いつからハロウィンはこんな風になったの
今年も渋谷は大変そうですね。
私は緑の電車の中で駄菓子軍団に囲まれたことがあります。
目の前に「チョコバット」と「タラタラしてんじゃねーよ」。斜め向こうに「カールのおじさん」。そして横には「よっちゃんイカ」
いつからこんな愉快なイベントになったのでしょうか。
いつの間にこんなことに?となっているのは日本だけではありません。
イギリスもそうです。
私が初めて滞在した初めの年のハロウィンは、「あれ?ハロウィンっていつだっけ?」という感じでいつの間にか過ぎて行きました。
え?何で?「E .T .」でハロウィンのシーンあったよね!?
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そう、現代の仮装するハロウィンはイギリスには馴染みが薄く、完全にアメリカの文化なのです。そしてここ数年、イギリスでもハロウィンがぐんぐん市民権を得て、ハロウィンの日にはロンドンのバスの中はトイレットペーパーをぐるぐる巻きにしたミイラ男とか、口元から血を垂らしたドラキュラとかでいっぱいになっています。
さて、なぜ21世紀になるまで、イギリスでハロウィンが浸透しなかったのか。
推測するに、ほぼ同シーズンに別のイベントがあるからです。
それこそ日本人には全く馴染みがありません。
それこそが、「ガイ・フォークス・デイのボン・ファイヤー」です。
「ガイ・フォークス・デイ」とは
ガイ・フォークス・デイは11月5日。ハロウィンの日から5日後です。ガイ・フォークス・ナイトと呼ぶ人も多いです。
この日、街でガイ・フォークスという男(実在した人物)の人形を引き回し、夜には大きな焚き火に放り込んで焼いてしまう。打ち上げ花火で盛り上がります。
ははは…なんとなく残酷祭り。
そう、流石に最近では、人の形をしたものを炎で焼くのはよろしくないと、この人形の風習は廃れ気味のようです。
焚き火(ボン・ファイヤー)と打ち上げ花火は残り、町中が盛り上がります。
首都ロンドンではあちこちの公園で打ち上げ花火が上がりまくるので、高層階から街を眺めると爽快です。
この花火大会の日が大きなイベントだったので、ハロウィンが長く取り入れられなかったのだと思います。
ガイ・フォークスの人権が見直されて祭りの形が変わってきたのと入れ替わるようにポピュラーになってきたのがハロウィンというわけです。
そもそも「ガイ・フォークス」って誰?
カトリック教徒だったガイ・フォークスは、仲間と共にプロテスタントのジェームス1世暗殺を企てます。ウェストミンスターの議事堂を王とその周りの要人もろとも爆破してしまおうという大胆な計画です。火薬を集め、議事堂までトンネルを掘ろうとしていたそうです。1605年のことです。ガイ・フォークスはロンドン塔に送られ処刑されました。
この事件の代名詞となったガイ・フォークス。この事件にちなんでガイ・フォークス人形が焚き火に放り込まれる風習が始まったと言われます。
「男、奴」の意味で使われる「guy」はガイ・フォークスが語源なのです。
ちなみに「V for Vandetta」という映画で出てくる不気味な笑みを浮かべるヒゲの男の仮面。
あれが、ガイ・フォークス・マスクです。