イギリス・スコットランドのルイス島で発見されたという、中世のチェス駒があります。制作年は12世紀(1150年〜1200年ごろ)と言われています。
主にセイウチの牙でできており、おそらくノルウェーで作られたと推測されています。
スコットランドのルイス島とはこの辺り。
Harris Tweedという羊織物の生産地としても知られています。
スコットランド地方の中でもかなり北の方です。
歴史的には古代にはケルト系のゲール人が定住し、マン王国の一部となり、9世紀ごろからヴァイキングの侵攻も受けつつ、ノルウェー王の勢力下にあったこともあります。
スコットランド王国の一部となったのは13世紀以降。
ノルウェー産のチェスが見つかったというのも頷けます。
さて、ここまで駒の写真がありませんでしたが。
私が本物の写真を持っていないからなんですね。
この駒のほとんどがロンドンの大英博物館に所蔵されています。
大きいもので、10cmで、小さいものは4cm程度なのだそうです。
ちょっと目を剥いたようなユニークな顔立ち。
なんともいえない愛嬌と、スカンジナビア風の文様が美しい。
ところで、チェスのある生活、憧れませんか?
私は憧れます。
チェスがあったらカッコいいな〜と思っていたのです。
随分前の話ですが、朝日新聞の会員制ポータルサイト、「アスパラクラブ」を購読しておりました。朝日新聞の記者やフリーライターがコラムを連載していた、朝日新聞デジタルの前身の一つです。
ある時、大英博物館展のグッズでこのルイス島のチェスセットのレプリカが懸賞で出ており、「絶対欲しい!!!」と思い応募。「当たる気しかしない」という確信を持っていたら、なんと本当に当選した、思い出のチェスセット。
久しぶりに取り出しました。
じゃ〜ん。
開けますよ。
ボードは紙製ですが、しっかりしていて、盤のデザインがケルト風の縁取りがあり、美しい!!
ボードの下にチェス駒!
きゃ〜!興奮!
綺麗に収まっております。
白と黒の駒ですが、本当は黒ではなく、セイウチの牙に、赤く色を塗っていたようです。こちらの写真がイメージしやすいと思います。↓
この紅白バージョンのレプリカは、「ハリーポッターと賢者の石」でハリーとロンがチェスに興じるシーンで使われています。
でも黒の方がカッコいいな〜。
そこはさすが、世界の海洋堂さん。
このチェスの他にも、日本の根付けシリーズなど、大英博物館のグッズをたくさん作っています!
ちなみに、チェスはやっぱりヨーロッパではポピュラーな遊びのようで、観光地なんかに行くと巨大なチェスで遊ぶ親子の姿なんかも見られます。
「ハリーポッター」ではハリー達が駒になってハラハラしましたよね。
さて、ルイス島のチェス駒を並べてみます。
キングとクイーンはお互いに鏡に向き合うのですね。
将棋は飛車角が対角に向き合うので、似ているようで違う点の一つですね。
久しぶりに置くと、再発見があるな〜。
背中、椅子まで細かく彫られている。この植物の模様が、中世スカンジナビアで見られるものとよく似ているため、ノルウェー産との説が高いのです。版の縁はケルト文様を基にしていると考えられますが、似ているようでちょっと違うのがわかりますでしょうか。盤をケルト風にしたのは海洋堂のアレンジでしょうか。
この目…!
なぜか引き込まれます。
黒のキングもかっこいい!
駒の素材は樹脂でできてるんですかね。
レプリカですが、そこそこ重みもあって、重厚感あります。
ナイトもしっかり馬にまたがり勇ましいですね。
大きさはこのくらい。
ミニチュアのレプリカですから。
この小ささでこのクオリティ。素晴らしい技術ですよね。
並べるだけで終わってしまいました。
いいのです。
「チェスのある生活」は、必ずしも、「チェスをする生活」ではないからです。
一人暮らしの言い訳ではなく!
追記:
アマゾンで輸入品が売っているようです。
一回り大きいサイズかな?
私が持っているものは、確か定価3000〜4000円くらいだったと思います。
Scottish Isle of Lewis Chess Set