クジラは知能が高く、尊い生き物なので、食べるのは野蛮。
そんな意見を聞いたことはありませんか?
捕鯨に眉をひそめる欧米人に多い考え方だと思います。
「どんな動物も生物も命は平等に尊いのではないの?」仏教的価値観が強い日本では、クジラが賢い哺乳類であることは理解できるけれど、牛や豚と同じ命をありがたく頂戴することに何の違いがあるのか理解しがたいと思っている人は多いと思います。
じゃあ、カンガルーは?可愛いウサギは?とか、突っ込みたくなるのですが、議論するのは私は避けています。価値観が違いすぎるからです。議論したところで平行線。「クジラは賢いから殺すのは野蛮」という主張を持っている人の考え方を変えたり、仏教的価値観を理解してもらうことはほぼほぼ不可能だと思っています。
彼ら、どうやら動物に対してランクづけの意識を持っているようなのです。
最近聞いた話です。動物使いの呼び方です。
蛇使い、鳥使い、ライオン使い、象使い…日本語だと多くを「〇〇使い」と呼んでいますが、英語では、それぞれどんな呼び方をするか、見てみましょう。
【へびつかい】Snake Charmer
Charm(チャーム)には、「まじない」とか「お守り」みたいな意味があります。つまり、蛇には悪魔的な要素があるので、まじないで操るのだ、というイメージを持っているのです。
【鳥使い】Bird Charmer、Falconer(鷹匠)
このあたりの区別は正直言うとはっきりと私はわからないのですが、推測するに、オウムなどの不可思議な鳥は、操る意味合いでCharmer、鷹匠はパートナーのような意味でFalconerと呼ばれるようです。何となくですが、鳥の中でも人間のパートナーになるような賢い鳥と、知性よりも「話す」など非現実的な力を持っていそうな鳥とを区別しているような感じがします。
【ライオン使い】Lion Tamer
tameには「大人しくさせる」、「手なずける」と言う意味合いがあります。凶暴な獣をコントロールして大人しくさせるので、Tamerと呼ぶそうです。
【象使い】Elephant Trainer
トレーナーは聞き馴染みのある言葉ですね。意味は「訓練する人」。人間同士でもジムのトレーナーなど、日常で使いますね。つまり、象は人間に近い知能の高い動物であるという意識がこの言葉の裏側に感じられます。イルカにもTrainerという言葉を使います。
日本では、お猿さんの曲芸も人気ですよね。
【さるまわし】Monkey Showman, Monkey Trainer
二つの言い回しがあるところを見ると、Showmanはまずい、と思って近年呼び方をTrainerに変えた経緯がありそうです。Monkey自体差別用語として使われることがあります。
これらの呼び方から垣間見える感覚、生き物の性質でランクづけをしているように感じます。反論もあるかとは思いますが。
動物使いの話を最近聞いて、ちょっと面白いな、と思いメモってみました。