今の時代、子どもたちのお小遣いもキャッシュレス。
SuicaなどのICカードを持っているという子も少なくありません。
ただでさえ、金銭感覚がイマイチな子どもたち。キャッシュレスになって大丈夫かな〜?なんてこともありますが、その時代その時代にあった育ち方があるので、それなりにうまいことやっていくんだろうな、と思います。
私が子どもの時は貯金箱の中身をひっくり返して数えるのが、密かな楽しみでしたが、もし、今だったら、ICカードを駅に持って行って、販売機で残高を確かめるのかな〜。
そう言えば、子どもの頃、祖父母や親戚からもらったお年玉の中から1万円を手元に残して、残りは親に渡す、ということをしていました。
そしてその一万円札を大事に金庫に入れていました。
ここでいう、金庫というのはこれです。
もう何十年も大切に保管しています。
わかりますか?
これは箱根の寄木細工でできた、からくり箱です。
綺麗ですよね〜。年月を経て、より一層味わい深い色味になっています。
からくり箱ですから、パッと見た感じ、蓋もなく、開きそうにありません。
ふふふ、特別な開け方があるのですよ!
この中にお札を折りたたんで入れていました。
完全な金庫だと思いませんか?
本当に久しぶりに取り出しました。
あ…もしかするとまだ1万円札が入っているかも。
確かめたい!うずうず!
開け方、覚えているかな???
少しずつ切り込みにそって鍵になっている部分をスライドさせていきます。
お金への執念でしょうか。
手が開け方を覚えているようです。
(詳しい開け方は教えません。金庫ですから!!)
一瞬、固いところがあって、焦りましたが、
ついに、長い歳月を超えて、開く時が来ました。
ドキドキ…
か、からっぽ〜!!!(やっぱり…)
そう、お札はただの紙切れ。それ自体には本来価値はそんなになく、人々の間で共通する概念と信用で存在するだけ。
意外なことに、からっぽの金庫から、1万円札ではなく、違うものがたくさん出て来ました。
親に連れて行ってもらった箱根の関所、
長い階段のMOA美術館、
食べすぎた旅館のご飯、
「似合うね」と言ってもらった麦わら帽子。
そんな思い出がポロポロ出て来たのでした。