ジャクソン・ポロックという20世紀のアメリカにおけるアート史を代表する作家を知っていますか?
映画にもなっていたので、知っている人も多いかも!?
床に広げたキャンバス生地に、絵の具を垂らしたり散らしたりして、それを重ねて重ねて描く技法を編み出した画家です。
ニューヨークMoMAが、どのように描いていたかの再現動画を出しています。
0.38ぐらいからご覧ください。
How to paint like Jackson Pollock – One: Number 31, 1950 – with Corey D'Augustine | IN THE STUDIO
かっこいい!楽しそう!!
解説動画では、これは「アクション・ペインティング」と呼ばれています。アクション、つまり体の動きの痕跡が積み重なっているのです。
パフォーマンスアートも盛んだったニューヨークで、身体性と絵画のつながりという着眼点が当時は新しく見えたのだと思います。
なる子は偶然性と操縦性のハイブリッドな感じが面白いと思っています!
で、多くの人はこう考えるのではないでしょうか。
「私でも描けそう!」
うんうん、描ける!、、、かもしれません。
実際にはダンサーと同じように身体能力の高さと体力とか、アーティストとしての操縦性、センス、なんかも必要ですからそう簡単にはいかないと思いますが、似たようなことはできるかもしれません。体験として、真似してみるのは良さそうですよね!
全身絵の具まみれになるような色遊びのワークショップや絵画クラスを実施しているところも探せばあります。しかし、いざ家庭でやろうと思うと、ちょっととんでもないですよねぇ。
家中養生シート貼らなきゃ!!
そこで!
あんまり汚れなくて、ポロック風なアートを作るのにオススメの技法があるのです。
吹き絵です!ドリッピングと呼ぶこともあります。
絵の具を水で薄めて液状にし、画用紙の上にぽとぽと落とす。
そこをストローで息を吹き付け絵の具を広げていくあの技法です。
保育園・幼稚園でやったことある!!という人いますよね?
わかりにくいストローでごめんなさい。これです。これなら机に新聞紙敷くだけでOK。
白画用紙にオススメするのは透明水彩絵の具です。
絵の具が混ざったところに滲みが出て、「わ!緑色になった!!」など子どもたちにも発見があると思います。
子どもに任せると絵の具の量の調整がわからず、ブチュっと大量の絵の具を出してしまうので、「爪の大きさぐらいの絵の具に、筆5回分のお水」とか具体的に教えてあげるとうまくいきます。未就学児さんぐらいなら、初めから色水を作ってあげておいてもいいですね。
逆に濃いめの色画用紙を使う場合なんかは、不透明水彩絵の具を試してみてもいいかもしれません。花火みたいになって面白そうです。
マット水彩とかポスターカラーなんかがこの類です。
私は今回透明水彩絵の具を使ったので、乾いていないところで絵の具がぶつかると滲んで色がグラデーションになっていくし、一度乾くと透明水彩の重なりが綺麗に出て、面白かったです。絵の具を落として吹かれずに残った雫の跡もいい感じですよね。
しつこくしつこく重ねていくことで、ポロック風に見えなくもない!!
同じ方向から吹き続けるだけではなく、画用紙の向きを時々変えてみたり、持ち上げて傾けてみたり、遊ぶように楽しく描いてみるのも個性が出ていいですね。
絵の具を吹くという身体性と、どちらに飛んでいくかわからない偶然性が重なり合って、誰でも楽しめる抽象画です。
アート鑑賞とセットで実践することで、アートが「わからないもの」から「楽しいもの」に変化していきますよ!アーティストになりきって楽しんでほしいです。
でも、この技法…
吹きすぎ、酸欠注意です。
あと、絵の具吸い込まないようにね!!!