2回目の、今週のお題「読書の秋」
子どもたちと読書
「子どもの頃に、本をたくさん読むといいよ。」とよく聞くと思います。一般的には、勉強ができる、賢い子に育つイメージがあるのではないでしょうか。
学習面での効果が注目されがちですが、読書の効果はそれだけではありません。
子どもたちの情緒の発達と安定に読書はすごい力を持っているのです。
落ち着かない児童が多く、いじめや教師への犯行、物を壊したり、暴力があったりと荒れに荒れまくっていた小学校で、朝の読書の時間を取り入れたところ、徐々に子どもたちが心の落ち着きを取り戻していった、という話も聞いたことがあります。
私もこれまで、放課後の施設や保育園などで、読み聞かせの時間を作ることを心がけてきました。帰宅前の帰りの会で読み聞かせをすると、びっくりするほど子どもたちが落ち着いた気持ちになり、穏やかに帰って行きます。
特別なテクニックは必要ありません。良い本を選んで、淡々と読むだけです。絵本なら、子どもたちに絵が見えるように読むこと。ゆっくり落ち着いたトーンで、聞こえるように読むこと。
それぐらいです。
登場人物に合わせて、無理に声を作る必要もありません。子どもたちは、自分の力で、想像力を使って世界を広げていくので、むしろキャラクター作りは邪魔かもしれません。
子どもたちは、本を通して、様々な経験をし、豊かな感情を作っていきます。競争を嫌う現代では、なんでもみんな横並びになりがちで(徒競走全員1番とか)、「悔しい!」という思いを経験することが少なかったりします。
本は、日常では味わえないような感情を経験することができる、お手軽なツールです。
物語を介して、怒ったり、悲しい気持ちになったり、切なかったり、悔しかったり、怖かったり、感情を疑似体験することで、豊かな感性を育み、心の成長に繋がっていくのです。
親子での読み聞かせ
親子での読み聞かせの時間を大切にしている、というご家庭は多いのではないでしょうか。
親子だからこそ、読んで欲しいな、と思う本がたくさんあります。
特に、お母さんが帰ってくる、もしくは、自分が冒険をして家に帰る、というシチュエーションの本は、寝る前なんかにピッタリです。家族・家という安心感に包まれて、眠りに入ることができます。
親子の愛情を感じる絵本、オススメ3選を紹介します。
ぼくにげちゃうよ
2歳〜向け
「ぼく にげちゃうよ」から始まる親子の追いかけっこ。想像の世界での言葉の追いかけっこですが、優しい愛を感じるロングセラーの秀作です。
よるのおるすばん
3・4歳〜向け
3羽のふくろうのひなが、お母さんを待つ間に繰り広げられるやりとりがかわいいのです。翻訳本ですが、日本語のリズムも良く、これを読むと子どもたちが声に出して大合唱になることも。兄弟の話なので、みんなで声を出してお留守番を切り抜ける気持ちになるのかもしれません。夜にお母さんがいなくなる、という野生の世界の厳しさを感じます。でも、お母さんが帰ってきて、安心する気持ちはフクロウも一緒。読み終えると安心して寝れそうです。
ぼく、ひとりでいけるよ
5・6歳〜向け
想像の追いかけっこ、お留守番、の話と続きましたが、ついにキャラクターがひとりで冒険に出るストーリーです。子ども上級者向けですね!
いわゆる、「初めてのおつかい」本です。
「こわくなんかない!」と言いつつも、内心ドキドキ。
無事におつかい成功して、おかあさんの元に戻れた時の、成長がかわいい1冊です。
いい絵本はたくさんありすぎて、選ぶのも大変ですよね。
参考になれば嬉しいです!