- 「こども110番の家」とは
- どんなシンボルマーク?
- こども110番の家、どうすればなれる?
- こども110番の家になったら、何をすればいい?
- 「こども110番の家」は本当に地域の役に立っている?
- 「こども110番の家」に起きている問題
- 「子ども110番の家」を生きた活動にするアイデアや取り組み
- コンビニやよく行くお店、公共施設は助けを求めやすい
- 最後に
独特の世界観がくせになる、ハマサンスさんが「こども110番の家」に認定されたそうです。素晴らしい。
地域のこどもたちを守りたい、という気持ち。心強いですよね。
でも、特に説明なども受けず、少し戸惑っていらっしゃる様子。
ステッカーを貼ってもらうだけでは、せっかく協力してくれているご家庭にとっても、地域の子どもたちにとっても勿体無い!価値のある取り組みにするにはどうすれば!
子ども110番が始まってもう20年以上経ちます。形骸化してしまっている地域もあると聞きます。しっかり活用できるように、「こども110番の家」を一から見直してみたいと思います。
「こども110番の家」とは
こどもが巻き込まれる事件が増えたことを背景に、地域でこどもを守る取り組みとして生まれました。
こどもが危険やトラブルに巻き込まれそうになった時に、安心して立ち寄ったり駆け込んだりできる避難所のことです。商店や公共施設、民家など、協力してくれる場所には目印になるシンボルマークが貼られています。
どんなシンボルマーク?
「こども110番の家」は自治体単位での活動ですので、自治体によってマークは異なります。ステッカーだったり、プレートだったり、旗だったりします。
東京都
東京都は多少パターンの種類はありますが、警視庁のピーポくんが目印です。
神奈川県
神奈川県は県警のピーガルくん。
真剣な表情が目を引きます。
などなど。目立つ黄色ベースが多いですね。
(これは黄色いけど違う。むしろ怪しい。)
あなたの街にも、必ず地域の「こども110番の家」のマークがあるはずです。改めて意識して見ると、「ああ、どこかで見たことがあるな。」と思いますよね。
こども110番の家、どうすればなれる?
インターネットで、「お住いの市町村・こども110番」で検索してみてください。自治体のホームページでどこに問い合わせをすれば良いか、書いてあると思います。どうすればなれるかは自治体次第ですが、だいたい協力いただけることは歓迎されると思います。あっさりステッカーなどが送られてくるのではないでしょうか。
地域の小学校や、自治会を通して欲しいという場合もあるかもしれません。逆にそういったところから、お願いされることもあるでしょう。
こども110番の家になったら、何をすればいい?
こども110番の家になってくれるご家庭を探す立場になると、とにかくなってもらう、数を増やすことに一生懸命になってしまい、説明が不足していることがあるようです。
子どもたちが、知らない人から「つきまとわれた」「わいせつな言葉をかけられた」「連れ去られそうになった」と避難してきた場合、事情を聞いて110番通報をし、警察官が到着するまで保護してください。地域ぐるみで子どもたちの安全を守るボランティア活動。それが、「こども110番の家」です。
短いシンプルな説明ですが、具体的なセリフもあり、誰でもイメージしやすいですね。
3つの基本の対応がこの文の中に盛り込まれています。
・事情を聞く
・110番通報する
・警察官が来るまで保護する
より詳しくウェブ上に書いてあったのは神奈川県です。
保護する対象をこどもだけでなく、女性や高齢者など、困っている人なら誰でも助けようという方針が書いてあり、しかもマニュアルをPDFで公開しています。
プレートを貼る位置から解説しており、実践的です。
これは、いざという時、どうすればいいかわからないと思っている人にはかなり参考になりそうです。
「こども110番の家」は本当に地域の役に立っている?
ステッカー貼っているだけで、なんの役にも立っていないのではないか。そう思っている人は少なくないはずです。どうしてそうなってしまうのでしょうか。
ステッカーを貼るだけでも、少しは犯罪抑止力になるという役割があると思います。犯罪を犯そうとする人は、人の視線を感じると「やっぱりやめておこう。」と思いとどまることがあるからです。絶大な効果でなくても、ないよりいいかもしれません。
次から次へとこどもが避難してくるより、何も事件が起こらなければ誰も来ない訳ですから、いいことかもしれません。しかし、ステッカー貼るだけは勿体無いですよね!
「こども110番の家」の活動のトラブルや問題点、また実践的な活用例などを紹介したいと思います。
「こども110番の家」に起きている問題
形骸化
この活動が始まったのは20年以上前ですから、初めにステッカーやプレートを貼った家がそのままにしていると、実は家庭内で世代交代があって、「なぜ、そのステッカーが貼ってあるのか。」を住んでいる人が知らないことがあります。また、頼まれたり、立候補して貼った本人はよくわかっていても、他の家族にしっかり説明していないケースもあり、いざという時に困った人を助けることができないというトラブルになってしまいます。
子どもたちが利用しにくい
この20年の間に、こどもたちの防犯意識も変化してきました。極端に言うと、「知らない人は不審者」と思うほど、こどもたちは警戒心を持っています。いくらステッカーが貼ってあっても、知らない人の家に助けを求めるのはとても勇気のいることなのです。
「こんにちは。」と声をかけたら、全力で逃げられた。なんて話、時々聞きますよね。
「子ども110番の家」を生きた活動にするアイデアや取り組み
主にPTAや地域ボランティア活動が活発なところでは、「子ども110番の家」を活用する取り組みが見られます。
形骸化を防ぐために
年に1回の更新制にしているところがあります。「子ども110番の家」の地域マップを作成し、主に小学生の保護者が中心となって、一軒一軒巡るそうです。継続の意思があるかを確認し、世代交代などで更新しないところからはステッカーを回収し、継続してくれる方には直接お願いすることで意識を持ってもらう効果もあります。
子どもたちが利用しやすくなるように
学校やPTA、もしくは放課後児童クラブの地域探検などで、新一年生を連れて挨拶に行く地域もあります。だいたい「イカ・の・お・す・し」を唱えています。子ども110番の家がどこにあるかを子ども自身が確認することができるし、子どもたちと110番の家が直接顔を合わせることができるので、もう知らない人ではありません。110番の家の人も自分の役割を再認識できるでしょう。
ハロウィンを利用している地域もあります。事前に110番の家のご家庭や店舗に、お菓子を配る準備をお願いし、仮装した子どもたちが「こども110番の家」に「トリックorトリート!」と訪ねるのです。お願いします、と挨拶に行くのも悪くないけれど、行事を通して楽しく交流できると、さらに親しみが増すような気がします。
いずれにせよ、地域の「子どもを守りたい!」という強い意思があればこそ、実現できることですね。
コンビニやよく行くお店、公共施設は助けを求めやすい
なる子は以前、放課後児童施設に勤務していましたから、実際にお預かりしていたお子さんだけでなく、地域の子どもが駆け込んでくることが時々ありました。「暗くなって道に迷って帰れない。」「何もしてないのに、知らないおじさんに怒鳴られて怖い。」
正直に言うと、警察を呼び出すことも、登録児童を預かっている勤務中に、別の地域のこどもに対応することは、結構あとあと責任の所在云々の問題があり、できることに相当限りがあり、いろんなリスクがあることなのですが、「個人的な判断で施設や事業者とは無関係」ということにして助けたこともありました。なんにせよ、「助けてくれそうな場所」に見えるのでしょう。
助けを求めやすい場所って、あると思うのです。駄菓子屋さんとか文房具屋さん、とかがひと昔前ならそうでしょう。今なら、コンビニ。24時間明るくて、入ってすぐレジのところに店員さんがいてくれるのです。子どもでも親に連れられて行ったこと絶対あるはず。
なる子も、大人になってからのことですが、真夜中の帰り道、スクーターに乗った男の人に話しかけられ、よく見たらライダースジャケットの中は裸に黒のブラジャーで、胸毛がはみ出している状態。住んでるアパートを特定されるのも怖いし、一番近いコンビニに駆け込み、「この辺交番ありますか?」と聞いたら、すぐに警察の方を呼んでくれました。コンビニのお兄さん、本当にありがとう。
世の中コンビニに求めることが多すぎて、申し訳ないと思うのだけれど、いざとなったらあの白く明るい照明が、希望の光に見えることがあるのですよ。感謝です。
最近はこども110番の家になってくれるコンビニや店舗が増えて、ありがたいです。
最後に
110番の家は、警察ではありませんから、犯人探しをするなどの警察のお仕事はできません。しかし、110番の家のステッカーで意思表示をすること、地域の子どもたちを見守る意識を持つことで、地域の防犯力は高まります。
なかなか目に見える形で役に立つことはありませんが、影で街の安全を支えてくれているのです。子ども110番の家のみなさん、ありがとうございます!これからもどうぞよろしくお願いします!!