子どもの頃に読んでいた本など3冊を紹介します。
「おやゆびトム」
ペロー童話
フランスの詩人、シャルル・ペローにより集められたヨーロッパの童話集「眠れる森の美女」や「赤ずきんちゃん」「シンデレラ」「長靴をはいた猫」など8つの物語を集めたもの。「おやゆびトム」はその一つで、「親指小僧」「親指太郎」などの題名で知られているもの。
貧しい木こりの息子、トムを合わせた7人の兄弟は貧しさゆえに、森の中で置き去りにされ、捨てられる…。
「マーシャとくま」
ロシアの民話
道に迷ったマーシャは森のクマにとらわれる。知恵を絞って村へ帰ろうと試みる。
「バーバ・ヤーガ」
スラヴ民話
森に住む妖婆、バーバ・ヤーガ。鶏の脚の上に建った小屋に住んでいる。
この本では、野生のカブを探して森に入った女の子をバーバ・ヤーガがさらってしまう。しかし、最後には家に帰してやったりと、憎めないキャラクターとして描かれている。
ヨーロッパの童話・森はおそろしい
ヨーロッパの童話では、森はおそろしいところとして描かれることが多い。
山が多い日本では、下って行けばどうにかなりそうだけれど、ヨーロッパの森は果てし無く平坦で深く、広い。迷ってしまえばもう帰って来れなくなる、おそろしい場所として印象づけられるような物語が多いのは、子どもの命を守るためだったのだと思う。
森にはバーバ・ヤーガがいる。これは東ヨーロッパ〜ロシアあたりの人なら誰しも知っているような有名な山姥。なぜか日本では文献がほとんどなくて、とても残念です。
おそろしい、と言えば、子どもの頃、松谷みよ子さんの「うみとモモちゃん」を読んで、昼の海の楽しさと比較し、夜の海が本当におそろしく感じたのを思い出しました。
絵本はいろんなことを教えてくれるのです。
おやゆびトム―ペロー童話 (世界傑作絵本シリーズ・オランダの絵本)