今週のお題「赤いもの」
昔の話ではありますが、当時の同僚が真っ赤なパーカーを着て真っ赤なスニーカーを履いていたので、「赤好きなの?」って聞いたら「え?今頃気が付いたんですか?」って言われて、その自意識にドン引きしたってことがあります。知らねーよ、今頃でも気づいただけすごくないか!?
「家の中も赤ばっかりですよ。」
さらにドン引きだわ!!
赤好きを気づいてあげられなかった鈍感な同僚女。こんな私がもし男だったら、彼女や奥さんが髪の毛切ったことも気付けずにキレられていたことでしょう。
いや、男に生まれてもシングルだったかもしれないけど…。
まあまあ、前置きは本当に置いといて、本題です。
絵の具の赤色は猛毒の噂について
絵の具には毒性のものがあって、特に赤色は危険という話を聞いたことはありますか?
そもそも古来から絵の具は、天然の鉱物や金属に色々混ぜて作っているのです。この色の素を顔料と言います。
こんな感じ。
油絵具=顔料+乾性油
水彩絵具=顔料+アラビアゴム
アクリル絵の具=顔料+アクリルポリマー
日本画絵の具=顔料+膠(動物性のゼラチンみたいなやつ)
この中で、日本文化に一番近しいのがもちろん日本画絵の具です。古来、赤色…つまり朱色は魔除けの色としてよく使われてきました。
その朱の原料が水銀、猛毒です。
この朱色は、神社の鳥居をはじめ、色々なところで使われています。魔除けの色、、、なるほどですね。疱瘡絵(赤絵)も赤色が魔除けという話がありました。毒で邪を払う発想と考えるととても納得がいきます。
近年の人工顔料はよくできていますが、天然物の発色にこだわって使い続けている画家も多いと思います。
「本朱」というのが猛毒の水銀です。綺麗。これを焼くと深い色味の本古代朱。私が持っているのは「本」がついていないので似せて作っているのかな?本古代朱は製造過程が有毒でやばいそうです。もう作られていないという話も聞きました。
とにかくこの辺りの色は取り扱い注意です。
こちらも取り扱い注意!練って使うのですが、他のものと混ざらないように専用のヘラを使います。
そういや昔は女性のお化粧の白粉に鉛を使っていて亡くなる人もいたという話がありますね。
こわい、こわい。
現代の絵の具で気をつけること
日本画の絵の具や印泥などは、ちょっと特殊な人しか使わないかもしれませんね。
では、普段使っている一般的な絵の具は大丈夫なのか。気になりませんか?
天然顔料を使った絵の具は結構高級なのものが多いので、普通は出会わないかもしれません。それでも時々金属系の毒性のあるものなどが基本の絵の具セットに入っていることもあるのです。
例えばこれ。
✖️(ばつ)マークがついています。
有毒性あり 警告 溶解性銅を含みます。
普通に使って、肌についたら綺麗に洗っておく程度で大丈夫と思いますが、口に入ったりすると良くないですね。
そういう点では、小さなお子さんが使うのはおすすめしないです。
有毒のイメージがある赤以外の色にも有毒なものはあります。気になる時にはバツマークが入っていないか、表示を確認してみてください。
なぜ有毒性のある絵の具が無くならないのか。それは人工では出せない色の魅力がこういう絵の具にはあるからです。なかなか人工的には開発されない天然由来の色の美しさ。画家の色へのこだわりがあるから、絵具会社は作り続けるし、それだけ惹かれる不思議な力がある絵画が存在するのかもしれません。
子ども用絵の具
私が大好きなターナーアクリルガッシュは色味も鮮やかで発色が良くリーズナブルなのですが、有毒性のあるものもあるんだな〜、というのは知っておくといいですね。
そんなわけで、安心して絵の具遊びなどをする時には、安全基準を満たした子ども用絵の具が推奨されるのです。
フィンガーペイントができる絵の具は手形足型をつけて色で遊ぶのにぴったり。
安全に気を使って作られているので、お子さんが色まみれになっても安心。
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ぺんてるやサクラなどが展開する児童向けの水彩絵具はどれも普通の使用には心配することはないです。
まあ、でも、だからと言って食べたりしないでね!