(秋の小金井公園。都民の憩いの場。)
都立小金井公園の中にある江戸東京たてもの園を知っていますか?
文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元修復、展示しています。
実際、映画のセットのような雰囲気もあり、入場料400円とは思えない充実ぶりです。
どの建築も修復や改装(エレベーターを設置したり)などはありますが、「本物」なので、細部を見れば何時間でも滞在できてしまう。何度行っても新しい発見があります。
たてもの園ってどんなとこ?
ビジターセンターとなる建物は旧光華殿。1940年、皇居の外苑に紀元2600年式典のために建築された式殿が翌年移築され、光華殿と命名されました。
戦後、戦火で焼けた学習院中等科が移転して置かれ、当時の皇太子、天皇陛下も隣接する「御仮寓所」に住まわれ3年半過ごしたそうです。
改修され、展示室などを含むビジターセンターとして使用されていて、中はとっても現代的なので、まさかそんな歴史的建造物の中にいるとは思わないかもしれません。
ビジターセンターだけは、ちょっともったいない気がします。
旧「武蔵野郷土館」として昭和29年に開館。1993年(平成5年)に江戸東京博物館の文官として「江戸東京たてもの園」が開設されました。
(奄美の高倉は旧武蔵野郷土館の収集建築物。八丈島などでも同様の高床式の建物がああるそうです。)
貴重な文化遺産が残る場所で、東京の中にありながら、広大な土地を使ったこの博物館は現代まで継承されています。
宮崎駿も大好き!江戸東京たてもの園
実はこの「たてもの園」、ジブリ映画のモデルになった場所がたくさんあると言います。
特に「千と千尋の神隠し」のモデルになった場所が多くあることはマニアの間で有名な話です。
この江戸東京たてもの園、スタジオジブリからもとても近く、宮崎駿監督が何度も通ったというのも頷けます。
どれだけ近いかと言うと。このくらい近い。
どのくらい縁があるかと言うと、このくらい。
なんとも言えない愛嬌のあるキャラクター。
ジブリの世界観を味わおう!
宮崎駿さんは、色んな場所を取材して、独自の世界観を作っていくので、「このシーンのモデルはここ!」と言う唯一の場所はなかなかないと思いますが、たてもの園の建築がヒントになって、あちこち取材しただろうと想像できます。
例えば、「デ・ラランデ邸」
1910年(明治43年頃)ドイツ人建築家、ゲオルク・デ・ラランデ氏が3階建に増築したと言う洋館。白いバルコニーが「風立ちぬ」っぽい!と評判です。
こちらは1階がテラスのある喫茶室になっており、ちょっとした休憩に最適です。
「武蔵野茶房」さんってば、有機珈琲にお花を添えてくださるの。素敵。
「お父さんお花屋さんね。」と言うメイちゃんを思い出しました。素敵。
こちらは新橋行きの都電ですけど、横浜が舞台の「コクリコ坂」を思い出してしまうのは私だけ?
中に入ると、「千と千尋の神隠し」も思い出す!
「千と千尋の神隠し」のモデル間違いなし!と言われているのがこちら。
「武居三省堂」(文具店)
このおびただしい引き出しの数。
釜じいのボイラー室しか考えられません。
三省堂があるエリアは花屋などの商店が並ぶエリア。
さながら映画の世界に迷い込んだような気分。その先にあるのが、銭湯「子宝湯」です。豪華な造りはいかにも湯婆婆が出てきそう。
「大和屋本店」(乾物屋)では、イモリの黒焼きが売ってないか見てしまう。(置いてないよ。)
などなど、「ここもそうかもしれない。」と思わせる、ジブリ臭がプンプンする博物園なのです!
これから行くなら、秋の夜間開館、「紅葉とたてもののライトアップ」がおすすめ!
平成30年の今年は11月23日(金・祝)〜25日(日)の3日間、通常なら秋冬は16時半閉園のところ、20時まで開園しています。
今年は夏が暑すぎて、木々も疲れているのか、紅葉もあまり綺麗ではないようですが、たてもの園では、夜間だからこそ楽しめる催し物が盛りだくさんです。
すでにお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、紹介した写真の中で、夜撮影したものは、
過去のライトアップの日に撮影したものです。
民家の中では、囲炉裏に火を入れてくれます。
ボランティアさん、大活躍!あったか〜い!!
夜の商店もなかなかに良い雰囲気があります。
傘屋さんでは、こんな演出も。
さらに、写真を撮り損ねましたが、とても珍しい室内のガス灯も特別に点灯してくれています。電気かガスか、一般家庭の明かりに実は普及戦争があったのですね。
デ・ラランデ邸の暖炉にも火が入るそうです。
夜間開館の日は、園内とても混雑しているので、喫茶に入るのは至難の技。
私が行った日は音楽ステージがありました。(今年もあるかどうかは不明)
ライトアップしているとは言え、園内、かなり暗いです。雰囲気あります。
とても楽しいのですが、混雑もしているし、お出かけされる方は気をつけてくださいね!