伊東深水は大正昭和に活躍した浮世絵にもルーツを持つ日本画家です。代表作の一つ「湯気」は教科書に載っていた記憶があります。
また、宝塚女優で、晩年バラエティ番組などでは超お嬢様育ちな振る舞いが可愛かった朝丘雪路さんのお父様としても知られています。
朝丘雪路さんが、どのくらいお嬢様だったかは、ここに行けば推しはかれるでしょう。
池上梅園
https://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/park/ikegamibaien.html
大田区の公園になるまで、他の所有者の経緯はありますが、遡ると伊東深水の自宅兼アトリエ(月白山荘)があった場所です。元アトリエ兼自宅だと思うと美しい庭園、広い敷地にびっくりします。
残念ながら当時の建物は空襲で焼失…。しかし、深水のアトリエを設計した建築家・川尻善治が自宅に建てた別邸などが、この公園に保管されています。桂離宮を彷彿とさせる数寄屋建築。より一層、深水のアトリエがどんなだったか、見てみたかったな、と思います。
他にも貴重な和建築がここに移築されていますので、お庭と共に楽しめます。
この公園の見所はなんと言ってもたくさんの種類の梅の花が楽しめる梅園です。
ちょうど今週が見頃でしょう。混んでるかも〜。
そして、もう一つ。
大田区立・龍子記念館
https://www.ota-bunka.or.jp/facilities/ryushi
池上梅園からも近いので、ハシゴできますよ!
日本画家・川端龍子が設計した自然光が入る展示会館で、空間を広く取るために西洋美術館のコルビジエ建築を参考にしたとか。ピロティと呼ばれる高床式になっていて、一階の柱が2階の空間を支える仕組みなんだとか?
そして見所は向かいの公園。旧宅とアトリエがあります。
門を入ってすぐの池は、実は爆撃を受けて焼失した居宅跡なんだとか。
なので、現存する旧宅は戦後に建てられたものなのだそうですが、川端龍子は建築が大好きだったらしく、細かく注文をつけて大工泣かせの施工だったそうです。(大工さんはやはり桂離宮を研究していたとか。行き着くところ皆、桂離宮!)
今となってはどんなにお金を積んでもそんな加工はしてくれないだろうというような意匠があちこちにあります。こうやって残っていることに感謝です。
まず目につくのが石。何種類使っているんですか!?
そして、竹!
ぴっちり揃えて並べるために一つ一つ節を削ってあるのだとか。
修善寺の方から取り寄せたとか言ってたような(ガイドしてもらったのにすぐ忘れる)…
とにかく修善寺にも立派な別邸があるそうです。ひ〜。泡吹きそう。
記念館スタッフのガイドがとても良かったのでぜひ、ガイドツアーに参加してください。
アトリエは60畳あるんだそうです。体育館?
現在、現代アートの展示が開催中なので、加藤泉さんの作品がどーん。
そして、仏間には元々橋本関雪のコレクションから譲り受けた仏像が並んでいたそうです。
仏像は貴重すぎて、今や、東京国立博物館の管理下。
板間も畳もこの網代格子…。特注すぎる。やばい。
そうそう橋本関雪といえば…ですよ!
京都には「白沙村荘」というとんでもない場所があると聞いております。
西の巨匠、橋本関雪が文人の理想郷を建てちゃった!という場所です。
まだ行ったことないんですよー!
巨匠のアトリエシリーズはまだまだ続けられそうですね。
京都と言えば、画家だけでなく、陶芸家の河井寛次郎記念館とかね。
こんな感じで、大正昭和の巨匠たちの功績は、偉大な作品群だけでなく、とんでもない建物を建てちゃうところまでがセットだな〜と改めて思いました。
おすすめの巨匠アトリエ、あればぜひ教えてくださいね!