なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

【書籍紹介】感染症との歴史は終わらない。人類はウィルスと共に進化している。

新型肺炎、コロナウィルスが流行し始めて、これは100年に1度レベルのクライシス(危機)だと気付いた人たちが、同じコロナウィルスのSARSやMARSだけでなく、スペイン風邪(インフルエンザ)、いやペストだと過去の歴史的疫病のことを取り上げ始めました。

 

日本では流行しなかったけれど、台湾旅行に行ってたせいでSARSの記憶はあって、台北から高雄の方へ向かう夜行バスで露店で売られているファンシーなマスクをした記憶があります。当時の台北はバイク天国で、通勤手段はほとんどの人が原付。排気ガスを避けるためのマスクは動物の顔になっているものとか、かわいい柄とか、小学校の給食当番以来マスクをしたことがなかった当時の私にはカラフルマスクは完全に異文化でとっても印象に残っています。多分いまでも売られているはず。

 

コレラマラリアもエボラも、観光で行くことも少なそうなエリアの感染症というイメージがあって、インフルエンザとノロウィルス以外にパッと思いつく感染症がない。しかもどちらもなったことがない。水疱瘡ぐらいかな?

 

感染症は、細菌とかウイルスとか目に見えない物が関係しているのが怖いところ。正体がわからない時代はどんなに恐ろしかっただろうと思う。

 

尾形光琳先生がジェンナー種痘でワクチンを打ったのも人類の歴史から見るとそこそこ最近の話。それまで人類はどんな風に感染症との歴史を歩んだのだろうか。

 

興味が出てきたので、良さそうな本を探しました。まだわからないことも多いCOVID-19のことを調べるよりも、すでにある程度カタがついている感染症のことを知る方が冷静になれそうな気がしたのです。

 

1冊目は「細菌と人類 終わりなき攻防の歴史」

 

 

 

 

 ペスト、コレラ赤痢結核など人類を苦しめた感染症について、残っている資料などからフラットな視点で解説されています。「ロミオとジュリエットが行き違いで自殺してしまったのも、ペストが流行していたせいで伝達が間に合わなかったから」などの小話も入っていて、内容充実!まずは、基本の基本を知っておくのにとてもオススメの本。ただし、今はちょっとだけ入手困難気味。私はメルカリでゲットしました。

 

ナポレオン軍はエジプト遠征で赤痢とペスト、ロシア撤退の大きな原因となった発疹チフスと踏んだり蹴ったり。50万の兵士が3万になって帰ってきた。

 

多くの戦争を感染症が終わらせてきた。実際今も戦争どころではなくなってしまった国はあるよね。

 

ペストは青年男子が婦人より2倍感染しやすく、死亡率は5倍という調査結果が出ているらしい。そこには鉄分が関係している。ペスト菌が成長するために鉄分が必要な為だという。女性は鉄分不足になりがちでかかりにくいというカラクリらしい。

 

この鉄のことを覚えた上で、この本を読むと面白い。

 

 

「迷惑な進化」は著者の祖父が「献血すると気分が良くなり元気が出る」と生前よく言っていたことから始まります。それは精神的なものではなく肉体的なものであったということが後に判明します。ヘモクロマトーシスという鉄分が体内に蓄積してしまう病気だったのです。臓器を痛めるだけでなくアルツハイマー病とも関連がある。これは西ヨーロッパに祖先を持つ人に多く見られる遺伝子疾患で、今は血液検査で調べられるので、判明したら定期的に血を抜いて食生活をコントロールすることで生きていけるそうです。

 

この鉄分を溜め込むという遺伝子の変異が西ヨーロッパに多いのはメリットがあるからだと考えられます。

最初にこの変異遺伝子を保有したのはスカンジナビアのバイキングたちで、過酷な環境を生き抜くために、鉄分不足を補うべくヘモクロマトーシスの遺伝子を持ったのではないかと言われているそうです。このことにより、バイキングの遺伝子を受け継いだ西ヨーロッパでは、、、

 

①女性の月経、妊娠による鉄分不足貧血を防ぎ子孫を残せた。

ペストに対抗できたことにより子孫を残せた。

 

①はともかく、②はなぜか。矛盾。

鉄分はペスト菌の大好物ではなかったか!?

 

実はヘモクロマトーシスは体内にバランスよく鉄分を溜めているのではなく、本来あるべきところにないこともあるそうなのです。それが「白血球マクロファージ」。

 

普通は、パトロール隊の役割をするマクロファージがペスト菌を取り囲むと、ペスト菌はマクロファージに含まれる鉄分をエサにして、より元気になり、リンパ節にたどり着くころにはマクロファージを完全に乗っ取ってしまうこともある。

しかし、ヘモクロマトーシス遺伝子保有者は、白血球マクロファージに鉄分がないので、囲まれたペスト菌は餓死するというのです。

 

今では無茶な治療と考えられている瀉血という中世の治療法も、病気によっては実は理にかなったものだったのかも。ペストで血を抜くのも、体内の鉄分量が減れば、ペスト菌が増殖できなくなり、回復できた人も実際にいたかもしれない。

 

f:id:ma_naru:20200416143955p:plain

床屋のポールの由来は瀉血と言われています。元々は赤白2色。

 

感染しても無症状の人のゲノムとは!?っていうかゲノム??

きっと今後、コロナウィルスについても研究が進み少しずつ判明していく事項が増えていくことでしょう。まだわかっていないことではあるけれど、感染しても無症状の人の遺伝子に共通点があるのかどうか、など気になることがいっぱい。

 

細菌やウイルスのことを調べていたら、遺伝子の話になってしまって、私の脳みそでは限界がきてます。

なんか、どこかの研究機関ではコロナウィルスをスライスすることに成功してゲノムの分析を進めているそうですね。

 

ウィルスをスライスってどういうことですか?

 

とりあえず、今日も引きこもって本読みます。今じゃなきゃ興味を持ってこんな分厚くて難しい本読めないです。読書オススメですが、私の近所では図書館が完全閉館になりました。予約貸し出しもなし。残念。。。

お題「#おうち時間