なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

池の水ぜんぶ抜くのは大丈夫か?!

茨城、潮来の「川の水ぜんぶ抜く!」特集を見ました。「池の水ぜんぶ抜く」シリーズで、初めて水路を堰き止めて約1.3kmの川の水を抜いたのです。利根川水系茨城県潮来(いたこ)。物資を運ぶ川として昔使われていたそうです。舟の往来を復活させるために川を綺麗にしたいと言う地元のSOSがあったそうです。

 

この番組、いつも物議を醸し出しています。池の水を抜くと、いくら全保護を目指しても、死んじゃう生き物が必ずいるからです。今回、まずはゴミ箱のように不法投棄がある水路を舟を出せるくらい綺麗に清掃をすることが大きな目的です。しかし、潮来の水抜き特集は外来種駆除が一つの目玉となっており、潮来に集まる釣り愛好家から、「外来種も生き物だ!」と抗議があったと言います。

 

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釣りって魚釣るんですよね?生物愛好家とは反対の立場にあるのではないのでしょうか。この水路はブラックバス釣りが好きな人が集まる場所のようです。バス釣りは疑似餌を使うし、キャッチアンドリリースだから、命を奪ってないという主張もありますが、(針の傷でリリースしても死んじゃうことが多いという説も)バスを弄んで楽しんでいるのだから、釣り愛好家が「生き物を大事に!」と抗議するのはちょっと私には違和感があります。

 

しかも、外来種だからって一部を駆除したところで、ここの水路は大きな川とつながっているから、一時的に減ったとしてもまた他からやってくるし、この水路から完全にいなくなるということは考えにくい。ただ、調査の為だからとしても、大量の魚が死んでしまうやり方は釣り愛好家じゃなくても不快に思う方もいるかもしれないですね。

 

今後、観光のために舟を浮かべるなら、バス釣りはもしかしたら禁止されるかもしれないですね。釣り愛好家の方はそちらの方が気がかりだったりして?

 

余談ですけど、この番組であまり好きじゃないのが、巨大魚を釣る特集。キャッチアンドリリース?単純に釣りの楽しさがわかんないんだな、私。

 

そもそも、どうして外来種食べないのかなぁ…。(ニジマスとかは食べてるけど)ブルーギル、佃煮にならないのかしら。美味しくないのかな〜。

潮来の特集の後に、中国広州の様子も特集していましたが、広州人はミシシッピアカミミガメカミツキガメも食べていました。ブルーギルやバスは養殖しているそうです。たくましい。どうせ地球の生態系なんてほぼ人の手が入っているのだから、食べるのが一番、爆発的繁殖数を抑えるのにも良さそうです。中国人の食文化が洋食化したらどうなるかわかりませんが。

 

 

今回、潮来の川の水ぬきで、多くの水生生物が捕獲されました。

 

ブラックバス

ブルーギル 5000匹 水草も小動物もなんでもばくばく。生態系を変えちゃう。

コイ670匹

アメリカナマズ (食用で入ったけれど、毒があり危険、モツゴなどを大量に食べる。)317匹

コウライギギ 「ギギ」と鳴く。拡散しないように2016年、特定外来種に指定。 203匹

ライギョ48匹

ダントウボウ(中国原産)

ミシシッピアカミミガメ5匹(全国800万匹)

 

 など外来種18種9094匹

 

モツゴ(別名:クチボソ)253匹 佃煮 アメリカナマズに食べられる。

イカワ12匹 水の汚れに強い

モクズカニ1匹

ヌマガイ6匹

テナガエビなどエビ類2000匹

など在来種は10種2423匹

 

他にも

ヘラブナ国内外来種)2000匹

ワタカ(琵琶湖水系・国内外来種)81匹

国内外来種もたくさんいたようでした。

 

今いる外来種は、ほとんど人為的に、目的があって持ち込まれたものがほとんど。

ペットとして飼われていたのは、縁日でよく見かけたミドリガメ。食用に持ち込まれたウシガエルも、飽食の時代になって食べられなくなってしまいました。生物の在来種、外来種の分類はとても曖昧で難しいのですが、人の移動のスピードが急激に速くなった明治以降に流入のあったものを、在来・外来分類することが主流のようです。そうすると、コイは在来種という見方もあるのかな?

 

 

私がこの番組で一番好きなところは、ゴミ掃除で綺麗になっていくところ。

 

潮来の清掃で回収されたゴミは…

テレビ10台

冷蔵庫2台

洗濯機5台

ゴルフバッグ

ヘルメット

タイヤ

ガスボンベ

風呂椅子

などなど、

トラック7台分のゴミ!

 

すごい!地元の人たちが水抜いて一気に掃除したくなる気持ちわかる。

 

この水路はまだ護岸に植物もたくさんあって、外来種は多いけれど、まあまあ生物の多様性があるように思いました。ブルーギルしかいない池とかあるらしいし。

 

人の手で汚された本当にゴミだらけの池や川は、そもそも在来種が住みにくい環境になっているので、アマゾン産などの澱んだ泥水が好きな外来種が増えるのは当たり前なのです。水を綺麗にすることで、増える在来種もあるし、減る外来種もあるはず。

 

水路も、池もそもそも人の手で作られたものが多いですし、人間が心地よく暮らす為にという基準で、綺麗にしていくのが今できる最善のように思います。

 

「かいぼり」という言葉もこの番組を通して初めて知りました。人工的な池は放置するのではなく、たまに水を汲み出してヘドロを書き出し天日干しをし、また水を入れることで水質を管理する方法です。

昔と違って、プラスチックゴミなど、自然分解が難しいものを取り除くのにもいい機会なので、生物をなるべく保護しても全部は難しいのはわかっているけれど、かいぼりって人間が心地よく暮らす為の知恵だな、と思うのです。

 

手付かずの自然なんてものは存在しないのです。私たちが「美しい」と思う自然の風景には程よく人の手が加えられているものです。

 

私の結論から言うと、池の水ぜんぶ抜くのは大丈夫です。その土地の人がどのような暮らしを望むかを一番に考え、必要だと思うならやってみたらいいのです。

 

目に見える範囲では、うまくいくときもあれば、そうじゃないこともあるかもしれない。マングースヌートリアが増えたりして、思惑通りにいかないこともあるけれど、生物の世界はダーウィンの進化論に照らし合わせると、生態系はベストのバランスを取っているように見えても変化し続けているものだから、もはや外来種も在来種もない。

 

知っておくといいと思うのは、世の中には環境ビジネスっていうのがあったり、研究費の獲得の為にちょっとだけ警鐘を鳴らすような発言を研究者がしてみたりするってことです。

 

テレビに出ている先生には、色んな所へ行って研究を続けて欲しいし、色んなことを教えて欲しいので、「池の水」の番組で「やばいの出ました!」「この池は末期ですね。」と煽るようなセリフを編集で多用されても、番組は引き続き見ます。

 

なんだかんだ、私もエゴ人間だなー。