「12つきのおくりもの」と言うお話があります。スロバキア民話です。スラブ民話とも言います。ヨーロッパの国境や民族のことについて一言で説明するのは難しい。スラブと言うのはスラブ語のことを指します。スラブ語をルーツに持つ人の中で、「私たちはスラバキア人である。」と考えた人が今のスロバキアを作ったのです。スラブ語にルーツを持つ国は他にもあって、スロベニアもそうだし、クロアチアもスラブ語圏です。ロシア語もスラブ語に由来しています。ちょうど民族的には中東もアジアもヨーロッパも混じりやすい場所ですから、民族的な概念というより、言語的な概念がスラブなのです。なので、同じスラブ人でも、クロアチア人もいるし、ボヘミア人もいます。ややこしい!だからこのお話もきっと、広く、スラブ語圏の人たちに語り継がれてきた民話、と考えられるでしょう。
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あらすじ
マルーシカは、いじわるな継母と姉に命じられ、吹雪の森の中へ。冬には咲かないスミレを摘んで来るように言われたのです。そこで出会ったのは12月の季節を司る、「12月の精」たちでした。
森は生きている
あらすじを読んで、「知ってる!これって、”森は生きている”じゃないの?」と懐かしく思う方もいらっしゃるでしょう。「森は生きている」は、12の月の民話からアレンジして書かれた児童劇です。学芸会で演じた記憶のある人もいるはずです。
気まぐれな女王は、4月の花、マツユキソウが欲しいと言い出します。吹雪の冬。国中大騒ぎ。娘は継母と姉に命じられ、森に入ります。そして12月の精と出会うのです。
こちらはロシアの作家、サムイル・マルシャークが再話という形で本にしたものです。1943年、ソビエト連邦時代です。マルシャークは翻訳もしたし、児童劇用のお話を書いたり詩も書いています。
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自分に合っていそうな1冊を選び、寒い夜にあったかいお布団の中で読みたいですね。
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