なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

19世紀の登山ブームが生んだボードゲーム『L'Alpinista』

グランド・ツアー

アルプス登山観光の起源は主に英国貴族やブルジョアの子息たちが修学後、フランスやイタリアに豪華旅行したというグランド・ツアーだと言われているようです。この伝統は17〜19世紀初頭まで続きました。文化的には先進国だったフランスやイタリアに行って見聞を広めようというわけです。一般的に家庭教師が同行したそうです。旅行しながら留学する感じですね。イタリアに行くにはフランス・スイス・イタリアの国境のあたりのアルプスを越える必要がありますから、楽な道を選んだとしてもなかなかの登山だったことでしょう。グランド・ツアーでスイスを訪れることも人気で、その山々は青年たちの心を掴んだようです。19世紀に流行したアルプス登山でアルプスの主峰39座のうち、31座はイギリス人が初登頂しているそうです。アルプスに裕福な登山紳士たちが押し寄せたおかげで、特に産業のなかった貧しい山間の村にガイドや宿泊など観光業が栄えました。これがアルプス黄金です。

 

19世紀には登山のボードゲームも誕生『L'Alpinista』

スイス・バーゼルフリーマーケットで激安(ラッキー!)で手に入れたボードゲームを紹介します。『L'Alpinista』です。イタリア語です。フランス語でL'Alpiniste。ドイツ語でDer Bergsteiger、英語でThe Mountaineerです。「登山家」という意味です。

今回購入したのは2020年復刻版です。オリジナルは19世紀のものだそうです。絵がレトロで素敵です。

開けるとこんな感じ。

 

箱の裏側。

 

箱の裏側の写真のように、ボードは組み立て使います。両面使えるようになっていて、一周回って戻ってくる双六タイプになっています。

組み立て方を変えることもできる。そういうの好き。

 

コマはクリップ式の登山家たちです。

 

その他、4枚の絵札と、8枚のヘルプカード。

 

コマはクリップで止めて移動させることができます。登ってる感が出て良い〜。


遊び方

ルールブックも多言語で助かります!(伊、仏、独、英)

ゲームのあらすじはこんな感じ。

 

山の旅に出ていたあなたは道沿いでボロボロの服でゆっくり歩く人を見つけます。あなたは近づいてその人の具合を確かめます。その人はあなたに少し休むよう言い、『賢明な登山家の偉大な道』の話をします。「この道は魔法の泉に続いている。山の幻想に気を取られている人には見えないので注意しなさい。その泉は情熱があり、迷いと欲を打ち破り山の試練に勝った者の前だけに現れる。泉に導くのは、君の選択、頼りになる人々、ひとつまみの運だ。覚えておきなさい。もしその泉に辿り着いたなら、その登山家は水を飲んで満足な生活を得ることができるだろう。」

 

意気揚々と、あなたは「魔法の泉」を探す旅に出ることを決意します。立ちはだかる山のほんの片隅にいます。道の始まりにこんな看板がありました。

「山と人が出会う時、素晴らしいことが成し遂げられる。(ウィリアム・ブレイク)」

"Great things are accomplished when men and mountains meet" -William Blake-(原文)

さあ、今あなたはまさにその場所に立ちました。旅の始まりです。

 

基本のルール:サイコロで進みます。

緑のマス:特になし

黄色のマス:ヘルプカードを1枚もらうことができます。カード置き場に無くなったらもらうことはできません。

赤のマス:特別な指示があるので、ルールブックの番号の欄を見てください。

 

一つのマスに止まれるのは2人までです。

3人目からは一つ手前のマスに止まります。

例えば、No5に止まった場合、次のふたつから選択します。

エーデルワイスを採取して、サイコロをもう一度振る(花カードを取る)

②ノートブックのカードをもらって絵を描く。一回休み。

 

先を急ぎたいし、エーデルワイスを採取できるなんて素敵!と思って①を選ぶと、No14のマスでこんな指示があります。

「もし、エーデルワイスのカードを持っている場合、管理人から叱られる。保護されている花だからだ。あなたはNo7まで逃げ戻る。」

 

管理人に叱られました〜

エーデルワイスは採ってはいけません。意外に学びのある双六です。

 

No.17では「熊と遭遇。ヘルプカードを持っていたら使って一回休み。誰も助けてくれなかったら8まで戻る」

とあります。

ヘルプカードは自分で持っていたら自助に使えますが、1枚も持っていなかった時に持っている人に助けを求めることができます。ヘルプカードを持っている人が助けるかどうかはその人次第ですが、助け合いの精神が問われます。

 

こんな感じで、他の登山家と駆け引きしつつ、野生動物にあったり雪崩にあったりしながらゴールを目指します。ボードは裏面にも回って一周して戻ってきます。

 

戻ってきたあなたに謎の旅人が現れます。「君は合格だ。」と言われますが、どういうことかわかりません。「勝ちました。しかし、どこにも魔法の泉なんてない。」「魔法の泉は君の道中の選択の中に隠れている。ゲームに勝ち、友人たちを助けることができたなら、わかるだろう。連帯と友情を持って、泉は君の心、精神、体に流れ込んでいるのだ。」

 

え、え〜〜〜!!

 

ちょっとわかりにくいけれど、山で強まった連帯と友情は人生を豊かにしてくれるということらしいです。

それこそが多くの紳士が求めた山の魅力だったのかもしれません。

 

途中で誰かを助けることができていたなら、負けても清々しい気持ちになるかもしれません。

シンプルなようで考えさせられる登山ゲームでした。

 

『L'Alpenista』は海外のサイトでしか購入できないので、お馴染み鬼畜登山ゲーム『K2』をご紹介します。油断したらすぐ死ぬ過酷な設定です。ボードでやると複雑なので、慣れている人がいないと天気の切り替えとか忘れそうなのですが、オンラインゲームサイトに無料版があるのでそちらで試してみるのもいいかもしれません。

友達と数回プレーしましたが、毎回誰かがクリアできません。『パンデミック』並みのクリア難易度。でもおすすめです。ぜひ〜。