なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

横浜で注目の展覧会に行ってきました

KAAT神奈川芸術劇場で開催していた冨安由真さんの「漂泊する幻影」展に行ってきました。(1月31日まで)

これまでの展示ではポルターガイストが起こるインスタレーション や顔が消されたような幽霊っぽい肖像画などの絵画で「怖い!」と評判の現代アーティストです。作品そのものも実力がある若手作家さんなのですが、お化け屋敷見たさみたいな気持ちも相まって毎回展示を開けば行列ができることもしばしば。今回の展示も巷で話題。

 

今回の展示は、どうやら実在する廃ホテルを舞台にした映像と、ホテルに残されていた家具などを使ったインスタレーション、そして廃ホテルの景色を切り取るように描いた油画が展示されていました。ふわふわと鑑賞していると、みたもの同士が繋がったりすることに気づきます。美術館ではなく劇場というロケーションを活かし、暗闇の中で浮かび上がるようなスポットライトがストーリーがあるように点いたり消えたりして、スポットライトに導かれるようにぞろぞろと観客が移動してちょっと面白い。

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これまでは、もうそこにはいない人の気配、「死」を感じる作品が多かったように思いますが、今回の展示は少し違う印象でした。人物画がなかったせいかもしれません。劇場っぽい演出は怖いというより綺麗だし、謎解きみたいになっている点も、映像がとても明るいってところも全体的な印象を明るくしていると感じました。

 

廃ホテルの映像やインスタレーションにはシカなどの剥製がいて、まるで人のいなくなった場所に侵入してきた野生動物のよう。

これまでの作品が人間と家の呪縛みたいなものを感じたのに対し、命の循環的なものを感じたのでした。「もののけ姫」でシシガミ様が歩いたところは草がブワッと生えて、その後枯れて、、、っていう一コマがありましたが、あのイメージです。

 

私が感じたところは作家の意図とはちょと違うかと思いますが、新たな展開が見られる予感がしたので次回の展示も楽しみにしたいな、と思いました。

これからも注目の作家さんです。