日本にいるとあまり危機感を感じられないかもしれませんけれども、あちこちの国が国境を閉鎖している今日この頃です。ヨーロッパに住む友達は、ボーイフレンドがパリに仕事で行ったきり帰ってこれなくなったと泣いていました。
私も4月にヨーロッパに行く予定があったのですが、ついに延期が決まり、仕事のキャンセルも相次ぎ、ほぼ無収入。友達のようなロマンチックな理由ではなく、シンプルに泣きたい。
ヨーロッパは約20年ほどシェンゲン協定により人の行き来が自由にできていたことにより、諸々の課題を抱えつつ、経済の発展を維持してきたわけです。
今、見えにくくなっていた国境が可視化されてきているような気持ち。この国境封鎖にベルリンの壁を思い出してしまったのは私だけではないはず。(そうです、昭和生まれのそこのあなたです。)
人間の往来が活発になると言うことは生態系に大きな変化をもたらすということです。ウィルス界もきっとかき乱されていることでしょう。荒地を整えて、雑草を焼き尽くしても、予期せぬ芽が生えてくるもの。きっとその繰り返し。
ウイルスとの戦い、病除けの歴史
「日本では、歴史的背景もあり、患者を隔離することに抵抗がある」
どなたか専門家の方がメディアを通しておっしゃっていましたが、これは、ハンセン病のことでしょう。「もののけ姫」で包帯ぐるぐる巻きの人たちが出てくるのはそうだろうと言われています。神経と皮膚に症状が出る病ですが、強制隔離と差別・偏見の歴史があり、患者の心を傷つけてきました。
ほうそう、疱瘡=天然痘も隔離が必要とされた病気でした。疱瘡は今では根絶したと言われていますが、昔は高熱、発疹、失明の恐れ、致死率高し。そして皮膚に残る後遺症もあり、恐れられていた病気です。
江戸時代には魔除けの赤色のものを子どもに着せたり、「赤絵(疱瘡絵)」や、「赤い玩具」もよく作られました。「ミミズク」「赤だるま」「赤べこ」。今でも知られている可愛い郷土玩具には、病から子どもの命を守りたい親の思いがあったのです。
終わらないウィルスとの戦い。為す術もない状況で新型コロナの魔除けの気持ちで赤絵を描いてみました。選んだのは「ミミズク」。可愛くて癒されます。赤絵の題材には「金太郎」「桃太郎」や歴史上のヒーローなどもよく描かれていたそうです。子どもたちを勇気づけようとする気持ちが伝わってきますよね。
(この画像に限りフリー)
赤絵ミミズクの人形は江戸東京博物館で買えます。が、2020年3月31日まで閉館中。
ワクチンはいつできるのか
特効薬がない。ワクチンがない。そりゃもう新型ですから。
きっと今必死になって開発してくれているはず!
疱瘡(天然痘)は明治時代、牛から採取したワクチンで人々は救われました。天然痘の恐怖から人々をどんなに解放されただろうか。今、新型コロナのワクチンが開発されれば、その気持ちを時を超えて共有できるかもしれません。
天然痘のワクチンで予防活動した緒方洪庵先生を訪ねる旅はこちらの記事からどうぞ。
そういえば、赤絵ミミズクとトトロって似てるね!
よかったら、お守りがわりにミミズク画像使ってくださ〜い。