ゆる〜い建築愛にお付き合いいただきありがとうございます。
前編では東京駅(辰野)と京都国博(片山)の外観を見て来ました。
後半ではレトロ建築のレジェンド、奈良ホテルに行きます!!
奈良ホテルに泊まるぞ〜!
やってきました。奈良ホテルです!
あれれ?
東京駅や中之島公会堂とは全然違う外観です。
どこかの日本家屋かお寺のようですね。
この謎なのですが、「世界ふしぎ発見!」で解説していました。
いにしえの都で、先に建てられた近代建築が奈良の国立博物館でした。
片山東熊の設計です。
奈良まで行ったのに行く時間がなくて写真がありませんが、フレンチルネサンス風の建築なのだそうです。
んー。フォンテーヌブロー宮殿っぽいと言えなくもない、、、か?
片山の国立博物館(現なら仏像館)も優美で華やかな建築ですが、このフレンチっぽい装飾を施されたかわいい建物は、奈良の人々にとにかく不評で、奈良にふさわしくないと酷評されまくったのだそうです。
あまりにも奈良の人に受け入れられなかった国立博物館を見て、奈良ホテルを設計することになった辰野金吾は外観を奈良の町並みと違和感の無いように設計したのです。景観保護というやつですね。
また、設計当初から海外からの宿泊客を想定していたので、内装は和洋折衷、設備は西洋人が過ごしやすく西洋式を取り入れ、要所要所でオリエンタリズムを感じられるデザインとなったのです。
玄関
玄関外観
見た目、もはや寺。
しかし、石階段に赤い絨毯は西洋風のホテルの定番ですね!!
玄関ホール
吹き抜けになってます。
和風シャンデリア!
2階部分が折り上げでバルコニー風!
そしてマントルピース(暖炉)に鳥居!!!!
狛犬!!!!
ホール階段
螺旋階段風?
手すりには擬宝珠が付いていて、和風の橋の欄干のようです。
鳥居とか、狛犬と同じように外にあるイメージのものが屋内にあるのはちょっと違和感を感じますが、面白いですね!和洋折衷とは一体何か、唸りながら考えた結果のアウトプットだと思うと、明治時代の日本人になんだか親しみがわきます。
客室
家族3人で泊まったので、ベッドの配置が不思議なことになっていますが、ここでも和風のマントルピース。すぐに散らかしてしまったので、全体の絵が撮れず。
奈良ホテルには本館、新館があって、レトロな本館はスイート以外はちょっと狭いのです。
天井がとても高くて、アンティークな雰囲気の照明が不思議な形でした。和風の何かをモチーフにしているのでしょうか。
バスルームはこちら!猫脚のバスタブだ〜。
しかし、外国製のシャワーは使い勝手が良くなく、家族は散々格闘した挙句「このお風呂嫌い」とプンスカ怒っていました。
「え?お湯がちゃんと出るだけ全然いいんですけど。」と思う私はおかしいんでしょうか。
まあ、不満が出るのは高級ホテルだからっという期待感の高さゆえですね〜。
まだ西洋式のお風呂やトイレが一般的でなかった頃、宿泊した高浜虚子が水洗トイレの使い方や感想を詳しく本に書いたそうですよ。
もしYoutubeっぽいタイトルをつけるとしたら、
『話題の奈良ホテルに泊まってみたら、トイレでとんでもないことが起こりました』
どや!!
(すみません。夜中のテンションでブログ書いています。)
食堂
興福寺の五重の塔が見えるダイニング「三笠」です。
仏像が鎮座する暖炉を初めて見ました。
折り上げ格子天井。お金がかかる工法です。壁と天井のつなぎ目がカーブになっている様式です。
著名な日本画家の作品がたくさん飾ってありました。
たくさんあるスピーカーからはクラシック音楽が流れていました。
時計も当時からのものでしょうか。屋根みたいなのが付いていてユニークです。
夕食
優雅にディナーはフレンチ。
「お父さん!これがフォアグラだよ!美味しいね!!」
フォアグラにテンション上がる庶民。
「このブロッコリーみたいなのなんだっけ?」
「え〜っと、、、ロマネスク?ロマネスコ?」
朝食
朝ごはんは、洋食と和食が選べます。名物の茶粥がおすすめだそうです。美味しかった!
バイキングが人気だったそうですが、コロナ対策で決められたものが出てくるスタイルです。
照明
奈良ホテルは和風の照明が可愛くて特徴的です。
朝ごはんの茶粥の蓋に吊り灯篭が描かれています。春日大社のものをモデルにしたのだろうと思われます。
↓春日大社のもの
やっぱり似ていますね〜。
鞠のようなかわいい形のものもあります。よく見ると鳥のオブジェもくっついているのですが、暗めで上手く撮れませんでした。
この部屋にはアインシュタインが弾いたピアノがありました。
暗くてピント合わず。。。
玄関口のライトも可愛い。
客室も改めて。
奈良ホテルを満喫しました
楽しかった!
全体的に和風の装飾なのだけれど、建物の基本的な構造や、機能はすごく西洋的でした。
外からは気付きにくいけれど、この縦長のガラス窓も西洋的な要素を強く感じます。
廊下に立つと、天井の高さにびっくりするし、現代のエアコンも設置されていますが、銀色にペイントされたセントラルヒーティング(お湯で温める暖房)もありました。
西の迎賓館としての歴史は長く、1階の廊下は博物館のようになっていて、じっくり年表や写真を見るのも面白いかもしれません。
オードリー・ヘップバーンが泊まった部屋には入れなかったけど、十分満足です。
隣接する庭園にも行ってみました。チケットはフロントでもらえます。
芝生が完全に冬眠中。夏の方が綺麗だと思われます。
奈良って京都が人気すぎて不遇な印象なんですが、本当に素晴らしいところで、遺跡もあるし、古墳もあるし、寺も神社もいいところがたくさんあるんですよ。
もっと関東の人にも奈良の魅力知ってほしいな〜。
もし、ちょっと贅沢旅が可能なら、奈良ホテルは本当におすすめ。
インバウンドが少ない今年は予約が取りやすいはず。(GOTO期間は激混みます!)
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奈良ホテルのような変わった建築が好きな方には日本最古の木造教会、奈良基督教会も有名なので、訪れてみては。幼稚園の中なので、土日のミサの後、午後のみ見学可能なようです。なる子は観光客の少ない平日ばかり狙って奈良に行ってしまう傾向があり、ここはまだ実際には見たことがないんですよね〜。宮大工が作った教会って面白そうですよね。
辰野金吾、片山東熊、明治の近代建築家の名前を二人覚えるだけで、レトロ建築巡りが楽しくなりそうです。旅の際にはぜひ意識して見てみてください!
おまけ
次に気になっているのは日本銀行大阪支店。見学予約の締め切りが早い。