なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

地球上から戦争がなくなるのはいつ?

終戦の日に、世界ではまだ戦争があることを思い出す

 

尊敬している元小学校の先生がいます。

 

定年後も子どもたちのために仕事を続け、ある時、人に頼まれたのをきっかけに「戦争体験の語り部」を始めたそうです。

 

悲しいことばかりだから、ずっと話さずにいたことを語る決心とはいかなるものか。想像もできません。私の祖母も本当に本当に辛かった部分は話してくれなかった。

 

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先生は子どもの頃に戦争を体験し、その話を小学校などに出向いて講演を続けています。

 

近所のお兄さんやおじさんが、ひとり、またひとりと帰らぬ人となり、家族は疎開で散り散りになり、疎開先でも空襲にあった家族もおり、終戦前日に最後の空襲で実家を失い、戦後の物資不足による栄養失調で弟たちもまた死んでしまったそうです。お葬式もできず、リアカーで運んだ悲しい悲しい思い出。

 

「地球上から戦争がなくなるのはいつ?」

 

講演では、現代の子どもたちにこのように問いかけているそうです。

 

 

こちらの写真はクロアチアドゥブロヴニクを訪れた時に撮りました。旧ユーゴの民族紛争で、街は一度壊滅的に破壊されました。クロアチアの内戦が終わったのは1992年のこと。街は人々の尽力で復旧。この写真は2008年ですが、使われなくなったロープウェイの水色の鉄柱が残されています。

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丘の上には戦争を伝える映像なども展示されていました。今は新しいロープウェイもできて、観光客がこの見晴らしの良い丘を訪れやすくなったと聞きますが、この、どこか悲しい風景は今も残っているのでしょうか。。。

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数年前に見たテレビ番組で、タレントさんが高齢者向け施設を取材していて「おばあちゃん、若かった時と今とどっちが幸せ?」と聞きました。もしかすると、「若かった時、恋してた時」のような答えを期待したのかもしれません。だけど、その女性はこう答えました。「もちろん今の方が幸せよ。戦争じゃないもの。」

 

戦争じゃないもの。

 

それがどんなにありがたいことなのか。

 

 

平和を考える

 

以前にもいくつか本を紹介しました。

 

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日本の子ども向けの戦争の絵本や物語は非力な子どもたちが被害者として描かれるものが多いと思います。戦争被害者としては間違いないですが、じゃあ日本が被害者なのかと疑問が湧いてきたら、加害者としての戦争も知った方がいいかもしれません。

 

731部隊のことは、私は中学生の時に知り、なぜ教科書にもっと詳しく載っていないのか辛い気持ちになりました。

 

人体実験、細菌実験などが行われた歴史は、今こそ考えるべき恐ろしい事実です。ここでの研究に使われた炭疽菌アメリカが引き継ぎ、朝鮮戦争で細菌兵器として使われたと言います。最悪です。一つの戦争が終わっても別の戦争で使われてしまいました。

 

ウイルスに翻弄されている今だからこそ、どれだけ恐ろしいことをしてしまったのか、わかるのではないでしょうか。

 

松谷みよ子さんの「屋根裏部屋の秘密」には731部隊のことが書かれているそうです。

「ちいさいモモちゃん」とか、小さい子向けの名作が多い作家ですが、こちらは結構重い内容なのだそうです。読んでみたいような怖いような、という気持ちでまだ読めていません。

でも、もし、お子さんが「日本の罪ってなに?」と疑問を投げかけてきたら、戦争の本当の恐ろしさを知るのにキーとなる一冊になるかもしれません。