赤ちゃんの時は必死に調べる。相手が宇宙人だから。
どうして泣いているの?
どうして欲しいの?
いやいや期はどう乗り越えればいいかしら?
相手との言語での意思疎通が難しいから、一生懸命調べませんでしたか?
幼児期を対象にしたノウハウってかなりたくさん世の中に出回っているような気がします。
ブログでもインスタ漫画でも赤ちゃん漫画ってとっても多い。
きっと共感できる部分も多くて、心が軽くなるし、情報共有という点でも、とても価値があると思います。
私は育児漫画大好きで、いっぱいフォローしています。独身だけど。笑
小学生期に入ると、このノウハウって途端に難しくなるような気がします。
隣人の子は隣人の子。うちの子はうちの子。
子どもの心の多様化はもっとはっきりしてきます。
一般論で語るのが難しいのです。
子どもと意思の疎通が言葉で十分できるようになってくると、コミュニケーションが楽になる一方、お互いにわかったような錯覚を起こしてしまう、ということがあります。
子どもに対して、「当然わかっている、知っているでしょう?」と期待してしまうということがあるのではないでしょうか。
アンガーマネジメントの話はまた今度したいと思いますが、怒りという感情は単独では存在しません。
その根底にある別の感情が起因して、コップの水が溢れるように、限界を超えると怒りに変わるのです。
つい、強い言葉で怒ってしまったりするのは、子どもに対して期待してしまうから、裏切られた、という思いが溢れてしまうのですね。
また、いい子に育ってほしい!という思いから、赤ちゃんの頃と同様に、あれやこれや口や手を出しすぎちゃう、ということもあります。
子どもは一人の人格ですから、思い通りのコントロールはできません。
怒らない、褒めて伸ばす
叱ることは時と場合によっては必要なことかな、と思っています。叱るというのは「ダメなものはダメ。」と教えることだと思っています。
一方、「怒る」というのは感情に任せて、強制的に相手を動かそう、ということです。無理矢理なことはどこかで歪みが生じます。
褒めて伸ばす、なんて言葉も100万年くらい言われ続けているように聞こえます。褒める、というのも実はちょっぴり技術のいることだったりします。
具体的にどうするの?というヒントは、やっぱりプロから盗むのが手っ取り早いな、と思います。
読んでみて、良かったな、と思うのは「子どもの心のコーチング」という本です。
子どもの心のコーチング―一人で考え、一人でできる子の育て方 (PHP文庫)
世話を焼きすぎて、自立できない子に育っていないか?自分で考え、自分で行動できる「生きる力」をつけるサポートを親がしましょう、という本です。
10年くらい前の本ですが、コーチングの技術を応用して、子どもの本来持っている能力を引き出していく、というのが本筋です。
スポーツの世界でも、昭和的スポ根ではなく、自主的に能力を引きださせる、コーチングは注目されていますよね。一般企業の社内コミュニケーションでもコーチングを採用しているところはありますし、サラリーマン向けにコーチング本はたくさん出版されています。
この本の根底にはアドラー心理学の要素もあるかな?と感じました。
取り上げられているエピソードは、まあ、ちょっと上手くいきすぎていて、「オタクのお子さんは物分かりがいいから。」とケチをつけたくもなりますが、使える技術はたくさんあると思います。
子どもの心の理解というのは、主に年齢に伴う発達の過程によって全く違います。
なので、未就学のお子さんをお持ちの方が読んでも、しっくりこないと思います。
完全に小学生向けです。思春期前の。
小学生のお子さんをお持ちのご家庭や、放課後事業の施設で指導員をされている方々にオススメです。
保育園と学童保育は全く違う
違う点はいっぱいありますが、「保育園に比べて、学童保育(放課後児童クラブ)は何もやってくれない。」というのが、保護者側から見た印象なのではないか、と思います。
私は小学生に上がるお子さんをお持ちのご家庭には、「保育園と学童保育は全く別物です。子どもの発達段階に合わせて、対応ががらりと変わるからです。保育園はお子さんのお世話をする場所。学童保育は、お子さんが自立に向かって成長する過渡期を過ごす場所で、指導員はそのサポートでしかありません。」と説明します。
ヘルプではなく、サポート!
3月31日と4月1日で全く違う、というのは子どもたちも戸惑いますから、なるべくスムーズに移行するよう、もちろん現場では配慮しているわけですが。
子どもたちの柔軟性、順応性に比べると大人はその時間がかかるので、最初の説明できっぱりはっきり「違います。」と宣言するのです。
「何にもしない」のではなく「何もしないをやっている。」と私は言っています。
優しい新人アルバイトさんは、ついお世話をしてしまいます。ランドセルを持ってあげたり、靴ひもを結んであげたり。過度に喧嘩の仲裁に入ったり。「子どもができそうなことは、手を出さないでください。」とお願いしています。
付け加えると、「どうしたの?」とか「〇〇さんはどんな気持ち?」「どうすればいいと思う?」などの声かけは積極的にやってください、とお願いしています。
子どもの心に耳を傾けてあげること。子どもは、心に答えを持っている。
多少の口喧嘩やトラブルも子どもたちは自分たちで解決する力を持っているので、その経過を見守っているだけです。どうしても必要だな、と思うときにはしっかり話を聞いて、サポートします。
タイトルに使いましたが、躾っていう言葉は、私はほとんど使わない言葉です。調教っぽいイメージがあって好きじゃないです。規律やマナーも必要だと思うことは子どもたちは自分の力で身につけることができます。
子どもたちが、小さな人間社会の中で「生きる力」を身につける。
大人はそのサポート役と思っています。