なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

すべて森見登美彦氏のせいである。

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まるで森見氏の小説のよう。

震えながらたどり着いた先にあったのは、アラビアンナイトの胸アツな世界。

 

なんだか不思議なつながりでここに導かれたような気がしてならない。

 

太陽の塔の話を書いたときに、森見登美彦氏の小説を紹介したのが、去年のこと。

 

www.ma-naru.com

 

はてなブログのトップページで偶然開いた森見氏のブログで「熱帯」の刊行イベントがあるのを知り、ダメ元で申し込んだら抽選に当たってしまったのです。

 

まさかの大阪滞在期間と重なっていたので、こんな偶然でラッキーなことはない。

 

会場のみんぱくは、友人が務めているので、連絡してみたけれど、残念ながら、休暇中で遠方にいるとのこと。「抽選倍率絶対高いから超ラッキーだよ、楽しんで!」と言われ、年賀はがきが当たらない私はちょっと嬉しい。

今年も年賀はがきが当たらなかったと母に報告したら、「うそでしょ?世の中にそんな人っている?」と言われてしまいました。

余談でした。

 

本題に戻る!

森見氏の小説は京都が舞台になっていることが多いのは、読んだことがある人なら知っていることだと思います。私にとっても馴染みのある街だから、読みながら風景のイメージがわくので、京都が舞台のものはどの小説も楽しいのです。。京都は大学に通っていたし、留学からの帰国後も、通うように遊びに行っていました。それはまあ、好きな人がいたからだけど。

 

そうそう、その人といろんな身の上話などをしている時に、彼も私も同じ町で生まれたことを知ってびっくりしたものです。そもそもその人との出会いは、京都でも大阪でもなく、東京。

生まれたのは、太陽の塔を見上げるようにある千里の住宅街。

偶然なんだけど、森見氏の小説と自分の人生が重なる部分が多いような気がして、不思議な感覚を覚えるのです。

 

そんな偶然も、森見氏が「熱帯」の中で書いているように、私が勝手に意味あるもののように解釈して、断片と断片をひとつの物語にしようとしていただけかもしれない。

 

「熱帯」で白石さんが下った茗荷谷播磨坂は、まるで違う世界に来たかのような、不思議な錯覚を起こす並木道で、東京の中では私の好きな場所だし、そういう断片が、小説の中で登場すると、「あっ!まただ!」と心がどきんっとしてしまう。

 

「熱帯」は不思議な物語の構造をしていて、語り手が滑らかに変わっていくのだけど、引き込まれていくので違和感もない。

 

森見氏と西尾氏の対談を聴いていると、時々頭の中が別世界につながってどこかに行ってしまいそうで、引き戻すのに必死。

 

そんなわけで、「熱帯」の魅力を伝えるのは難しいけれど、ただのエンターテイメントではないぞ、と思わせる奇作であるので、現実と物語を行ったり来たりしてみたい方には是非オススメしたいと思うのです。

 

せっかく「太陽の塔」のある場所でのトークだったので、本にサインをもらうときに、主人公の愛チャリの名前を書いてもらいました。

 

最高です。やほー!

 

 

そんな最高の気分も、ブログの更新が一日止まってしまったことも、なんだか恥ずかしい若い頃の話を書いてしまったことも、いつもと違う文体になったことも、物語と現実を行き来しておかしくなってしまったことも、全部森見登美彦氏のせいである、と言っておこうと思います。

 

「熱帯」で、「なーる。」と言うセリフが何度も出てきます。なるほどのなーるなんだそうですが、なる子は呼ばれたような気がしましたよ。