ヶ月半全く親に会えないのではなく、週末帰るタイプと毎日帰るタイプ(Day Camp)とがあるようです。

日帰りのDay campは必要な時だけ使えば経済的かもしれません。学童みたいな仕組みですね。学童よりももっと経験・学び、アクティビティを重視しているようです。

日本の学童に一番近い仕組みはDay careと呼ぶそうです。子どもを預かってくれるだけ、というイメージなのだそう。

 

サマーキャンプは、ちゃんとした宿泊施設があって、日々勉強やクラブ活動のようなアクティビティがあり、週末は家に帰る。私が子供の頃に行ったYMCAの夏キャンプのもっと期間が長いものと考えるのがイメージに近いのかもしれませんね。

運営母体によって特色があり、プログラム内容も選べるので、語学、スポーツ、音楽、アートなど何かに特化して夏を過ごしたい子どもたちにとっては、同じ目的を持った仲間と一緒に過ごせる合宿のようなものなのだそうです。

 

例え1ヶ月サマーキャンプに行ってもまだ1ヶ月以上休みがあるので、両親のホリデーに合わせて家族旅行にも行けますね〜。

 

 

楽しく能力を伸ばす夏休み

「森の池」というサマーキャンプを教えてもらいました。

Japanese Language Immersion | Concordia Language Villages

 

ミネソタ州にありますが、ここは日本語で過ごすサマーキャンプの施設です。他にも、ドイツ語やフランス語、フィンランド語など、色んな言語に特化したプログラムがあるようです。

 

例えば、日本語を学びたいと思っている子はもちろんだし、日本にルーツがあるけれど、日常では日本語を使う機会が少ない子たちにとっても、日本語で過ごせるサマーキャンプはいいですよね。日本語を学ぶために日本で過ごすという手もありますが、仮に日本にいるおじいちゃんおばあちゃんのところで2週間過ごしても、遊ぶ友達や従兄弟らがいなければ、子どもたちにとってはちょっと退屈かもしれません。サマーキャンプなら、同年代の子どもたちが一緒に語学を学びながら過ごし遊べるので、飽きませんよね。

 

一日の過ごし方の例はこんな感じ

 

ラジオ体操

朝ごはん

語学学習

お昼ご飯

クラブ活動(空手、書道、茶道など)

語学学習

夜ご飯

自由時間

就寝

 

日本の文化にも触れることができて、貴重な機会ですね。

 

欧米の人って何カ国語も話せる人が多いし、「漫画が好きで日本語勉強しました。」って言う人も、どうやったら漫画好きなだけでそんなに語学ができるようになるんだ!?と疑問でした。学校教育の違いがよく言われますが、そんなことより「サマーキャンプに行くか行かないか」の方が大きいような気がします。机にかじりついて勉強するより、同年代と一緒に会話しながら学ぶ方がずっと伸びが早いはず。

 

そういえば、「語学を学ばせるために、夏休みはアメリカに子どもを連れて行って、子どもは現地の子達と過ごさせます。」って言ってた保護者の人いたなぁ。これのことか。納得。

 

ボーイスカウトみたいな大自然の中で過ごすサマーキャンプもあるだろうし、どんなサマーキャンプに行くか悩みそうですね。

 

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ニューヨークから車で数時間。アメリカの自然って雄大…。

 

そもそもアメリカの子どもたちの放課後の過ごし方とは?

アメリカの学校だって、14〜15時くらいに終わります。共働きやシングルの家庭も多いアメリカで、子どもたちは放課後をどのように過ごしているのでしょうか。

 

After School(?)

総称がよくわからなかったけど、学校附属の学童みたいなもので、親が働いていて直接家に帰れない子たちのための居場所。4〜5校の子どもたちがスクールバスで一箇所に集められます。保護者は18時までに迎えに行かなければいけません。

1分でも過ぎると5ドルのペナルティ。18時にも間に合わない場合はベビーシッターとかを雇うのだそうですが、アメリカも最近は働き方改革が進んでいて、無茶な残業は減ってきているそうです。

 

Day care 

いわゆる民間学童。 こちらも子どもたちの居場所。

 

YMCAなど

テニスや水泳など習い事ができます。

 

お母さんが交代で

特に経済的に余裕がない人たちは、協力し合っていることが多いようです。交代で子どもたちをまとめて面倒見るホームケアをしているようです。

 

ある程度大きくなったら 

 お兄ちゃんお姉ちゃんがある程度大きかったら、スクールバスで直接家に帰ります。家でゆっくりくつろげますね。

 

お兄ちゃん、お姉ちゃんがいるような家の友達のところで過ごすと言う手もあるようです。

 

 

 

日本だと、小学生になったら昼間のお留守番はOKだし、(夜間の放置はネグレクトです!)学校は歩ける距離にあることが多いし、違うことが多いな、と思いました。

 

 

サマーキャンプはお金がとってもかかります

当然ですが、何週間も預ける訳なので、とってもお金がかかるそうです。ただ、子どもたちにとってサマーキャンプは学校生活とは違う掛け替えのない経験ができる場所なので、親は頑張って出費します。近所のサマーキャンプでもいいし、祖父母の家の近くを選ぶという家庭もあるそうです。そうすれば送り迎えはジジババで、忙しい親は本当に仕事に集中できますね。

 

サマーキャンプに行くのが一般的とは言え、経済格差の激しいアメリカです。比較的リーズナブルなデイキャンプ(日帰りタイプ)を選ぶこともあるし、地方によっては福祉でスカラシップ奨学金)がサポートしてくれる場合もあるそうです。

 

年齢が上がるほど、サマーキャンプは語学や音楽などジャンルに絞ったものに行く傾向があるそうです。

 

サマーキャンプで子どもたちのお世話をしてくれるのは大学生アルバイトたち。キャンプカウンセラーという資格みたいなのもあるそうです。

キャンプ実施の時だけアルバイトに来てもらって、春夏冬、がっつり稼ぐタイプのビジネスのようです。いろんな仕事があるんだな〜。

 

 

最後に

今年は仕事もリモートになり、アメリカのお父さんお母さんたちは本当に大変なのだそうです。大学の先生たちも膝や小脇に子どもを抱えながら講義する人がたくさんいたそう。サマーキャンプを実施するかどうかは地域によって全然判断が違うようで、共和党が強い州ではマスクもしないし、サマーキャンプでクラスター発生したりしていたようです。長いホリデーも、国境を越えてカナダに行ったりするのは難しく、国内や近場で楽しんでいるようです。なんだか日本とあんまり変わりがないみたい。

 

学校の授業もリモートになり、ちょっと気になるのは子どもたちのコミュニケーションの発達。

アメリカではコミュニケーションに配慮が必要な子どもたちが、確実に増えているのだそうです。「スマホ社会がより深刻にさせているのではないか」とアメリカの教育現場にいる方が言っていました。大学でも個別のオリエンテーションが必要な新入生が爆増しているとのことです。新しい生活様式、っていうよりも、新しいコミュニケーションの常識や人間社会が生まれ始めている時なのかもしれません。

 

ゲームやスマホが悪とは言わないけれど、集団生活の中で得られる刺激もたっぷり受けて欲しいし、アメリカの夏休みにはサマーキャンプに行く慣習があるのだから、チャンスを使って生きる力を高めて欲しいな〜と思いました。