なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

チューリヒ美術館 Kunsthaus Zürich

 

ロダン地獄の門

玄関ではロダンの『地獄の門』がお出迎え。

スイス出身アーティストの作品が超充実。

ジャコメッティはその一生がわかるくらい見ることができます。

 

また、特別企画展のレベルも高い。

近年新館が建って、とんでもない規模になっています。

www.kunsthaus.ch

 

注意するべきは、ほとんどの美術館で使えるミュージアム・パスがここでは使えないってことです。スイス・トラベルパスもミュージアムパスが付いているものは同じだと思うので使えないはず。窓口で一応確認するといいと思います。

 

私の場合、知らずに行ってミュージアム・パス見せたら「ごめんね。使えないよ」と。

しゃーないか〜、と値段見てびっくり。

常設展が23スイスフラン、企画展を含む全ての展示の場合、29スイスフラン

3000円超えですやん!企画展も入れたら約4000円。円安勘弁して。

まさか玄関の地獄の門ってそういうこと!?

 

オーディオガイドも含むお値段らしいので借りるといいかも。

時間がたっぷりあるなら全館見れるチケットが完全にお得です。

 

水曜入場無料らしいです。ぜひ!

 

本館

コレクションの数、質と共に最高レベルです。度肝を抜かれました。

 

こちらは五郎さんが、「レンブラントは落ちぶれてからがいい説」を紹介していた闇落ちレンブラントです。

youtube解説動画見始めてから、かなり西洋美術楽しいです。

 

こちらはムンクの部屋。

ここにあるムンクの中では有名な絵とは言えないかもしれませんけど、すごいオーラがありました。

こんなサラッと描いているようで、どういうことなんだ…。すごい。

 

 

セザンヌ

腕長ーい。

変!変なのに「あ、セザンヌ!」と振り返っちゃう。

 

 

やばい。「俺たちのドガ」やん。

当時の観客はあまりのドガの変態性にドン引きだったというドガの彫刻です。

バレリーナの少女の体を作って、チュチュを着せてあげているんですよね。

オリジナルはもっとやばいって話です。

 

晩年のアトリエで作っていた彫刻シリーズは、親族も「こんなの見せられるかー!!」と思うぐらいやばかったそうです。五郎さんのyoutube動画でも人気のドガ回ですが、日本人の変態性と何か通じるものがあるんでしょうね…。

 

ピカソ

キュビズムスタイルで描いた静物画。ピカソにしては珍しく花描いているな〜、それにしても花、キュビズムにすると可愛くないな〜。と気になっていた作品です。ここにあったのね。

 

 

ゴッホ

ゴッホは必ず写真スポットになっていますよね。

 

ルソー

味わい深い。。。

 

 

20世期エリアは建物の雰囲気もグッと変わり、ティンゲリージャコメッティなどのスイス出身アーティストを中心にウォーホールや、ホックニー、ハミルトンなどが並んでいました。

 

二つの建物を結ぶ地下通路

地下を結ぶ通路にもアート作品が展示されています。

 

階段入口にはローレンス・ウィナーの「OVER &ABOVE」

本館側の階段

新館側の階段

そして通路の天井にはオラファー・エリアソン


これは大理石でできています。過去にオラファーが北極からでかい氷の塊を運んできて、都市のど真ん中に設置し、溶けて行く様子を作品にしたことがありました。その時に溶け切る前の氷を3Dスキャンし、彫刻にしたとのことです。

 

「なくなってしまうアートか…」と、実際には見てないけど寂しい気持ちになったものですが、こうやって現金化されるわけですね。オラファー、、、環境活動家ビジネスマンに見えてきた…。

 

新館

新館にも常設展はあるのですが!携帯のバッテリーピンチであまり撮れませんでした。

 

そして全部は回りきれませんでした。

 

時間切れで追い出されました。

 

企画展

新館ではYOKO ONOオノ・ヨーコ展が開催中でした。

作品自体は、服を切ってもらうパフォーマンスビデオなど、過去のもの中心でしたが、一階の吹き抜けの壁にこのメッセージアートです。

この一言アートも何回も見たことがあるかと思いますが、「love, yoko 2022」と西暦が入ってくることで受け取り方が変わりますね。

 

ウクライナ侵攻に対する反応が早いなと感じます。オノ・ヨーコだけでなく、美術館側も含めてそう思います。

 

それがよくわかるのがもう一つの企画展でした。

こちらは本館で開催されていた、「アートと医学」をテーマにした展示です。

中世の感染症を描いた版画作品から現代アートに至るまで、多岐に渡る作品を展示していました。パンデミックの中で作られたという作品もありました。

 

いやあ、とても良い美術館で大変満足しました。

世界の有名な美術館・博物館を見ていると「略奪ですか?そうですよね?」みたいな名品・名画がいっぱいあったりするのですが、そういう嫌な感じがないのも好感が持てました。

 

混んでない、というのも良かったです。

先日パリのルーブル美術館に行った人が写真を見せてくれましたが、モナ・リザの前、写真を撮りたい人でごった返して大変なことになっていました。まあ、モナ・リザ人気は特別ですけど。笑

 

スイス国立博物館(チューリッヒ)

チューリッヒは美術館・博物館の宝庫

見に行きたい場所がいっぱい!美術館・博物館だけでも多いのにギャラリースペースやアートスペースも合わせるときっととんでもない数になりますね。メジャーな観光地を中心に少しずつ紹介したいと思います。

 

まずは国立博物館

 

スイス国立博物館 Landesmuseum

www.landesmuseum.ch

駅降りてすぐ、裏側と言っていいのだと思いますが、景色的には表なんじゃと思うぐらい、立派な建物です。もはや城です。塔の両脇の蔓性の植物は藤だと思います。

4月に来ていたらとんでもない藤の花の柱が見れたはず。5月はバラですね。バラ園行きたいです。

 

国立博物館の中庭。とにかく建物が立派で唖然とします。

 

軒下の装飾は、エーデルワイスや、山羊、熊、大きい角を持つアイベックスなど、スイスゆかりの動植物が描かれています。

 

 

塔の下に置かれたアンティークな馬車

新館はコンクリの打ちっぱなし。意外に色味は馴染んでますね。

モダンな新館

新館の中の階段

チケット売り場で地下のロッカーに荷物を入れるよう言われました。かなりの数のロッカーが並んでいて、多分観光客や課外授業などでかなりの人数来ることを想定しているのだと思います。

ロッカーは、日本と同じようにコインを入れて鍵を閉めるタイプでしたが、専用コインを貸してくれました。かわいい。こんな記念に持って帰りたくなるようなデザインで大丈夫か?スイスだから大丈夫なのかな?信頼で成り立っている国です。

ロッカーのコイン

展示物はスイスの成り立ちから現代の企画展まで盛り沢山。

小学生ぐらいの課外授業や中学生ぐらいの子たちもいました。

 

綺麗な監視員のお姉さん?

 

きゃあ!リアルなお人形!


横に槍が立てかけてありますね。現代版Helvetia(ヘルベチア)というわけです。

Helvetiaはラテン語でいうスイス地方のこと。国の象徴としてこの女神が描かれることがあるらしい。コインの絵柄にもなっています。

Helvetiaと言えばですが、Helveticaというフォントがあるのを知っている方もいると思います。このフォントはスイス生まれなのだそうです。

 

このエリアでは、デジタルアニメーションなどで、EUのことや、女性参政権導入がスイスはとても遅かったことなどが子どもでもわかりやすく理解できるよう工夫されていました。

 

スイスの歴史だけでなく、「森」をテーマにした企画展、現代のプレス写真アワード、など盛り沢山の博物館です。

「森」をテーマにした「Im Wald」展

 

部屋ごと丸々展示。それは壁なの?箪笥なの?

寄せ木づくりと彫りでとんでもないことになってます。

 

これがスイスの典型的なベッドルームだと!?可愛すぎる。一泊したい。

 

エーデルワイス自体は見たことないけど、エーデルワイスの図案はあちこちにあります。特に観光を意識したプロダクトにはマストデザイン。

 

 

時計や香水瓶になっている指輪!

 

ハイジはスイス人にもよく知られたアニメ。あまりにもスイスで、スイス人が作ったアニメだと思っている人が多い。

 

スイスプレスアワード2022の展示では報道写真系の写真と解説文があり、スイスの色んな側面が見れて大変勉強になりました。

 

採石場拡大に全裸で抗議する自然保護団体

プーチンとバイデンの間に立つスイス首相

・女性の投票

同性結婚

などなど、興味深い内容のものがたくさん。

 

その中で特に驚いたのが、アッペンチェルの子どもがお祭りの日には喫煙が認められているというものです。博物館で展示されていた写真は2021年撮影とのことでした。報道写真エリアは著作権がありそうなので写真はありませんが、お祭りと喫煙について、詳しいことがこちらの記事にもあったので、是非読んでみてください。

https://www.swissinfo.ch/jpn/カルチャーショック_スイスの祭り-牛追い-で6歳児が喫煙/41721336

 

アッペンチェルは特に女性参政権が遅れた超保守的な村。

 

記事では「子どもたち」としか書いていないのでエビデンスはないのですが、喫煙しているのは男の子だけのようです。

 

スイス国立博物館感想

スイスのことを知りたかったらまずここ!と言っていい素晴らしい博物館でした。

しかし、博物館のフロアマップが異常にわかりにくい。そのせいか、見落としエリアがあったっぽいです。後で気付きました。むむ。事前におすすめの順路を聞いておくといいと思います。迷っても監視スタッフの人たちも聞けば大丈夫。私が行った日はめちゃくちゃ暇そうなエリアが多くて、こっそり本を持ち込んでいる人もいるくらい、スタッフさんも辛そうでした。「この上もまだ展示ある?」とか聞くとすごく嬉しそうに説明してくれました。

 

ミュージアムショップがとても充実していて、スイスらしいデザインのものもたくさんありました。日本でも人気のFREITAGのカバンやお財布なども大きいものも置いていてすごくかっこよかったです。4万円くらいしていてびっくりしましたが、日本で買うよりはずっと安いのでしょうか?

チューリッヒの駅から近いので、ちょっとお洒落なお土産探すのにもいいですね!

Pavillon Le Corbusier ル・コルビュジエ・パビリオン(チューリッヒ)

チューリッヒは見どころいっぱいですが、建築やデザインが大好きな人なら行ってみたい場所の一つが、コルビュジェ建築ではないでしょうか。

 

私は建築は全然勉強していないので詳しくはわかりませんけど、建築にピロティ作った人です。あと黒くて四角いソファー椅子が有名ですよね。プロダクトデザインもするし絵も描くのです。

身近なコルビュジエ建築と言えば、国立西洋美術館の建物です。コルビュジエ世界遺産の一つに選ばれたことで話題になりました。

 

いつかロンシャンの礼拝堂には行ってみたいと思っているので、事前勉強になるかなと思いチューリッヒのルコルビュジエパビリオンに行くことにしました。知らなかったけどコルビュジエはスイス生まれなんだそうです。

 

行き方

駅から4番トラムで行くと10分ぐらいでHöschgasse下車です。

私は良い天気だったこともあり、ぶらぶら歩いて行くことにしました。結構歩くのでお勧めはしませんけど、一応チューリッヒの観光マップには徒歩想定と思われるオススメルートに入っていました。

オペラハウスあたりからチューリッヒ湖沿いの遊歩道が続いていて、多くの人が湖で泳いだり、日光浴を楽しんでいたりしました。

ヨーロッパではおばあちゃんでも水着で夏を楽しむ風景が見られます。

 

スイスの中では大都市のチューリッヒと言えど、湖がこの透明度。

1日の仕事が終わったら湖でひと泳ぎできるのです。すごい街ですね。

しかし、チューリッヒは世界でも屈指の家賃が高い街ですから、高収入の仕事がないとなかなか住めないと言われています。

 

ル・コルビュジエ・パビリオン

到着しました!カラフルな外観なので目立ちますね〜!

モンドリアンとは何らかの関係があるのか?それとも時代の流行なのか…と考えてしまいましたが、ネット検索では何の答えもありませんでした。ま、見る人が見れば別物でしょうけど。

 

ここはミュージアム・パスが使えます。もしくは12CHF。

季節によっては閉館していたりしますし、開いていても12時からと遅い開館なので、ちょっと中心街から離れていることもあり事前の計画が必要ですね。

 

中はモダンな住宅のようなコンパクトな建物。

キッチンはオール電化かな?

 

コルビュジエと言えば、この黒くて四角いソファー椅子が有名ですよね!

 

吹き抜けで明るい!壁の写真は屋上の様子です。

 

階段もほどよく光を取り込んでいてかっこいい。

この階段か、スロープで屋上に行くことができます。(悪天候の時は行けません)

屋上への入り口(スロープ)

この丸い扉のせいで、ユニバーサルデザインとは言い難いですけど、階段使ったりスロープ使ったりと気分を変えられるのは遊具みたいで面白いな、と思います。

 

屋上の様子

 

地下のスペースは主に写真や映像の展示スペースでしたが、ここは元は書斎スペースでしょうか。天窓から光が差していて、心地良いし、集中できそうです。

 

1階の庭につながる大きな扉には絵が描かれていて、忍者屋敷の壁のように可動するようです。

 

1階にセルフワークショップコーナーみたいなのがあって、スタンプでアートを作って楽しんだり、(これは入り口で販売もしてます)

 

ペーパークラフトや塗り絵も楽しめるようになっていました。

 

周りに塀とかはなく、湖までずっと芝生が広がっています。こうやって見ると芝生に面した窓は一面ガラスですね!

 

そんなに広くないけれど、長居してしまう、不思議な建築でした!

モダンデザイン好きの方にオススメです。

Museum Tinguely ティンゲリー美術館・バーゼル

スイスを代表する芸術家と言えば、誰でしょう。え?思いつかない?

私もです。

 

だんだんわかってきましたが、スイス人アーティストの代表格はジャコメッティですね。細長い人間の彫刻で有名。スイスの美術館の常設展ではどこかにジャコメッティがいるし、日本でも多くの美術館で見かけますが、チューリッヒ美術館には細長くなるに至るまでの多くの多くのコレクションがあるので見応えがありますよ!写真撮ってなかったなぁ。(あんまり撮るとバッテリーがなくなるので遠慮がち)

 

あれ?でもジャコメッティってパリで活動してなかった?

 

そしてベルン近郊生まれのパウル・クレー

ベルンにパウル・クレー・センターってのがあるので、次回ベルンに行ったら必ず立ち寄ろうと思います。

 

おや?クレーってミュンヘンとかにいなかったっけ?(ナチスの弾圧下に、スイスに帰省)

 

数々の素晴らしい美術館があり、アート・バーゼルという大規模アートフェアもあるスイスですが、どちらかというとコレクターとしての才が高いと言えるかもしれません。

あまり多くの有名芸術家の名を聞かないですよね。

 

さて、もう一人、スイスを代表するアーティストがいルのです。

ジャン・ティンゲリーです。

キネティック・アート。つまり動く彫刻の代表的なアーティストでもあります。

少し時代が近いので、ジャコメッティやクレーほどは日本では知られていないかと思いますが、バーゼルの美術学校出身ということもあって、バーゼルが生んだ芸術家としてスイスでは親しまれているようです。バーゼルにはティンゲリー美術館という巨大な美術館がライン川沿いにあります。

もちろんチューリッヒ美術館にもティンゲリー作品は収蔵されていますが、ティンゲリー美術館は子どもと行っても楽しい美術館。

 

そりゃそうです。

 

何と言っても作品が動くのですから!!

 

 
 
 
 
 
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動く作品には、足元にフットスイッチがありまして、踏むと一定時間動いてくれます。

ガッシャンガッシャンと金属的な機械音を響かせて、アート作品が動きます。

屈強でパワーと重さを感じる作品。でもどこかユーモアも潜んでいるような。それがティンゲリー作品の魅力なのでしょう。

 

一回動くと一定の時間お休みになります。

作品を大事にしつつ、観客を楽しませる仕組みですね!

 

広くて不思議な造りの建築はマリオ・ボッタ作。ワタリウム美術館の建築もこの人です。

なるほどー。何となく共通点感じるかも!

 

さて、これだけ多くのコレクション、どこから来ているかと言うと、一部はティンゲリーのフランス人妻、ニキ・ド・サンファルからの寄付です。

サンファルはかなりフェミニズムな思考から作品を制作するタイプなのだと思うのですが、男性的な作品イメージの強いティンゲリーと夫婦になるのは面白いですね。

共同作品もいくつかあるようですよ。

 

↓こちらはティンゲリー美術館の庭にあるサンファル作品。

日本ではその生き様が人気のようで、もちろん作品もどこかで見たことあるよね。

 

さて、この美術館のコレクションには、本命の大きな出所がありまして。

それがRocheです。Schaulagerの回でもチラッと名前を出しました。

世界的大手製薬会社Rocheです。

そう、このティンゲリー美術館の黒幕は、バーゼルのドー(dough)の一つ、Rocheなのです。

ご覧ください。ティンゲリー美術館のすぐ近くにそびえ立つ、スイスで一番高いビル、ロッシュタワー!!!!!!

まじでバーゼルのどこからでも見えるんじゃないかって言うツインタワー。

見る角度によって表情を変えるやばいビルディングです。

タワー1が178m、タワー2は205m 53階建。ロッシュの研究員らが働くのでしょうか。

 

こちらの建築、Schaulagerを手掛けた建築事務所ヘルツォーク・ド・ムーロン設計。

タワー2は出来立てホヤホヤです。プラン画像見たところ、タワー3も建てるらしいです。

この辺一帯がRoche帝国になるわけですね。なんかわからないけど想像を超える巨大な組織って怖いですね。

 

 

さて、ティンゲリー美術館はティンゲリー作品だけでなく、企画展もいろいろ開催しています。現代アートを楽しめると言う点でもティンゲリー美術館は訪れる価値がありますね。

 

セルフのコーヒーマシーンが置いてある休憩室はデスクにコンセントも設置してあって、自習室にもなりそう。過去の企画展のリストが壁に書いてあったりして、知ってるアーティストの名前を探したりしました。

 

家族連れが多い美術館と言うこともあってか、ミュージアムショップはおしゃれで楽しいおもちゃや、絵本などが充実していました!

 

是非、バーゼルに滞在の時は訪れてみてください!

 

 

 

『Schaulager』 (見る)現代アートの倉庫・バーゼル

Schaulager guided tour

バーゼルは先週アーキテクチャー・ウィークでした。
シャウラガーのガイドツアーに参加しました。英語・ドイツ語対応。
 
行き方:バーゼルSBB駅からトラム11番で15分くらい。Schaulager下車
旧市街とは反対方面です。旧市街とは対照的なちょっとインダストリアルな雰囲気が漂うエリア。
シャウラガーは停留所降りるとすぐ目の前なので迷いません。

裏側



直訳すると、シャウ(見る)ラガー(倉庫)という意味
ローレンツ財団の委託で建てられました。3世代に渡って収集したエマニュエル・ホフマン財団のコレクション基礎に、展示の状態で保管する倉庫。ほぼまるまる倉庫でありながら、さながら美術館。月に一回ガイドツアーがありますが、普段は関係者や研究目的などの予約以外入ることはできません。
イベントや展覧会がある際には美術館のように公開されることもあります。マシュー・バーニーの作品を今準備中だとか。
 
中は撮影禁止でしたが、カタログをもらいました。ツアーも無料なのに。

 

HPはこちら。中の様子が気になる方はぜひ覗いてみてください。

https://schaulager.org

 

入口は小さな扉なのに、入った途端に巨大なスペースに圧倒されます。

地下からの吹き抜けは28m。

均等に並んだLED灯。2フロアはイベント用展示室、3フロアは倉庫。

2点の常設インスタレーション 作品。

 

 一部、倉庫スペースを見せてもらいました。

倉庫と言っても絵画は壁に、インスタレーションはその展示状態で保管されています。

ひんやりしていて空調がしっかりコントロールされています。

 
私がみた部屋は奥にペイトン、真ん中にフィシュリ&ヴァイス。箱から出した状態、インスタレーションになった状態で保管することはメリットが多いらしい。
全ての部屋は個別に照明の管理もできるし、取っ手のない引き戸にする事で搬入出時の事故を防止しているそうです。
映像作品も専用の部屋があって、スイッチ一つで起動するようになっていました。
3色の光源があるプロジェクターさえ、今や貴重な機材なのではないか。東京都現代美術館ダムタイプの作品がブラウン管テレビで再生されていたのを思い出しました。
 
研究機関としての役割を重視しており、ライブラリーには作家の関連書籍が揃っているそう。
 
外部からの光は極力遮断した美術品倉庫のための芸術的建築はHerzog & de Meuronがデザイン。同じ建築事務所が設計した高級集合住宅が近くにあります。

バーゼルの街を理解するには複数の財団の存在を知ると納得がいきます。NovartisやRoche、世界的製薬会社がバーゼルに集まっています。これらを経営するスーパーリッチな少数のファミリーがバーゼルの文化芸術を支えているのです。バーゼルのドー(dough)と呼ばれているそうです。パンなどの生地を指す言葉ですが、「金(カネ)」という意味もあるようです。
 
シャウラガーのあるエリアはもともと荷下ろし場だった所で、「〜lager」という駅が他にもあります。今ぐんぐん開発が進んでいる注目エリアです。バーゼルの文化芸術を支える財団の一つ、クリストフ・メリアン財団の案件、Kunsthaus Basellandもすぐ近くに移転予定でまさに工事中。
Shaulagerも周辺の開発を見込んで、入口にある柵は地面に埋め込むのではなく、敷石に差し込んで設置されているとのこと。柵は撤去しやすく設計されているのですね。
 
 

バーゼルはなぜ現代アートの街なのか

美術館のような倉庫、シャウラがー見学は何ともカルチャーショックの大きい体験でした。
 
 バーゼルがどうしてこんなに現代アートの街になったのか。
ツアーに参加していたアートファンのおじさんが、バーゼルピカソの関係について教えてくれました。
 
金の無駄だと激しい猛反発を受けつつも住民投票ピカソの絵を購入することを決めた20世紀半ばのバーゼル。1枚買う予定が、バーゼルの騒動の話に喜んだピカソが「バーゼルの若者たちのために」と2点追加して寄贈したという。
 
詳しいエピソードがこちらのサイトにあったので是非読んでください。

www.swissinfo.ch

バーゼルの人々が芸術をどれだけ大切に思っているか、知ることができる話だな、と思いました。市民の決定がこの奇跡を生んだ、スイスらしさも感じます。

 

現代アートの街、バーゼル

6月には大規模アート・フェア、アート・バーゼルも開催されます。これから本格的なアートの季節が始まりますよ!

ライン川の宝石、シュタイン・アム・ライン

Stein am Rhein

ついに鉄道乗り放題パスの有効期限の最終日がやってきました。

ライン川の宝石という名のシュタイン・アム・ラインを最後の地に決めました。

本当はシャフハウゼンから船で行きたかった場所です。ギリギリまで様子を見ていましたが、結局下がった水位が十分戻ることはなく、船は欠航したまま。

 

やっぱり行ってみたい気持ちに駆られて決めました。何回も同じルートを鉄道で通るのは効率が悪いような気がしますが、結論から言うと、大正解。小さな街ながら、満足度高いオススメの場所です。

 

船は使えませんでしたが、電車の駅もあるのでアクセスは容易です。駅降りた瞬間は殺風景ですが、川を渡ったところに本命の旧市街があるので、楽しみに歩き橋を目指しましょう!

 

 

ライン川を渡る

駅から橋を目指します。

少し遠回りしないと道がないので、これも駅を降りてから街の雰囲気が見えるまでの演出に一役買っているような気がします。

見えてきました!

橋渡る前から、もう、かなり良い!

橋の上からライン川

向こう岸。絶対良いやん!

 

 

市庁舎横。

メインの広場に入る一歩手前なんだけど、もうここでうっとりして動けなくなってるご夫婦いる。

 

 

そして市庁舎前到着!

はい、最高!

 

素敵出窓…!きゅんっ

 

壁画のある街並み…きゅんきゅんっ!

”きゅん”が止まらない。

 

ここを鉄道パス最後の街に選んだ私、天才か。

アッペンツェルは素朴な感じの壁画装飾が多かったですが、こちらは洗練された感じが魅力的です。よく見ると最近描かれたものもあるようでしたが、街の雰囲気に馴染んでいて素晴らしいです。

 

St. George's Abby Kloster Museum

シュタイン・アム・ラインには二つ博物館がありますが、ちょっと遅めの時間に到着したので、一つだけ入ることにしました。

それが聖ゲオルグ修道院です。

中世の装飾の多くがそのまま残る感動の修道院です。スーパーオススメ博物館。

入口はちょっと地味だけど。入るべし!スイストラベルパス、ミュージアムパス使えますよ。

回廊のある作り。

屋根は古い感じで素敵です。

天井も素敵。

「聖ゲオルグの伝説動画を視聴できるから、よかったら見てね」とスタッフさんに教えてもらいました。

動画はドイツ語がわからないから避けていたのですが、実際に見てみると、セリフなしのアニメーションで分かりやすかったです。

暴れるドラゴンにお姫様を差出そうとするところを騎士のゲオルグがドラゴンを退治して国を助けるというお話でした。

 

よく聞くキリスト教にまつわる話にはないストーリーですよね。

キリスト教が、土着の信仰や伝説と交わりながら伝播していったことがわかるなあ、と思いました。スイスの伝説に興味が出てきました。

イリアム・テルの伝説が一番有名ですね。(私は全然内容知らないけど)

スイス人が「ウィリアム・テルは私たちのヒーロー」と言っていました。

 

 

さて、こちらは客人が初めに通されるウェイティング・ルーム。

 

天井の素晴らしいレリーフは「キリスト教にまつわるモチーフが配置されている」と説明されましたが、「え?どこが?」という感じ。

わからないけど、グリフォンって、キリスト教に出てこないよね?

ということは私の聞き間違いで、ギリシャ神話をモチーフにしているのかな?

 

このライオンの親子のストーリーとか気になるな。

 

モチーフの元ネタはわからないけど、とにかく素晴らしい。

 

2階には修道院長が暮らした部屋などがあります。

写真じゃ分かりにくいと思いますが、調度品、床、壁、天井、柱、どこを見ても美しい装飾があり、素晴らしいです。いくつかスイスの博物館に入りましたが、多くが古い建物の内装を残しながら展示しているので博物館は展示品だけでなく、建物の中を見学するのにぴったりです。

スイスの博物館でよく見かける陶器のタイルのストーブは贅沢品だったのかな、と想像します。とても豪華ですよね。

 

そして、客人が最後に通されるバンケットホール!

え〜!!

圧巻!!

スタッフの人も「ウェイティングルームですでにびっくりした客が、ここに通されてさらにびっくりしたと思うよ!」と言っていました。

鮮やかなブルーが印象的な美しい壁画はホルベイン一家の誰かが参加しているらしいです。青色はラピスラズリを使用していると考えられるので、どれだけ贅沢な絵か想像できるでしょうか。

これがオリジナルのままだって言うんです。

天井も小さなアーチが連なる見たことない造り。

透かし彫りの奥にもブルーが…!ああ、美しい。

 

圧倒的感動…。

 

帰りは対岸の教会の丘から街を展望。

本当に最高に幸せな気分で旅を終えました。

 

スイスってやっぱり物価が高いので、気軽な海外旅行には向いていかもしれないけれど、超平和で超安全。多分、日本よりゴミは落ちていないし、人もみんな優しい。そしてどこに行っても素敵な風景が待ってる。古い街並みも多く残っていて、歩くだけで楽しい。とてもオススメだな、と思いました。

かわいさ爆発アッペンツェル!

昔ながらのスイスの風景と、チーズ、工芸品などの特産品も充実していると聞いて、アッペンツェルを目指しました!

相変わらずスイスの車窓風景は最高だよ!

かなり辺鄙なところで結構時間がかかりましたが、到着です。

駅から少し歩くと可愛いエリアに到着。

カラフルでかわいい。

かわいい。

 

 

かわいいんだけどさ…

 

お店全部閉まってるんですけど!!




アッペンツェルチーズぅ〜〜〜(泣)

 

 

どうやら行く日のチョイスを失敗したようで、レストランとホテル、お土産屋さん1店舗以外は全部閉まっているという悲しい状態でした。

お目当てのチーズも工芸品も物色できず、ざんね〜ん!

建物は壁画が素敵で、まあ、来て良かったかな!

他の観光客も見るところがないので教会に殺到。

お墓エリアもそれぞれの個性があって面白かったです。消防士さんっぽいお墓には消防車のミニチュアとパトライトみたいなのが設置されていました。

 

アッペンツェルチーズはスイスのスーパーならどこでも買える有名チーズ。美味しいですよ〜。(現地で買いたかったな!)