苦手な人がいると思うので、先に注意喚起します。
今回の話題は虫系です。
蝶々みたいだけど、蝶々じゃないアイツの話です。
控えめ、抑えめの写真を選びましたけど、苦手な人はぎゃーっとなる前に撤退しましょう。
では、お話を始めます。
それは、冷え込み始めた11月も終わりの頃。並木道も紅葉し、落ち葉を踏みしめる音が楽しい季節になりました。
帰宅した私はあるものに気づきました。
家の前に何かくっついてる。
葉っぱ?
じ〜…
いや、違う。
これは、あれだ。葉っぱにしか見えない何かだ。
お調べ申し上げたところ、枯葉に擬態する蛾、アケビコノハさんでいらっしゃいました。
大きい。6〜7cmくらいあるように見える。
どうしてこんな所に飛んできたのかわからないけれど、きっと夜が明ける頃には飛び立っているだろう。
びっくりしないように、そ〜っと扉を開けて、そ〜っと閉める。
どちらかというと虫は平気な方だけど、大きいのが目の前を飛ぶのはちょっと嫌じゃん?粉が飛びそうだし!
じゃあね、アケビコノハさん!お元気で!
翌朝
…同じ所にいるやん。
(演出上、同じ写真を使っています。)
明るいうちにどっか安全な所に行くんやで!
帰宅
…いるやん。
死んでるの?
いやいや、だいたいこういう奴はつつくと飛ぶねん。
もう、困ったねえ。
5日後
…マジか。ピクリともせーへんやん。
まさかここで越冬するつもりでしょうか。
【アケビコノハについて】
アケビコノハは幼虫の時に、アケビやムゲの葉を好んで食べるそうで、この名がついたそうです。幼虫もなかなかなビジュアルです。興味のある方はググってください。
成虫は越冬して春に卵を産みます。見つかりにくい枯葉に擬態して隠れて冬を過ごすそうです。うちに来たアケビコノハさんも、自分と同じような色した場所を見つけて、越冬を決めたのかもしれません。
仕方ない。もう、とことん春までつきあってやるかー!
さらに2日後
アケビコノハさんがやってきてから1週間になりました。
あまりにもビクともしないので、私の行動もほぼ日常通りになりました。
この日も出かけようとして扉を閉め、鍵を閉めようとすると…
あれ?アケビコノハさん…?
いない!
ああ、ついに飛び立ってしまったのか…。
否。
足元に枯葉が…
アケビコノハさん…!!
落ちずにくっついていた枯葉がついに力尽き、ひらりと舞ったのでした。
越冬叶わず。
心なしか、色あせて、小さくなったように見えました。
最後に私には確かめたいことがありました。
アケビコノハさんは完全に落ち葉に擬態していましたが、翅を広げるとビビットな黄色と目玉模様があって、襲ってくる敵(鳥)を驚かせて逃げるのです。
鱗粉が舞いそうなので、素手は無理でしたが、ニトリル手袋をはめて、そっと翅を広げてみました。
図鑑の通りの黄色。
すごい。枯葉のコートの中にこんな派手な模様を隠していたなんて。
ちょっとした感動です。
しかし、東京の街は思ったよりも生物の多様性豊かですね〜。目の前の電柱にスズメの巣があるし、近所にガマガエルもいるし、ワカケホンセイインコの群が飛んできたこともあるし、割に頻繁に驚かされています。
動物でびっくりしたといえば、ロンドンの街には狐が普通にいることです。リスが普通にいること以上にびっくりしました。夜行性なので、昼間は線路脇とかで日向ぼっこしながら寝ていることもあります。
狐よけに有効なのは動物園からもらったライオンの糞と聞いたことがあります。
都市伝説っぽいですけど。
あなたのお家の周りにはどんな生き物が住んでいますか?