年始に東京での個展を終えて、大阪での個展を控え、実家で準備をしていた頃でした。
「あ、地震!」
揺れ方に違和感。
長い。
慌てて玄関の扉を開け、おさまるのを待つ。
この地震、近くではない。
やばいやばい。嫌な感じ。
テレビをつける。
これは、相当にまずいやつだ。
関東方面に住む祖父母がいる。
安否の確認!
プルルルル…
「おばあちゃん!大丈夫?怪我はない?!」
「なるこちゃん、大変なのよ〜。おばあちゃん戸棚なんか必死で押さえて。あちこち物が落ちて。あ〜、また揺れ始めた!切るわねぇ!」
ちょっ…!おばあちゃん!戸棚なんか抑えるのやめて!
…ツー、ツー、ツー。(電話切れてる)
勘弁してほしい。
大きな地震の時は迷わず安全確保!
この後、しばらく祖母宅の電話は不通となりました。
津波のライブ映像をしっかり見てしまい、その後もネット検索が止まらない。自業自得とは言え、少なからず精神的にダメージを負った私。被害にあった人の痛みは計り知れない。
大阪での個展は、関東では自粛モードだったにも関わらず、それなりに来客があってありがたかった。話題はもちろん地震ばかりだったけど。世の中からアートを求める風潮が激減した感はあった。
今日、フェイスブックの当時の投稿を見返してみたのです。
過去の旅の写真がたくさんアップされていて、ベネチアの海がキラキラと輝く写真、イギリスコーンウォール地方の明るいビーチの写真が並ぶ。
どうやらフェイスブック上で旅のアルバム作りをせっせとしていたらしい。
見るタイミングによっては不謹慎画像。
その後、「地震!超怖い!おばあちゃんと電話通じなくなっちゃった!」と言う投稿が続く。
そんな3月11日。
9年後のコロナ
なんか、地震を思い出すと、コロナは絶望感そんなにないな、って思ってしまう。
世界中がパニックになっているし、本当に困っている人がたくさんいることが困ったところだけれど。私もそこそこ困ってる。
美術館は閉まりまくっているし、私もいくつか仕事が白紙になったけど、美術館はオンラインで解説してくれたり、アーティストはこれを機にクリエイティブな動きが少しずつ生まれてきている。私にできることは何かあるかな…。
見えない恐怖とか不安はあるけれど、絶望じゃない。
そう言えば、なんとなくありがたかった今年のおみくじには、なんて書いてあったかな、と引っ張り出してきました。
病気 おそくとも癒る
う〜ん、出来るだけ、早くお願い!
全世界対象で。