Stein am Rhein
ついに鉄道乗り放題パスの有効期限の最終日がやってきました。
ライン川の宝石という名のシュタイン・アム・ラインを最後の地に決めました。
本当はシャフハウゼンから船で行きたかった場所です。ギリギリまで様子を見ていましたが、結局下がった水位が十分戻ることはなく、船は欠航したまま。
やっぱり行ってみたい気持ちに駆られて決めました。何回も同じルートを鉄道で通るのは効率が悪いような気がしますが、結論から言うと、大正解。小さな街ながら、満足度高いオススメの場所です。
船は使えませんでしたが、電車の駅もあるのでアクセスは容易です。駅降りた瞬間は殺風景ですが、川を渡ったところに本命の旧市街があるので、楽しみに歩き橋を目指しましょう!
ライン川を渡る
駅から橋を目指します。
少し遠回りしないと道がないので、これも駅を降りてから街の雰囲気が見えるまでの演出に一役買っているような気がします。
見えてきました!
橋渡る前から、もう、かなり良い!
橋の上からライン川。
向こう岸。絶対良いやん!
市庁舎横。
メインの広場に入る一歩手前なんだけど、もうここでうっとりして動けなくなってるご夫婦いる。
そして市庁舎前到着!
はい、最高!
素敵出窓…!きゅんっ
壁画のある街並み…きゅんきゅんっ!
”きゅん”が止まらない。
ここを鉄道パス最後の街に選んだ私、天才か。
アッペンツェルは素朴な感じの壁画装飾が多かったですが、こちらは洗練された感じが魅力的です。よく見ると最近描かれたものもあるようでしたが、街の雰囲気に馴染んでいて素晴らしいです。
St. George's Abby Kloster Museum
シュタイン・アム・ラインには二つ博物館がありますが、ちょっと遅めの時間に到着したので、一つだけ入ることにしました。
中世の装飾の多くがそのまま残る感動の修道院です。スーパーオススメ博物館。
入口はちょっと地味だけど。入るべし!スイストラベルパス、ミュージアムパス使えますよ。
回廊のある作り。
屋根は古い感じで素敵です。
天井も素敵。
「聖ゲオルグの伝説動画を視聴できるから、よかったら見てね」とスタッフさんに教えてもらいました。
動画はドイツ語がわからないから避けていたのですが、実際に見てみると、セリフなしのアニメーションで分かりやすかったです。
暴れるドラゴンにお姫様を差出そうとするところを騎士のゲオルグがドラゴンを退治して国を助けるというお話でした。
よく聞くキリスト教にまつわる話にはないストーリーですよね。
キリスト教が、土着の信仰や伝説と交わりながら伝播していったことがわかるなあ、と思いました。スイスの伝説に興味が出てきました。
ウイリアム・テルの伝説が一番有名ですね。(私は全然内容知らないけど)
スイス人が「ウィリアム・テルは私たちのヒーロー」と言っていました。
さて、こちらは客人が初めに通されるウェイティング・ルーム。
天井の素晴らしいレリーフは「キリスト教にまつわるモチーフが配置されている」と説明されましたが、「え?どこが?」という感じ。
わからないけど、グリフォンって、キリスト教に出てこないよね?
ということは私の聞き間違いで、ギリシャ神話をモチーフにしているのかな?
このライオンの親子のストーリーとか気になるな。
モチーフの元ネタはわからないけど、とにかく素晴らしい。
2階には修道院長が暮らした部屋などがあります。
写真じゃ分かりにくいと思いますが、調度品、床、壁、天井、柱、どこを見ても美しい装飾があり、素晴らしいです。いくつかスイスの博物館に入りましたが、多くが古い建物の内装を残しながら展示しているので博物館は展示品だけでなく、建物の中を見学するのにぴったりです。
スイスの博物館でよく見かける陶器のタイルのストーブは贅沢品だったのかな、と想像します。とても豪華ですよね。
そして、客人が最後に通されるバンケットホール!
え〜!!
圧巻!!
スタッフの人も「ウェイティングルームですでにびっくりした客が、ここに通されてさらにびっくりしたと思うよ!」と言っていました。
鮮やかなブルーが印象的な美しい壁画はホルベイン一家の誰かが参加しているらしいです。青色はラピスラズリを使用していると考えられるので、どれだけ贅沢な絵か想像できるでしょうか。
これがオリジナルのままだって言うんです。
天井も小さなアーチが連なる見たことない造り。
透かし彫りの奥にもブルーが…!ああ、美しい。
圧倒的感動…。
帰りは対岸の教会の丘から街を展望。
本当に最高に幸せな気分で旅を終えました。
スイスってやっぱり物価が高いので、気軽な海外旅行には向いていかもしれないけれど、超平和で超安全。多分、日本よりゴミは落ちていないし、人もみんな優しい。そしてどこに行っても素敵な風景が待ってる。古い街並みも多く残っていて、歩くだけで楽しい。とてもオススメだな、と思いました。