なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

西洋のイースター、日本の春のお話

どれだけ調べてもイースターの習慣はピンとこないのですが、お祭りや行事には古来からの人々の知恵や思いが込められていることが多いと思います。

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どうして復活祭(イースター)は春なのか

クリスマスがなぜ12月25日なのか。一説によると、日照時間がどんどん短くなる冬の時期に、楽しいクリスマスの準備をして気を紛らわしているのだとか。クリスマスがなければメンタルがやられそうなくらい、ヨーロッパの冬は厳しいのですね。

 

ついにクリスマス(新年)がやってくる。ちょうどこの頃冬至が過ぎ、少しずつ日照時間が長くなってくるので、人々にとってはまさに「夜明け」。苦しみから抜け出す一筋の光はまさにイエスのお導き。そんなイメージでしょうか。

 

イースターはイエスの復活を記念しお祝いする日ですが、これはキリスト教が広まってから後付けされたものだと思われます。クリスマスもイエスの本当の誕生日ではありませんし、新年のお祝いにキリスト教が乗っかったと考えるのが自然です。

 

イースターは、春分の日の後の最初の満月の日の次の日曜日」です。春分の日「昼と夜の長さが等しくなる日」です。この日を境に昼の長さが夜より長くなっていくのです。Easterの語源はゲルマンの「春の女神(Ēastre)」だと言われています。つまり、ヨーロッパの土着の文化の中に春をお祝いする慣習があったと考えられます。春は命が復活する季節。そのお祭りにイエスの復活を引っ掛けたのですね。

 

春分の日とお彼岸

昼と夜の長さが等しくなる日は、年に2回。春分の日秋分の日です。どちらも農耕民族にとっては季節の変わり目を知る大事な日です。種まき、収穫の目安となるからです。

長く「先祖供養の日」として「お彼岸」と呼ばれ、各地にも風習が残っています。真東から太陽が昇り、真西に沈む日は先祖がいる「お彼岸」に一番近い日なのだそうです。お彼岸にお供えするのは、春は「ぼたもち(牡丹)」秋は「おはぎ(萩)」。同じものなのに名前が変わる!季節を感じさせるおしゃれなネーミングですねぇ。

 

日本のイースター、お花見

暦を読むことって特別な知識が必要だったりすると思います。そういう仕事を担ったのが神職だったりするのかな〜、と思います。しかし、有識者が身近にいない場合だってあります。昔の日本、庶民にも春を知る一つの目安がありました。「桜」です。桜の語源は「さ(神様)」「くら(坐)」と言われています。春の神様(田んぼの神様)が山から降りてきて座り、しばらくとどまってくれる場所、それが「さくら」。桜の花が咲けば、種まきの時期を知り、桜の木にお供えをしたり、桜の花でその年の収穫を占ったりしていたようです。

宴会の起源は貴族文化と言われていますが、春の訪れをお祝いする気持ちは古来からあるもので、今でも日本文化の要です。日本でイースターに相当するイベント、それがお花見でしょう。

 

う〜ん、春を祝う気持ちは西洋も日本も一緒だけれど、イースターが日本でなかなか浸透しないのも頷けるなぁ。

 

だって、桜があるんだもん!

 

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