里山で稲刈り体験
弥生時代の始め、文化の往来が多かったエリア、現在でいう神奈川県某所、関東ではこの辺りが稲作にシフトしていったパイオニアなのだそう。
ここで発掘調査をしていた方がおっしゃっていたことには、貯蔵庫跡の穴の中に残った食物ゴミを調査すると、2000年以上前の日本人が稗や粟、ベリー系の果実の木を育て、川辺では稲作をする姿が浮かんでくるそうです。
この地域の古代人は、関東地方ではいち早く新しい文化を取り入れ、新しい時代に突入していった。
縄文時代から人が住んでいたという里山には、脈々と受け継がれてきた農耕文化のDNAを感じるのです。
そんな里山に稲刈り体験に行ってきました。
鎌で刈って、藁でまとめる。
竿にかけて干す。
なかなかいい運動になります。
藁で縛ってまとめる技術は、何かの役に立ちそうです。
今回お邪魔した農家さんは、無農薬でお米を育てています。
お米だけでなく、いろんな作物を無農薬で育てているのだそうです。
無農薬だからこそ、草が周りにたくさん生えていて、カエルが跳ねたり、トカゲが出たり、蜘蛛やてんとう虫、カタツムリ、コオロギ、バッタ、イナゴ、生きている田んぼというのはこういうことなんだなぁ、と幸せな気持ちになります。
稲を干す工程を残している農家は少ないと言います。最近は刈り取りと脱穀を一度にしてくれるコンバインを導入しているところが多いからです。
ここはコンバインを入れるには少し小さい田んぼ。
今回は少し鎌での刈り取りを体験させてもらいましたが、小さな刈り取り機が活躍していました。
今年は暑い日が続き、草が成長してしまい、田んぼも草だらけになってしまったそうで、草が刈り取り機に絡まり、苦戦されていました。
刈り取り機は自動的に縄で縛って束にしてくれる便利機能が付いているのですが、草が絡まってうまくまとまらず、バラバラと稲が散らばってしまいました。
そんな時、藁でまとめるスキルが役に立ちました。
機械の手が届かなかったところを、人の手で丁寧にやり直す。
お米の一粒一粒には神様が宿っている。
余談 保育園の栄養士
この稲刈りに保育園の栄養士さんをされている方がいらっしゃったので、少しおしゃべりしました。
「保育園に子どもを預けているご家庭はとっても忙しいので、家庭の食事に手をかけられないことは理解できる。でも、頑張って食事に気を使って欲しい」とおしゃっていました。
「食べるもの」で子どもたちの様子は変化する。
ちゃんと調理した美味しいものを食べている子と添加物だらけのものを食べている子では明らかに違うのだそうです。
稲刈りに一緒に参加したシャイな小学生がお昼ご飯の時、農家のお母さんが手作りしてくれたご飯や素材の味そのままの栗を食べて、思わず出た「あ〜、おいしい〜。」という言葉が心に残っています。