にぎにぎ…?
にぎにぎってなんだよ!と思って、つい開いてしまった人、いらっしゃいませ。なる子です。
正式な名称があるのかもしれません。でも、わからないのでなんとなく「にぎにぎ」でGoogle先生に聞いてみたら、「これ?」と表示してくれた画像が概ね合ってるので、「にぎにぎ」で貫きます。
「にぎにぎ」とは、赤ちゃんがギュッと握っている、小さいぬいぐるみ状のおもちゃです。
時々、中に音がするものが仕込まれていることがありますが、あれは「にぎにぎできるがらがら」です。
「あかちゃんのにぎにぎ」とか、「赤ちゃんのガラガラ」、「旅行で荷物入れるガラガラ」いやそれは「旅行で使うコロコロだろ、とか。「コロコロと言えば絨毯で使うやつ。」とかでだいたい話が通じてしまうのはなぜか。それも気になるところですが、今回はそこにはツッコミません。
私は「にぎにぎ」を3つも持っています。独身子ナシのくせに、なんでそんなものを持っているんだ!ということはツッコミいれてもいいかもしれません。
まとめて買った時には、「今度、友人の誰かが出産したら、気軽にあげよう。」と思っていたのです。
ところがなかなかそのチャンスが来ず、ちゃんとしたお祝いとして渡すには安価すぎる、と気づきいたのです。どうしようかなーっと、じーっと見つめていると、なんだか素朴でとても可愛くて、お部屋に飾ったら素敵なんじゃないか、と情が湧いてきたのです。
怖いですね!物の魔力です。長く持っているだけで、人はそれを自分の財産であると錯覚してしまうのです。
いつのまにか完全開封され、謎のガラクタコレクションへ仲間入りしてしまっていました。
時々、「断捨離」という言葉を使いますが、大して捨てていません。安心してください。ミニマリストからは程遠い存在です。
インドのにぎにぎ
さて、私が持っている「にぎにぎ」はこれです。
無印良品で買いました。
MUJI meets IDÉEのコーナーがある店舗で、これはの商品だったと思います。
開封してラベルとかも捨ててしまったので、うろ覚えなんですが、インド・カシミール地方で子どもの健康を祈って刺繍したもので、魔除けとして赤ちゃんに持たせた、というようなことが書いてあったような気がします。
国名も地方名も間違っていたらごめんなさい。調べたのですが、確かな情報が確認できなかったのです。
動物の形になっていて、上から狼・狐・鳥だったと思います。
ちゃんとメモっておけば良かった。
「へー、赤ちゃんの魔除けなんだ。色々な風習あるなー。」と感心。
…ん?ちょっと待って!
その風習、日本にもあるんじゃなかったっけ?!
「にぎにぎ」「魔除け」で検索
「にぎにぎ 魔除け」で検索するとですね…
ほら!これ!中川政七商店
「犬張子のにぎにぎ」!
正確には、犬張子が魔除けで安産祈願のための郷土玩具なんですが、実は、日本の郷土玩具のルーツが、多くは子どもの為の魔除けなのです。
福島の赤べこ、飛騨高山のさるぼぼ、今や全国で縁起物の赤いダルマ…などなど。
赤い…赤いことに気づきましたか?
犬張り子に、柴又のはじき猿(この猿も赤いです)、赤みみずく。
犬、猿、みみずく。。。鬼退治メンバー?みみずくは強引すぎるかな。
「赤」は古来より、魔除けの力がある色としてしばしば使われてきました。
また、犬、猿は鬼門(丑寅)の反対側の方角の動物として、鬼や悪神が苦手な動物とされています。
子ども向けの玩具に赤色や犬、猿のモチーフがよく使われているのは、疱瘡神除けと言われています。疱瘡とは天然痘のことです。江戸時代には、「赤絵」と呼ばれる赤色だけで絵が描かれたものをお守りとすることが流行したそうです。金太郎や達磨、源為朝などの絵が描かれました。
菓子袋「(為朝とだるま)」 江戸時代 | 菓子資料室 虎屋文庫 | 株式会社 虎屋
為朝という人は現代ではあまり馴染みがありませんが、頼朝、義経兄弟の叔父で、八丈島で疱瘡神を抑えて島で疱瘡が流行しなかったという伝説があり、為朝に疱瘡神を倒して欲しいという願望から、よく描かれたそうです。
「カラーブックス・日本の郷土玩具」郷土玩具には赤色が多い。
こういうのもある。黄鮒(栃木)
にぎにぎから遡る、子どもの玩具とは
子どもは宝、と言いますが、どんなに大事にしていても、伝染病などの病気は親の力ではどうしようもできない。病から子どもの命を守るために、子どものおもちゃに魔除けの願いを込めたのですね。
本日は、にぎにぎから郷土玩具に遡り、天然痘の話までたどり着きました。
いかがだったでしょうか。