毎年、初詣の場所が変わるのはいかがなものかと思うけれど、特定の氏神様がいない家庭で育ったので、子供の頃の初詣の記憶なんて、一回くらいしかないのです。
そんなわけで、今年も行ったことのない場所に行ってみようと思います。
石清水八幡宮・読み方と場所
京都にはたくさん立派な寺社仏閣がありますが、以前から穴場だな、と狙っていた場所がありました。それが石清水八幡宮です。
「石」と書いて「いわ」と読みます。
いわしみずはちまんぐう
です。
京都の南の端、八幡市・男山の上に鎮座しております。木津川・宇治川・桂川が合流し、淀川となる交通の要。京都(山城)と大阪(摂津)を結ぶ重要な場所です。天下分け目の戦い、羽柴秀吉と明智光秀の天王山の戦い(山崎の戦い)は正にこのあたり。今年の大河「麒麟がくる」を楽しみにしている人は要チェック。
地元の方からは「はちまんさん」と呼ばれています。京都の大きな神社のひとつですが、ここは地元の人が多く、観光客はとても少ないのです。外国人観光客はほとんどいません。そんなわけで、若干混み具合もマシかもしれません。そこそこちゃんと混んでますけどね!
三大八幡宮と言うと、「宇佐」と並び必ず挙がるのが「石清水」です。もうひとつは「筥崎」か「鶴岡」諸説あり。
石清水八幡宮が重要視されるのは総本社の「宇佐」が遠いので、皇室が代わりの役割を「石清水」に託しているからです。伊勢神宮、宇佐神宮、春日大社の三大奉幣なんちゃらの宇佐の地位が、石清水に渡りました。「第二の宗廟、伊勢神宮の次に地位が高い」と言う人もいます。
神仏習合の歴史
特に関西では多かったようですが、ここもかつては神仏習合の宮寺でした。「八幡大菩薩」を祀る「石清水八幡宮護国寺」だったのです。明治時代の神仏分離・廃仏毀釈で護国寺は廃寺となったのです。
松花堂弁当の由来
神仏習合とはざっくり言うと、神前でお経を読むイメージ。神主やお坊さんのような人を社僧と呼んでいたそうです。松花堂昭乗という江戸時代の社僧は書画、茶道にも造詣深い文化人だったようで、石清水八幡宮には松花堂という庵の跡もあります。日本料理の吉兆が、松花堂の名にちなみ名付けたのが松花堂弁当だという説があります。
アクセス
京阪電車、急行で止まります。「石清水八幡宮」駅下車。この駅、以前は「八幡市」という降りてもなんにもなさそうな名前でしたが、駅名が変わってわかりやすくなりました。
改札出て右手に男山ケーブルカーが見えます。恐ろしい行列。30分くらいは並びそうです。所要時間2〜3分なので、元気な人は歩いて登りましょう。景色は良さそうですけどねー。
歩いてお参りコース
駅前の地図看板。改札出て左手に行くと、ロータリー。
駅前はのどかな感じです。
旅館うれしの、スーパーツジトミというローカル感満載の大きな建物。
残念ながらスーパーは令和元年に閉店した様子です。なんとなく人の流れに沿っていくと一ノ鳥居前に出てきます。
一ノ鳥居前グルメ
風月堂
ここには名物グルメがいくつかあるようで、「風月堂」はお正月だけ八幡さんに出張しているホットドッグ屋さんです。
懐かしい味のB級グルメ!ドイツウィンナーのホットドッグが割拠する中、ここのホットドッグは…
魚肉ソーセージです。
ハンバーグも入ったミックスを注文しました。
キャベツはカレー風味。練り辛子も入っているようで、ツーンと鼻に来ます。
一ノ鳥居とのコントラスト!
この先、屋台は色々出ているので、食べ物には困りません。
走井餅老舗
小さなお茶屋も一ノ鳥居前にあります。
名物は走井餅(はしりいもち)
http://www.yawata-hashiriimochi.com/
この場所がお参り後に立ち寄るのに絶妙なのです。中は古い看板がたくさん飾ってあったりと老舗の雰囲気。
もともと、大津名物だった走井餅、明治に八幡さんのふもとに受け継がれ、本家がなくなったことで走井餅が残っているのはここだけなのだそう。
故事にちなみ、刀の形を模しているのだそうです。
メニューとか、見本の写真ばかりなのは、注文した走井餅ほうじ茶セット(450円)が、気がついた時にはこうなっていたからです。
2個目の半分しか残っていない。食い意地よ。
ほうじ茶は大きなポットに入っていて飲み放題。ゆっくりできました。
本殿に向かう
一ノ鳥居を抜けると頓宮殿。山が美しい。
緩やかな坂から始まる参道です。右手には石垣みたいなのが積まれていました。
だんだん山らしくなり、大した距離ではないものの、途中でへばって座り込むご老人もおりました。
三の鳥居を抜けると両脇に灯籠が並ぶ道に出ます。「一つ石」というパワースポットもあります。
灯籠の道を抜けると脇からケーブルカーで来る人、車で来る人が合流します。
結果、急に混む。
御本殿です。
混んでる。
大きな矢は八幡御神矢。厄除けのシンボルです。
ご祈祷とセットでいただく人が多いようです。
15分くらい並びましたがスムーズに参拝できて良かったです。
ご朱印は長蛇の列でした。
鳩だらけ
八幡さんの神使は「鳩」です。
本物の鳩は見当たりませんでしたが、あちこちで鳩を見かけます。
本殿の鳩
奥の方にも白い鳩
鳩みくじ(500円)
おみくじにも鳩
走井餅の店内にも鳩
お土産の最中も鳩。
おかえりの裏参道
行きは緩やかな上り坂だったのに、くだりは急な階段。そんなに時間はかからないのに、一の鳥居前に降りた時には膝がガクガク。
そりゃケーブルカー作りたくなるわね。
そしてこんな所にお茶屋さん。(走井餅老舗の項に戻る)
座れる幸せ。最中をおみやげに買いました。餡を食べる時に挟むサクサクフレッシュタイプです。
おまけ
翌日、翌々日は筋肉痛に苦しみました。日頃運動不足の方は覚悟して登ってください。大した運動量じゃないのにじんわり筋肉に効いてきます。泣