なる子とマーナル☆

少女の心を忘れない、なる子とマーナル☆によるアート・旅行・キッズ応援ブログ

絵画を守る黄色い袋

絵画を買うと、ついてくる箱

 

絵画、買ったことありますか?

 

私はあります。

新進気鋭の若手作家の小作品で、正直「え?こんな値段で売って大丈夫?」と思うくらい、そのアーティストの実力からしたら安いと思える値段でした。

おかげで、自分が「好き!」と思えるもので、部屋を彩る喜びを知ることができ、なんとも言えない幸福感があります。

 

その作家さんは作品がピッタリ収まる箱に、タイトルなどの作品詳細のラベルを貼って、納品してくださいました。

 

大学ではデザインを学んでいたと言っていたので、こだわって作ってくださったのだと思います。中には見たこと無い素材のクッション?みたいなので作品が保護されていました。

特別な素材なのかなー??

 

絵画や額装品などの「箱」は、保管することを前提にとてもこだわられる作家さんや画廊は少なくありません。

いつからか知りませんが、伝統的に「差し箱に黄袋」が、ちゃんとしてると思われがちです。

 

一般的に箱で思い浮かぶやつが「かぶせ箱」です。

一方「差し箱(タトウ箱と呼ばれることも)」とは、箱の一面だけが開けられるようになっているもので、文化鋲?とかいうのがつけられています。凧糸でくるくるして留めるアレです。クラシック!

 

差し箱の良いところは、例えば保管棚にたくさん作品が並んで立て掛けてあっても、そのまま作品だけスライドして取り出すことが可能なところです。

かぶせ箱は、棚から全体を取り出して、蓋をぱかっとしっかり開けないと作品が取り出せないので、場所を取ります。

 

どちらのタイプも通常、額屋か箱屋が作ってくれます。差し箱の方が値段が高いです。

注文すると高いので、手作りするアーティストもいます。

 

そして、作品を「黄袋」なるものに入れるとちゃんとしていると思われがちです。

なんとなく作品も高そうに見えます。

黄色の染料で染められた綿の袋です。傷から守る役割と、防虫防カビ効果を期待して一般的にはウコンで染められているらしいです。ウコン染めは古くから防虫、防カビ効果があると重宝されてきたそうです。色だけ黄色の化学染料のものもあるらしいです。

当然、黄袋の方がビニール袋より値段が高いです。通気性は良さそうです。

 

ふーん。そうなんだ〜。と当たり前のように思っていたのですが、ここに疑問が湧く事件が発生しました。

 

ウコンに防虫・抗菌効果はないだと!?

奈良に滞在中、「キハダ染めワークショップ」を見学する機会がありました。

奈良は生薬の歴史が深く、特に奈良の代表的な生薬として「キハダ」がある、という話でした。

(先日のクレイジー・ジャーニーでは奈良時代が生薬の黄金期と言ってた。薬草を税として納めていたとか)

 

一見普通の木ですが、文字通り木肌をめくると、中は真っ黄色!!!!

 

生薬としては1300年の歴史を持つ、奈良の胃腸漢方薬、『陀羅尼助』の主成分です。

https://daranisuke.co.jp/

 

ワークショップの講師の方曰く、防虫効果があるので、大事な巻物とかを包むのにキハダ染の紙や布が使われたと…

 

昔の公式文書に黄色に染められた紙がよくあるとか…

 

正倉院用語解説:

https://shosointen-glossary.narahaku.go.jp/kihada/

 

その話を聞きながら、「あれ?ウコンじゃなくて?」と心の中で呟く私。

 

あまりにも気になり、ワークショップ後、講師に質問。

「よく絵画とか黄色い袋に入っているんですよ〜。ウコンで染めてるって聞くんですけど、ウコンにも防虫効果が?」と。

 

まだ若手の講師、「え〜!?ウコンですか?防虫効果、聞いたことないな〜。ちょっと待ってくださいね。」と分厚い生薬辞典なるものをパラパラ。「う〜ん、やっぱり防虫とか抗菌効果とかウコンにはなさそうですね〜。いや、実はあるのかもですけど、ここには〜。」

 

ちょっと待って。私の認識では、「絵画保護の黄袋は元々防虫効果のあるウコンで染めていたけれど、最近は形だけ残って廉価な化学染料で黄色に染められていることがある。」

 

だったのに…!

 

実は、

 

「元々は防虫効果のあるキハダで染めてたけど、形だけ残って手に入りやすいウコンで染めてた」ってこと!?

 

1300年の歴史恐るべし…。

 

「形式が残る」の面白さというか。サトウのパック鏡餅みたいな。

 

後に、ウコンの黄袋は、紫外線で退色しやすいので、黄袋の状態を見れば、大体の保管状態も推測できるという話も別のところで聞きました。

 

はは〜ん?なるほど?

 

キハダは色移りしやすいという側面もあるようなので、ものによっては直接包むのに向いていないかもしれません。

 

黄色い袋は、美術品を大事に扱おうとするリスペクトの気持ちがこもっているし、お守りのようなもの、かも知れません。着物の保管にも使われますよね!

 

キハダを食す

お土産物屋さんにキハダ入りの葛湯が売っていたので、試しに飲んでみました。

少しピリッとした感じ。山椒のような刺激があります。使われているのは実の部分かな?

とろとろの葛湯にあっている。あったまる〜〜〜

胃腸に効くというので、お腹の調子が悪い時に良さそうです。

オンラインで売ってるかな?と思ったら、私が買ったものは売ってませんでした。

期間限定の少量生産なのかもしれません。

 

漢方の陀羅尼助も気になりますね。良薬口に苦し、というところで、非常に勇気はいりますが。

 

 

大神神社(おおみわじんじゃ)の「くすり道」

奈良・三輪にある大神神社は、日本最古の神社の一つとして、今も多くの信仰を集めています。そこに「くすり道」という小道があります。


大神神社が最古の神社なので、さぞかし歴史のある道かと思ったら、平成の時代に作られたそう。塩野義製薬など関西の製薬会社が出資して、生薬の道を作ったのだそうです。

奈良は結構製薬会社が多いらしいです。

 

この道にもキハダはあったのかなぁ。。。

 

また機会があればじっくり見てみたいものです。

(しかし、奈良は見どころ多すぎて、ちょっとしたものは見落としちゃうのよね)