終戦の日。
戦時中と戦後の混乱で苦しんだり亡くなられた方々の為に、これからもずっと平和であることを祈らずにはいられない。
8月15日は世界中が平和の為に祈っている、追悼の日と思っていました。
ところが、それは日本にいるからこそ持っている視点。
世界は全く違う角度でこの日を迎えているのです。
日本は敗戦国であると強く認識した日
日本が敗戦国であることは、もちろん当然のこととして、子供の頃から知っていることです。学校でもそう習いますから。
戦争のイメージは、悲しいものばかり。
空襲で罪のない人が命を落とした。
原爆が投下され、街が一瞬でなくなった。
なんとなく被害者的な視点で過去の戦争を認識していました。
ある日、私はイギリスにいて、突き抜けるような青空を真っ二つに割るような轟音とともに、見たこともない形の航空機が駆け抜けていくのを呆然と見上げていました。
その直後、三機の軍用機が赤、白、青の雲のラインを引きながら一糸乱れぬ隊列を組んで全く同じ空路を駆け抜けていきました。
そこで、有事ではなくミリタリーショー的なやつだな、と一瞬こわばった身体の緊張が解けました。
それはVJ-Dayの式典の催し、空軍による儀礼飛行だったのです。
VJ-Day、つまりVictry over Japan Day.
8月15日、第二次世界大戦で日本に勝ったことをお祝いする日です。
戦後70年以上経っても、国名を指して戦勝を祝うのです。
(対日戦勝記念をお祝いする国はアメリカなど他にもたくさんあります。)
イギリスのVJDayはとても大きなイベントで、女王も出席するし、テレビ中継もあります。
真っ赤な式典用の軍服におびただしい数の勲章を胸につけた元軍人さんのおじいさんたち。彼らがイギリスの英雄でVJ-Dayの主役のようです。
「苦しみを乗り越え、戦争で平和を勝ち取った。」
そんな印象を受けました。
戦争に勝った国の華々しい式典を目の当たりにして、日本は敗戦国であるということを強く、強く、認識させられたのでした。
ともに願うのは平和
自分とは違う視点を知ることで、他者との違いも共通点も同じく大事にできるのではないでしょうか。
勝とうが負けようが、平和を祈る気持ちは共感し合えるはず。
戦争を子どもたちに伝える活動
私が大大大大尊敬している元小学校の先生がいます。定年後長く放課後教室の主任をされていました。その先生のライフワークが戦争体験の語り部です。
兄弟の手を引いて戦火を逃れた体験を、毎年夏になると各地の子どもたちに伝える活動をされています。
戦争は、歴史の教科書の1ページで全てを語れることではなく、その時代を生きた一人一人にそれぞれの戦争があったことを、子どもたちは感じ取ってくれているでしょう。
平和や命の大切さについて、子どもたちが考えるきっかけになっていると思います。
世界ではまだ戦争で苦しんでいる人たちがいることを子どもたちに伝えてみるのもいいかもしれません。
最後に絵本の紹介
外国のお話です。第2次世界大戦中、ポーランドからイスラエルに移った作者が書いています。
飢えと戦う毎日なのに、パンではなく大きな世界地図をお父さんは買ってきた。
子どもたちが読むとどう感じるのかなぁ〜。
おとうさんのちず [ ユリー・シュルヴィッツ ]
|