ユーカリはオーストラリアの森林の4分の3を占めている。どうしてこんなに強いのか。独自の進化、生存戦略、山火事はなぜ起こるのか。それを知れば、今、オーストラリアで起きる大火事も地球上の生物活動の一つでしかない、と思うかも知れない。
ユーカリの毒性
「ユーカリには毒があって、コアラぐらいしか食べる動物がいない」とはよく聞く話です。ユーカリと言うと固有種のような感じがしますが、ユーカリは600種くらいあります。コアラが食べるのはその一部で新芽だけです。ユーカリの毒性は青酸なんだそうです。そんなものを消化するなんて、コアラってすごいね。
ユーカリによる山火事
知っている人は知っていると思いますが、ユーカリは種子をまき散らす頃にテルペンという引火性の物質を放っています。何かのきっかけで火がつくと、森は大火事になります。恐ろしいことに森や生物を焼き払ってもユーカリは生きています。焼けた樹皮を落として一人勝ちです。しかも日差しが燦燦と降り注ぐ焼け野原で雨を待つのは、高熱と煙で発芽が促進されたユーカリの種子。これこそユーカリ地上独占状態。
最近の火事ニュース
「火事を止めて!生態系が変わっちゃう!!」「これは異常事態ですよ」と叫んでいる人をたまに見かけるのですが、山火事こそオーストラリアのライフサイクルで、18世紀イギリス入植以来、生態系に強い影響を与えているのは人間ですよ。いや、人間の影響でさえ、生態系の一部と言えなくもないかも知れないけれど、その土地にはその土地の自然の恩恵と脅威があるわけです。いつ大きな地震が起こるともわからない日本列島も自然災害に翻弄されています。それでも乗り越えていくのが人間の生命力なのかな。
オーストラリアの山火事と消化活動は、ユーカリと人間の生存競争に見えちゃう。
頑張れー!(どっちが?)
なる子でした。