まっすぐな道を見れば、新しい街かそれとも秀吉の関わりかと推測し、四辻に来ればどこに繋がっているのか夢想する。大きな高速道路は川の上かお堀の上か。橋の真柱だけ残されているのを見ればかつての景色に思いを馳せる。
気がつけば「暗渠!」「断層崖!」と叫んでしまう、そこのあなた…!
さてはブラタモリファンですね?
そんな、うっかり「ひとりブラタモリ」になってしまったあなたに、大阪でおすすめの場所があります。「四ツ橋」です。
地下鉄大阪メトロ、四つ橋線、四ツ橋駅
ご近所の御堂筋線心斎橋駅に比べて利用者数が大変少なく、地味な印象ですが、四ツ橋線と言うからにはこの路線を代表する場所なのです。
なぜ、「つ」と「ツ」で表記が違うのかは謎です。
駅はこんな感じ。南は難波、北は本町、心斎橋駅とつながっており、東の御堂筋線との間を長堀鶴見緑地線が東西に繋いでいます。
長堀鶴見緑地線のホームです。かつてここは長堀という川が流れていたのです。天井のデザインが川っぽい。
もう一度、四ツ橋駅を見てみましょう。
壁の音符みたいな記号、実は文字になっているのですが、読めますか?
「よつばし…?」
いいえ、よ〜く見てください。
「よしのやばし」と書いてあります。
では、最初に出てきたこれは?
こちらは「かみつなぎばし」と読みます。
この、大阪人でも聞き馴染みのない橋の名前は何なのか…。
四ツ橋の歴史・江戸時代の珍風景
かつて、この辺りは長堀川と西横掘川が十字に交差する交通の要所でした。そして、世にも珍しい、四つの橋がかかる場所だったのです。四ツ橋と呼ばれていました。
水の都・大阪は108の橋があると言われるほど橋だらけだったそうですが、四つも橋がかかる場所はここだけだったそうです。浮世絵「浪花百景」にも描かれる名所でした。
現在は、完全に埋め立てられ、長堀通りという地名でしか残っていない長堀川。
古い資料を見たところ、北にかかるのが「上繋橋(かみつなぎばし)」東に「炭屋橋(すみやばし)」南に「下繋橋(しもつなぎばし)」、そして西に「吉野屋橋(よしのやばし)」のようです。
「ロ」の字に架かる橋、まさに江戸時代の横断歩道のようですね。橋の幅は約5m。長さは30〜40mくらいと記録があるそうで、なかなか立派な橋だったことがわかります!
近くには遊郭もあり、賑やかだったのではないでしょうか。
東の道路脇に記念碑があるそうなので、近くに行った時は立ち寄ってみたいと思います!
ブラタモリもどきでした〜。